『ジョジョの奇妙な冒険』史上最も長く活躍した主人公・空条承太郎について考察しました。作者が最強と言ってはばからない王道主人公として有名ですが、ファンなら彼の秘めた熱い心や意外な人間臭さにも注目したいところ。実写映画情報もあります。
記事の目次
第3部主人公にして作者・荒木飛呂彦も認める『ジョジョ』最強の男
空条承太郎のプロフィール
- 身長:195cm
- 体重:82kg
- 星座:みずがめ座
- 血液型:B型
- 好きな人・もの:千代の富士、久保田利伸、飛行機や船に関する本
- 口癖:「やれやれだぜ」「オラオラ」
- 特技:タバコを5本ふくみ口に入れ火を消さずにジュースを飲む
『ジョジョの奇妙な冒険 Part3スターダストクルセイダース』の主人公。第2部の主人公ジョセフ・ジョースターの孫にあたり、第3~6部に登場。1970年または1971年生まれで、第3部作中の1988年時点では17歳の高校生。イギリス系アメリカ人の母と日本人の父を持つハーフ。
行動力と冷静さを兼ね備えた完璧な主人公
冷静沈着で頭脳明晰。かつ根は正義感の強い性格ですが、周りにどう思われるかなどを全く意に介さないため無口で、かつ腕っぷしが強いために周りからはとんでもない不良として恐れられがち。しかし打ち解けた仲間とは深く理解し合うタイプで、また女生徒からは男らしさとルックスで好かれているようです。
しかしそんな男らしに反し、やられたことは根に持ってやり返す、細かくメモを取るといったよく言えば学者気質な面もあり、第4部では海洋学者になっているのもそういった気質からなのかもしれません。
無口なのに存在感抜群!最強の男の学ランと学帽の秘密
作者の荒木飛呂彦は承太郎のモデルは西部劇でのクリント・イーストウッドだと述べていて、いつも学帽を被っているのもそのイメージからなのだそうです。また衿に鎖つきの番長然とした学ランもめったに脱ぎません。服装を固定したのはどこから見ても承太郎とわかるようにするためで、特に決して脱がないことからいっそ一体化させてしまおうということで帽子は髪との境目が解らないように描かれているのだとか。
その意図通りにどちらも承太郎のトレードマークとなり、高校卒業後の第4~6部でも学ランに似たロングコートと前につばのある帽子を身につけて登場しています。
恐るべきパワーと精密動作性!最強のスタンド「スタープラチナ」
破壊力 – A / スピード – A / 射程距離 – C / 持続力 – A / 精密動作性 – A / 成長性 – A→E(完成)
パワーと精密動作性の両方に優れた、作者曰く最強のスタンド。力勝負では他のスタンドに負けることはほぼないでしょう。決め技は通称「オラオララッシュ」で、破壊力のある拳を素早く連打してぶちのめします。
他にも花京院らからDIOの肉の芽を抜く、写真に写ったハエのリアルなスケッチをするといった精密動作性を生かし使い方もできるようです。作者の言葉にもありますが、「パワーとスピード」という王道要素を兼ね備えたまさに主人公らしいスタンド。
後に「時を止める」という能力も身につけ、スタンドとしては完成に至りました。
高校時代から結婚、死亡まで…承太郎の人生
札付きの不良だった承太郎にとっての正義と悪
第3部での承太郎は、直接的で暴力的な方法で物事を解決するため、決して素行のいい高校生とは言えません。どこからどう見ても不良です。
しかし承太郎には彼なりの正義感にのっとって行動し、かつ悪を激しく憎んでいるのです。承太郎にとっての「悪」とは、「自分自身のためだけに弱者を利用し踏みつけるやつ」のこと。この善悪観に従い、彼は無抵抗の女は危険を顧みず助けるし、実は敵が利用されていただけだと知れば命を救うこともあります。結果、彼は主人公らしい勧善懲悪をはたらくことになるのです。
承太郎と仲間…エジプトまでの旅に見る承太郎の意外な魅力
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承太郎が主人公として活躍した第3部は、悪の化身DIOを倒すと目的で集まった仲間たちとの、長い長い旅でした。それはただ敵スタンド使いと死闘を繰り広げただけでなく、承太郎にとっては大切な仲間との出会いや別れのつまった最高の思い出でもあります。
ジョセフ以下、アヴドゥルに花京院、ポルナレフ、イギー。ほぼ最悪に近かった承太郎と彼らの出会い。しかし長い旅を共にし死闘をくぐり抜けるうちにお互いを認め合い、絆を深めていきました。あまり感情を表に出さない承太郎ですが、彼が仲間に心を許したことは、たまに語られる意外なエピソードに表れています。
あのクールな承太郎が彼らの前では妙な一発芸を披露したり、砂漠では気がふれたのかと思うような大笑いをしたりするなんて、読者からしたら想像できないことです。他にも花京院を信頼しているような台詞を吐いたこと、そしてジョセフの呼び方が「おじいちゃん」から「じじい」に変わったことも、絆の深まった証拠でしょう。最終回の別れのシーンでのポルナレフを見つめる承太郎の心には、旅への深い想いが行き交っているかと思うとグッときますね。
承太郎と家族…アメリカ人女性と結婚し、命を懸け娘を守る姿
承太郎は『ジョジョ』史上最も長く活躍した主人公であり、第4部では年長者として主人公たちをサポートします。第3部に比べてかなり落ち着きが見られる28歳の彼は、実はすでにアメリカ人女性と結婚し、一人娘の空条徐倫(くうじょう じょりーん)をもうけていました。その娘との再開から始まるのが、第6部です。
第6部で注目すべきは、父・承太郎が娘・徐倫を深く愛し、命を懸けて守る姿です。父を拒絶していた徐倫の頑なな心を突き動かし、宿命の戦いに立ち向かわせるほどの強い父の愛。そして最終決戦では、身を呈して徐倫をかばい命を落とすのでした。承太郎は母ホリィを救うために旅に出たことからもわかるように、本当は愛の深い人間なのです。
しかしそれが大人げない行動につながることもあり、第6部では承太郎が徐倫に恋い焦がれる男に敵意露にする人間臭い一面も見られます。一族への愛とは別に、人並みの父親らしい感情も持っているようです。
ゲーム『ASB』とアニメでは人気声優・小野大輔が担当
2013年発売のゲーム『ASB』以降、承太郎の声は、『おそ松さん』の十四松役や『黒執事』のセバスチャン・ミカエリス役で知られる小野大輔が担当しています。小野は大学時代からのジョジョファンであり、「『ジョジョ』に人生を変えられた」と公言する1人です。第3部の番組ラジオのパーソナリティーも務めていて、ジョジョネタで盛り上がる様子がファンにも好評でした。
実写版キャストでは承太郎を演じるのは伊勢谷友介
現在話題となっている第4部の実写映画では、独特の存在感を醸し出す俳優・伊勢谷友介(いせや ゆうすけ)が演じることが決定していて、公式Twitterにもその写真がアップされました。白いロングコートに身を包み、帽子の奥から見つめる伊勢谷の姿は、今のところ予想以上?