これを読んで楽しさ倍増!『スター・ウォーズ』シリーズのトリビアを一挙に紹介





世界中にファンを持ち、今や伝説的な作品となった『スター・ウォーズ』シリーズ。全作品を観ていても、その設定の細かさゆえに意外と知らないことが多く驚くことも。今回は、そんな『スター・ウォーズ』シリーズをより楽しめるようになる、設定・キャラクターにまつわるトリビアや、今後の展開に関する情報をご紹介します。

意外と知られていない?『スター・ウォーズ』シリーズの基礎知識


スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望 リミテッド・エディション(出典:Amazon)

『スター・ウォーズ』シリーズで特徴的なのが、全六部作(当初の予定)のうちで最初に公開された作品がエピソード4からという点です。これは物語の都合上というわけではなく、新三部作(エピソード1~3)が当時の予算や映像技術では実現できず、また興行的に失敗すれば続編の製作にGOサインが出ないため、ジョージ・ルーカス監督が「冒険活劇」として最も適した旧三部作(エピソード4~6)からの公開を決めたためでした。しかしこの選択は結果的に功を奏し、ルーカスフィルムがディズニーに買収されながらも、『スター・ウォーズ』シリーズは現在まで続いてきました。

また、監督はもともと『フラッシュ・ゴードン』(こちらもスペースオペラもの)というコミックの映画化を考えていましたが、それが不可能となり『スター・ウォーズ』の脚本を書き始めました。もし、監督による『フラッシュ・ゴードン』が製作されていたら・・・。もし、エピソード1から公開されていたら・・・。もしかしたら皆さんの愛する現在の『スター・ウォーズ』はこの世に誕生していなかったかもしれません。

ジョージ・ルーカス監督の構想を支えた日本文化と黒澤映画

実は日本の文化や映画が大きな影響を与えている!


隠し砦の三悪人(出典:Amazon)

尊敬する映画監督の一人として黒澤明監督を挙げるジョージ・ルーカス監督。そのためか、『スター・ウォーズ』には東洋、特に日本の文化や黒澤映画から影響を受けている設定やデザインが随所に見られます。ダース・ベイダーのヘルメットは伊達政宗の兜がモチーフになっていたり、ジェダイの装束は道着や着物がアイデアの基になっていたり、またライトセーバーの持ち方も東洋の剣術が色濃く反映されています。こういった、SF要素と日本文化という正反対の物同士の組み合わせもファンに愛される魅力の一つなのかもしれません。

R2-D2とC-3POのモデルは黒澤映画の登場人物?

『スター・ウォーズ』シリーズにとって欠かせない存在であるR2-D2とC-3POも、実は黒澤映画からの影響を受けています。彼らのモデルとなったのは、『隠し砦の三悪人』に出てくる百姓コンビ・太平と又七です。どちらのコンビも作中では狂言回し的役割を担っていて、どちらも作中の冒頭に登場します。彼らの愉快なキャラクターと軽快なやり取りは、黒澤映画から受け継がれていたのです。映画は国境を超えるものですが、日本文化や黒澤映画があの『スター・ウォーズ』シリーズの構想を支えていたと思うと、やはり日本人としては嬉しくもあります。

“悪のカリスマ”ダース・ベイダーにまつわるトリビア

なんと8人1役で演じられていた!


スター・ウォーズ:ダース・ベイダー シュー=トラン戦役(出典:Amazon)

彼に触れずには『スター・ウォーズ』は語れません。ファンの間でも絶大な人気を誇る“悪のカリスマ”ダース・ベイダーです。実は彼は、アナキン・スカイウォーカー時代も含めると全部で8人の俳優たちによって演じられていたのです。アナキン(子役含む)が2人、スーツアクター(ローグ・ワン含む)が4人、エピソード6でマスクを外したダース・ベイダーが1人、そして声の担当が1人。8人がかりでないと表現できないほどに、ダース・ベイダーというキャラクターは世代をも超える絶対的な存在なのかもしれません。

ダース・ベイダー=アナキン・スカイウォーカーは神の子か?

アナキンには遺伝子的に父親が存在しません。彼は奴隷女性が自然に身籠って産んだ子で、フォースの源であるミディ・クロリアンによって誕生したと考えられています。ですがもう一つ、“ある説”が一部ファンの間で流れています(論文も書かれている)。それが、アナキン=神の子(キリスト)説です。「選ばれし者」「処女受胎」そして「復活」。類似する箇所がいくつもあります。彼はダークサイドに堕ちますが最終的には皇帝を倒しフォースにバランスをもたらす点も考慮すると、公式には発表されていませんがキリストを参考にアナキンのキャラクター造形が行われたのではないかと考えられます。そういう視点で観てみると、また違った解釈ができるかもしれません。

知っていると面白い!ライトセーバーや戦闘術の裏設定

ライトセーバーの色が違うのはなぜ?


出典:スター・ウォーズ公式‏Twitter

ライトセーバーの色がジェダイとシスで違うのはフォースの影響だと勘違いされる方もいるようですが、実は裏設定があります。それが、ライトセーバーに使われている石です。ジェダイのライトセーバーを作る時には天然石が使われ、シスの物を作る時には人工石が使われているのです。その石の色が影響し、ライトセーバーの色がジェダイとシスでそれぞれ違うというわけです。ちなみにメイス・ウィンドゥの色だけが紫なのは、彼を演じたサミュエル・L・ジャクソンがどの色も嫌だと言ったからだそうです・・・。

ライトセーバーの戦闘術には7通りの型があった!

シリーズを通して気になるのが、ライトセーバーでの戦い方がキャラクターによって異なる点です。実はこれにも裏設定があり、なんと7通りの戦闘の型があったのです(型の名前まであります)。攻撃に特化した型や防御に特化した型、熟練者しか使えない型やシスに有利な型まで、実に細かく作り込まれています。新キャラクターの登場で今後も新たな型や派生型が生まれそうなので、注目しながら観てみるとより楽しめるかもしれません。

戦闘機の音からキャラクターの声まで!音声にまつわるトリビア

SF映画にとって難関な“存在しない音”を生み出す努力


出典:スター・ウォーズ公式‏Twitter

SF映画全般にとって難関となるのが、“存在しない音”を生み出すことではないでしょうか。試行錯誤しながら色々な音を作るのは『スター・ウォーズ』シリーズも例外ではありません。戦闘機TIEファイターのエンジン音は象の鳴き声と濡れた路面を車が走る音をミックスして作り、R2-D2の音はコンピュータ・サウンドと赤ん坊の声をミックスして作っています。そして有名なダース・ベイダーのあの呼吸音は、実は音響デザイナー自身がレギュレーターの中にマイクロフォンを仕込み、スキューバダイビングのタンクの中で呼吸したときの音を録音したものです。

意外な物で作られている?あのキャラクターの声

また、ハン・ソロの相棒であるチューバッカの特徴的な声ですが、生物の声ということもあり、実在する生き物の声を組み合わせて作られています。それが、クマとアザラシとオットセイ、そしてアナグマの声です。人工的な物で作られているかと思いきや、生物の声はしっかりと生物の声で作っているわけです。作品の世界観をより確立するために見えないところで努力している人たちがいるからこそ、このシリーズも長く続いてきたのかもしれません。

あの人やこの人も?贅沢なエキストラやカメオ出演者たち

たとえ顔は映らなくても・・・有名人たちのスター・ウォーズ愛


出典:スター・ウォーズ公式‏Twitter

『スター・ウォーズ』シリーズには、意外な人たちがエキストラ出演・カメオ出演しています。ダニエル・クレイグやトム・ハーディをはじめとした人気俳優が出ているだけでなく、なんと英国王室のウィリアム王子とヘンリー王子までもがストームトルーパー役で出演しているのです。たとえ顔が映らなくても純粋なスター・ウォーズ愛から出演をしている彼らを見ていると、本当に多くのファンに支えられている作品だと実感することができます。

ジョージ・ルーカス監督の子どもたちも出演していた?

有名人ではありませんが、実はジョージ・ルーカス監督の子どもたちもエキストラ出演していました。長女のアマンダと次女のケイティはエピソード3に元老院議員の役で出演し、長男のジェットはエピソード2・3にパダワンとして出演していたのです。ファンだけでなく身内も出演を熱望する(そしてそれが実現してしまう)ほどの作品は、『スター・ウォーズ』シリーズを除いて他にないのではないでしょうか。本当にすごい作品です。

最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』にまつわるトリビア

旧三部作との類似点がとにかく多い!


出典:スター・ウォーズ公式‏Twitter

最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。ファンの間でなにかと論争になった今作ですが、実は旧三部作との類似点が多いことをご存知でしょうか?エピソード4でルークが旅立つ時に見ていた2つの夕陽が今作でも出てきたり、エピソード5同様にXウィングが沈んでいたり、今作の「クレイトの戦い」がエピソード5の「ホスの戦い」に似ていたりと、他にも類似点がたくさん。これは、今作で大抜擢されたライアン・ジョンソン監督の旧三部作への敬意であると同時に、世代交代を暗示する演出なのではないでしょうか。

レイとカイロ・レンのエレベーター内での会話の意味とは?

レイとカイロ・レンが共にエレベーターに乗るシーンがありますが、あれもエピソード6でのルークとダース・ベイダーのエレベーターでのシーンがモチーフになっています。ルークはその後ダース・ベイダーが父親であることを知り、またレイも同様に両親の素性を知ることになります。どちらも親子関係にまつわる驚きが用意されていますが、レイの場合は少し違います。「お金のために自分を売った何者でもない人物」が両親であることを知った瞬間にレイは本当の意味で初めて自立し、そしてこれまで特定の家系のストーリーだった『スター・ウォーズ』シリーズは、誰もがジェダイになる可能性を秘めたより壮大な物語へと変化を遂げたのです。ここにも世代交代的なメッセージが込められていて、今後の展開に関わる重要なシーンであることが分かります。

シリーズは今後どう展開していくのか?

前述のエレベーターのシーン以外にも世代交代を示す演出が顕著だった『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』。続三部作を締めくくる次作で物語がどう転んでいくのかは分かりませんが、一つだけ言えることは、スカイウォーカーからは完全に離脱した新たな『スター・ウォーズ』シリーズが始まるということです。続三部作以降にも新シリーズの製作が予定されていて、これまでとは全く異なる物語の幕開けが期待されています。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で登場した、フォースを操る奴隷の少年(アナキンを彷彿とさせる存在)が主人公の物語になる可能性が濃厚ですが、続三部作を締めくくるJ・J・エイブラムス監督によって方向転換される可能性もあります。

どちらにしても、進化を遂げる『スター・ウォーズ』シリーズに今後もワクワクが止まりません。