予習や復習用に!『ファンタスティック・ビースト』用語解説





公開されるやいなや2016年実写洋画として記録を更新した『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。ハリー・ポッターシリーズのスピンオフ作なので、魔法界で使われる独特の言葉がたくさん登場します。2作の気になる用語を合わせて解説いたします。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』


出典:『ファンタスティック・ビースト』公式Twitter

J・K・ローリング著『ハリー・ポッター』シリーズのスピンオフ作品として、『幻の動物とその生息地』を原作とした5部作の第1作目の映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(以降:ファンタビ)』が2016年11月に公開され、全世界で人気を集め話題となっています。

ハリー・ポッターシリーズの舞台とは変わって、ファンタビの舞台は1926年のアメリカ合衆国のニューヨーク。アメリカでは独自の魔法に対する文化や法律が制定されていて、ハリー・ポッター好きでも初めて聞くワードばかりの作品となっています。

字幕や吹替で見てちょっとわかりにくかった方は復習として、これからファンタビを見る方には予習できるように、ファンタビの用語を解説していきたいと思います。

アメリカの魔法史で使われる用語

アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)

J.K.ローリング「アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)」紹介映像【HD】

アメリカ合衆国魔法議会の頭文字をとってMACUSA(マクーザ)はニューヨークを拠点にした魔法界の警察庁にあたる組織で。国際機密保持法を導入するにあたり1693年に創設されました。MACUSAは1926年当時世界一高かったビル・ウールワースビルにあり、魔法使いでない普通の人間には見えないように隠されています。

ノーマジ

「ノーマジ」とはアメリカの魔法界で使われる用語で、魔法を使えない普通の人間のことを指します。語源は「ノー・マジック」から。ハリー・ポッターの舞台であるイギリスで使う「マグル」と同じ意味で使用されています。

ラパポート法

1790年、魔法社会とノーマジ社会を完全に分けてしまう法令をマクーザが可決しました。それがラパポート法です。マクーザ幹部の娘がスカウラーの子孫と事件を起こしたことで、魔法の存在を全世界に知られそうになったのをきっかけにこの法律が作られました。魔法使いとノーマジとの結婚することや、友人関係となることも禁止されています。

スカウラー

マクーザが設立された目的の大きな一つとして、金銭目当てに魔法族を狩る魔法使い「スカウラー」という存在があります。法の執行機関として闇払い志願者を募集し、スカウラーの排除を目指していましたが、スカウラーの子孫たちが、ノーマジの社会に溶け込んで正体を隠し生きているため、ノーマジにとって魔法が怪しげなものとして認識され続けることとなりました。

新セーレム救世軍

「新セーレム救世軍」は魔法使いと魔女を糾弾し、根絶することを目的とした活動をアメリカで行っているノーマジの組織で、セカンド・セイラマーズとも呼ばれています。1692年にアメリカのマサチューセッツ州で起きたセーレム魔女裁判を再び行おうということから、魔女裁判のことを「セカンド・セーレム」と呼んでいます。

イルヴァーモーニー魔法魔術学校

J.K.ローリング「イルヴァーモーニー魔法魔術学校」紹介映像【HD】

アメリカ合衆国マサチューセッツ州グレイロック山にあるイルヴァーモーニー魔法魔術学校は、創設者のひとりがノーマジだったこともあり、民主主義的な校風を持つ魔法学校です。

学寮はホグワーツと同じく4つあり、入寮時には角水蛇(ホーンド・サーペント)・パンサーのワンプス・パクワジ・サンダーバードの彫刻たちが欲しい生徒のときにアクション起こす形式で決めるのですが、ふたつ以上の寮が同時にその生徒を欲しがった場合には、生徒自身が入る寮を選ぶことになります。制服のローブは青とクランベリー色をしており、金色のゴルディオスの結び目で留められています。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に登場するティナ、クイニー姉妹もイルヴァーモーニー出身です。

『幻の動物とその生息地』に関わる用語

『幻の動物とその生息地』


出典:『ファンタスティック・ビースト』公式Twitter

『幻の動物とその生息地』とは1927年に出版されてから、ホグワーツ魔法魔術学校の指定教科書とされ、現代ではほとんどの魔法使いの家庭に1冊は置かれるほど、魔法界で定着されている本のひとつです。

魔法動物学者ニュートン・スキャマンダー


出典:『ファンタスティック・ビースト』公式Twitter

ニュートン・スキャマンダーは著名な魔法動物学者で少し変わった内向的な性格。1897年生まれでホグワーツ魔法魔術学校ではハッフルパフ寮に所属していました。

魔法省につとめていましたが、給料の足しにすることと、新種の魔法動物を見つけられるかもしれないということで、1918年オブスキュラス出版社から依頼され、魔法動物の本を執筆するために必要な調査をはじめることになります。100カ国に渡る国で調査し1927年『幻の動物とその生息地』を出版に至ります。

1979年には魔法動物学への貢献を認められマーリン勲章2等を授与されており、その後、ハリー・ポッターでおなじみの蛙チョコレートのカードにもなっている人物です。

オブスキュラス出版社

「オブスキュラス出版社」とは魔法界の出版社で、ダイアゴン横丁南側18a番地に店を構えていました。1927年に『幻の動物とその生息地』を出版しベストセラーとなりました。

サンダーバード


出典:『ファンタスティック・ビースト』公式Twitter

「サンダーバード」とはアメリカ合衆国アリゾナ州で暮らす巨大な鳥です。不死鳥とは非常に近い種族で、アメリカの杖職人はサンダーバードの尾羽根を杖の芯として利用しています。危険を察知する能力を持ち『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の作中ではその能力を発揮していました。

イルヴァーモーニー魔法魔術学校の寮のひとつにサンダーバードの名前がつけられています。

二フラー


出典:『ファンタスティック・ビースト』公式Twitter

「ニフラー」はイギリスに生息する魔法動物で、キラキラ光るものならなんでも好む習性を持っています。長い鼻で穴を掘って家具などを破壊してしまうことがあるので、室内ないでは飼わないほうがいいそうです。

魔法界で共通して使われる用語

オブスキュラス

「オブスキュラス」とは、何世紀にも渡って登場していない強大な力を持つ黒い影です。魔法使いの力が暴走して本人が持てる以上の力を抑えきれなくなるとオブスキュラスとして、周囲を荒らしていく存在になります。オブスキュラスは子どもに宿り取り憑くのですが、宿主となった子どもは10歳も生きられずに死んでしまいます。

闇祓い(オーラー)

「闇払い(オーラー)」は闇の魔術に関連した犯罪を捜査するための訓練を受けた専門捜査官で、魔法界における警察や軍隊のような役割と言えます。イギリスでは魔法省の魔法法執行部、アメリカではアメリカ合衆国魔法議会所属となります。闇払いになるための訓練は非常に厳しく難しいもので、闇払いに適した素質を持った者の志願者が多くありません。

スクイブ

「スクイブ」とは両親やどちらかの親が魔法族なのに魔法を使えない人間のことを言います。ノーマジやマグルとは違い、スクイブは魔法界の知識を持っていて、マグルたちには見えない魔法界の存在を見ることができます。作中に登場するスクイブの代表をあげると、ハリー・ポッターシリーズのホグワーツ魔法魔術学校の管理人をつとめているアーガス・フィルチや、ダーズリー家の近くに猫をたくさん飼っているフィッグ婆さんことアラベラ・フィッグなどがいます。