2006年に出版された、森見登美彦のベストセラー小説『夜は短し歩けよ乙女』がアニメ映画。『逃げ恥』俳優として2016年大人気となった星野源が、本作の主人公”先輩”の声優に起用されたことで話題を呼んでいます。その他にも実力派声優が揃い踏みとなった本作の主要キャストを紹介します。
記事の目次
森見登美彦の人気作『夜は短し歩けよ乙女』が映画化!
2017年4月7日に全国公開のアニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』は、森見登美彦原作の恋愛小説(2006年、角川書店出版)です。
本作は同著者の『四畳半神話大系』がアニメ化した際のスタッフが再集結つしており、監督は『マインド・ゲーム』(2004年公開)『夜明け告げるルーのうた』(2017年公開予定)なども手掛ける湯浅政明、脚本はヨーロッパ企画の上田誠が担当。主題歌も本放送時にOPを担当したASIAN KUNG-FU GENERATIONの『荒野を歩け』が起用されています。
その他、森見登美彦原作の『有頂天家族』もアニメ化されており、2017年春アニメとして続編の放送が決定しています。
『夜は短し歩けよ乙女』のあらすじ
本作は京都が舞台となっています。そこで繰り広げられる冴えない大学生の主人公”先輩”と、面白いものが大好きで無邪気な女子大生”黒髪の乙女”の恋愛ストーリー。各視点からの恋模様が描かれています。
後輩に恋してしまった主人公が、彼女に目を引いてもらおうと「ナカメ作戦」と言われる行動を繰り広げていきますが、中々気持ちに気づいてもらえず……。
そんな2人を取り巻く奇妙な人びととともに数数の珍事件に遭遇していく恋愛ファンタジーとなっています。果たして恋の行方はどうなっていくのでしょうか。
主人公”先輩”役の声優は星野源
ミュージシャン・俳優・文筆家などの多くの肩書を持ち、各分野で多大な人気を誇る星野源。2016年放送の大人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で津崎平匡役を演じ、さらに主題歌を用いた「恋ダンス」までもが社会現象となり、一躍時の人となりました。
声優としては、2013年に『聖☆おにいさん』のブッダ役や2016年に『ちえりとチェリー』でチェリー役などに起用され注目を浴びました。
主人公役のオファーを監督直々に受けた際に「断る選択肢はない」と思ったそうです。実力派声優陣の中での大役はプレッシャーがすごそうですが、楽しく演技されていたようなので、公開が楽しみです。
実写化だと勘違いしてしまうほど俳優として定着
さらに俳優として成功を収めている彼のイメージから、実写化と勘違いしたファンもいました。
少し雰囲気も似ていると言えなくもないので、確かに実写化なのかと思った節もあります。冴えない草食系男子といえば”星野源”というイメージが定着しつつあるのかもしれません。
実際アフレコを聞いてしまうと『四畳半神話大系』で”私”役の声優だった浅沼晋太郎と比較してしまいますが、彼らしい”先輩”で森見登美彦の世界観を一新してくれることでしょう。
人気声優と人気芸人で固めたキャスト陣
ヒロインとなる女子大生”黒髪の乙女”役の声優は花澤香菜
ヒロイン役といえば花澤香菜!これは発表前に予想できた人も多かったかもしれませんね。
彼女が今まで演じてきたキャラクターは、『物語シリーズ』の千石撫子や『ニセコイ』の小野寺小咲、『3月のライオン』の川本ひなたなどかわいらしいヒロイン役が多く見られます。
元々作品のファンだったということで、独特な作風にも馴染み、ヒロインの恋愛に対する感情などを面白くかつかわいらしく表現してくれそうで期待大です。
主人公の友人で女装癖のある”学園祭事務局長”役の声優は神谷浩史
今や人気すぎるベテラン声優の域に達しているとも言える神谷浩史。2006年に生死をさまようほどの事故から奇跡的に回復し、話題作には欠かせない声優となりました。
『ONE PIECE』のトラファルガー・ローや『進撃の巨人』のリヴァイ、『夏目友人帳』の夏目貴志など、ここに名を挙げたものだけでも彼が声を当てたキャラクターはどれも不動の人気者となっています。
相当に愛すべき人物に仕上げたという事務局長を演じる上で苦労もあったようですが、彼が演じるというだけで顔を緩めて観てしまうこと間違いなしです。
ロマンチストで変わった願掛けをしている”パンツ総番長”役はロバート秋山
独自の笑いを展開しているお笑いトリオ・ロバートの秋山竜次が、声優に憑依するのではなく声優として”パンツ総番長”を演じています。
俳優としてドラマや映画に出演していることは知られていますが、実は『劇場版ポケットモンスターシリーズ』で2作品ほど声優として出演を果たしています。また彼の代名詞とも言える『クリエイターズ・ファイル』では、架空の若手No.1声優・二木陽次を生み出しています。
完成披露上映会の際に「ヒット祈願でパンツ替えてない」などと発言して笑いをそそり、その存在感をアピール。彼らしいユーモアが込められているであろう演技、ドカンと劇場内が沸くことでしょう。
『四畳半神話大系』のキャストも続投!
自称天狗の”樋口師匠”役の声優は中井和哉
『四畳半神話大系』では藤原啓治が演じていましたが、病気療養中のため本作は中井和哉となりました。主な出演作品・キャラクターは、『ONE PIECE』のロロノア・ゾロや『銀魂』の土方十四郎などです。
本人いわく、藤原啓治が演じた樋口が最高すぎて悪戦苦闘したようですが、個個の声の良さが前面に出て新鮮さが味わえるのではないでしょうか。
樋口と親密な大酒飲みの美女”羽貫さん”役の声優は甲斐田裕子
甲斐田裕子は洋画吹き替えを多くこなし、舞台女優としても活躍しています。『一騎当千』で呂蒙子明役に抜擢されて以降、アニメ声優としても浸透。『四畳半神話大系』でも羽貫を演じており、安心のキャラクターと言えるでしょう。
見かけと違い毒舌を吐く”古本市の神様”役の声優は吉野裕行
こちらも『四畳半神話大系』からの続投となる、小津役を演じていた吉野裕行。『有頂天家族』にも下鴨矢二郎役で出演しており、森見登美彦作品がアニメ化する際は欠かせない人物となってきているのではないでしょうか。
本作の予告編が出回り始めると、小津が出ると思われたほど反響があったようですが、別ものとして考えながらよっちんの声に浸り観賞するのが正解かもしれませんね。
「偏屈王」の舞台監督”紀子さん”役の声優は新妻聖子
情報バラエティ番組『王様のブランチ』でリポーターも務めていた、ミュージカル女優の新妻聖子。劇場版アニメ『とある飛空士への追憶』や『プリキュアシリーズ』にも声優として出演しています。
ゲリラ演劇に出演する俳優”ニセ城ヶ崎”役の声優は諏訪部順一
『四畳半神話大系』では城ヶ崎先輩役だった諏訪部順一が、今度はニセ城ヶ崎役として登場。『有頂天家族』では下鴨矢一郎役で出演。吉野裕行と同じく森見登美彦作品の常連になっています。
同じく演劇に出演する女優”プリンセスダルマ”役の声優は悠木碧
子役として活躍し、その後声優としても活躍の幅を広げた悠木碧。
『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどか役を筆頭に、『戦姫絶唱シンフォギア』の立花響など主役級のキャラクターを多く演じる人気若手声優に成長しています。
主人公の妄想上の自分”ジョニー”役の声優は檜山修之
特撮のライダーものや戦隊ものなどで長期に渡り活躍している檜山修之。『幽☆遊☆白書』の飛影のイメージも根強いです。
『勇者特急マイトガイン』『勇者王ガオガイガー』という勇者シリーズで主役を務め、ファンからは”勇者王”と呼ばれることもあるそうです。
錦鯉センターの親父”東堂さん”役の声優は山路和弘
舞台や映画など幅広い分野で俳優として活躍している山路和弘。『ONE PIECE FILM GOLD』ではギルド・テゾーロを演じたており、原作の尾田栄一郎からも好評価だったそうです。
その他にも人気ゲーム『龍が如くシリーズ』の伊達真など渋いイメージのキャラクターや、洋画ではアル・パチーノやジョン・トラボルタなどの吹き替えも担当しています。
マニアックな収集癖をもつ富豪老人”李白さん”役の声優は麦人
ベテラン中のベテランで、インパクトのある脇役と言えばこの人!2016年放送の人気アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』のロム爺といえばわかる人も多いでしょう。
『美男高校地球防衛部』のウォンバットなど、見かけがかわいいキャラクターも演じています。また、新房昭之が監督を務めるシャフト作品に起用されることが多く”シャフト声優”や”新房組”と呼ばれることもあるようです。
『夜は短し歩けよ乙女』の公開は2017年4月7日!
実力派の声優からマルチ俳優など、個性が際立つキャストが勢ぞろいした『夜は短し歩けよ乙女』をぜひ大スクリーンで堪能してみませんか。また、映画を観る前に森見登美彦の世界観をもっと知りたい方は、『四畳半神話大系』『有頂天家族』もぜひご覧になってみてください。