前作から13年ぶりとなる新シリーズアニメ『最遊記RELOAD BLAST』が放送され、そこで三蔵一行のかっこよさに惚れてしまったという新規ファンも結構多いのではないでしょうか。最遊記シリーズは原作・アニメ・OVAなど様々に網羅されていますが、どう楽しめばいいのか、今後の展開予想も含め、まとめました。
記事の目次
アニメ『最遊記RELOAD BLAST』放送が終わって改めて振り返る
主要キャラ声優ほぼ交代なし、うら最も復活
出典:アニメ最遊記RELOAD BLAST公式Twitter
アニメ『最遊記RELOAD BLAST』は、最遊記のアニメシリーズとしては前作の『最遊記RELOAD GUNLOCK』から13年ぶり、2017年7月から9月まで放送されました。作品内では『最遊記RELOAD』以来となる「うら最」も復活、古参ファンへのサービスもばっちりでした。
また前作から13年という間が開いても、主要キャストの変更がほとんどなかったところも、ファンにはとても嬉しいことだったかと思います。主要キャラの4人、玄奘三蔵役の関俊彦、孫悟空役の保志総一朗、沙悟浄役の平田広明、猪八戒役の石田彰を始め、ライバルである紅孩児役の草尾毅も変更がなく、ファンは安心して見ることができました。さらに振り返ってみると、一番最初のシリーズ『幻想魔伝最遊記』が放送されたのが2000年のことですから、シリーズ通して17年、主要キャストが替わっていないことになります。シリーズが変わるとキャスト変更するアニメも多い中、これはちょっと凄いことですよね。
原作に追いついた形で謎を残したまま終了
出典:アニメ最遊記RELOAD BLAST公式Twitter
アニメ『最遊記RELOAD BLAST』は同タイトルの原作コミックの1巻から3巻までの内容が放送されました。間に「外伝」の内容も挟み、ここで改めて哪吒(ナタク)の存在を視聴者にも印象付けたことによって、悟空とナタクの再会シーン(ただし両者とも記憶がない)が映えてとてもよかったと思います。
最終的に三蔵一行は西へ旅を続ける、ということで最終話となりましたが、ナタクはどうなるのか、悟浄に妖怪化の印が出始めていることについてはどうなるのかなど、いくつか疑問や問題点を残したままですので、これまでのシリーズの終わり方と比べるとちょっとすっきりしない終わり方ではありました。
最遊記シリーズ、原作漫画の時系列と楽しみ方
原作漫画を読むのにおすすめの順番
『最遊記』シリーズの原作は、「最遊記」が1~9巻、「最遊記RELOAD」が1~10巻、そして「最遊記RELOAD BLAST」が2017年12月時点で1~3巻まで刊行されており、まだ物語は続いています(月間コミックZERO-SUMにて連載中)。また、「最遊記外伝」が1~4巻まで刊行されており、こちらは完結しています。
原作漫画についてはシリーズの最初から順に読んでいくのが妥当かと思います。OVA化された「埋葬編」はRELOADの3巻~4巻の前半にかけて収録されていますが、浮く感じではなくすんなりと読みすすめていけるものとなっています。
「ヘイゼル編」に関しては、アニメ『最遊記RELOAD GUNLOCK』でのヘイゼル編とはストーリーも結末もかなり異なってくるため、原作もお読みすることをおすすめします(RELOADの4巻後半から10巻まで)。また、今後恐らく大きく関わってくることになるであろう烏哭三蔵との因縁についても、原作部分を読まないと分からない部分も多いかと思いますので、やはり必須でしょう。
最遊記外伝は『最遊記RELOAD BLAST』の前には読んでおくべし
「最遊記外伝」は、500年前の天界での出来事を描いた作品で、時系列としてはシリーズより前のお話となります。ただ、主要キャラ4人のうち悟空以外は前世の姿と言われているキャラが登場するので、シリーズより前に読むのはあまりおすすめしません。三蔵一行4人のストーリーが進んで、それぞれキャラをある程度分かってからお読みになるのがいいかなと思います。
ただ、『最遊記RELOAD BLAST』には、この外伝で悟空と非常に関わりの強かったナタクが登場してきますので、ナタクが誰なのか、悟空と何があったのかを知らないと分からないところも多いかと思います。ですので、RELOAD BLASTの前には外伝を読んでおくことをおすすめします。
最遊記シリーズ、アニメ・OVAの楽しみ方
テレビアニメシリーズは基本的には放映された順番で問題なし
出典:アニメ最遊記RELOAD BLAST公式Twitter
最遊記のテレビアニメシリーズは2000年4月から1年にわたって放送された『幻想魔伝最遊記』、2003年10月から2004年3月まで放送された『最遊記RELOAD』、2004年4月から9月まで放送された『最遊記RELOAD GUNLOCK』、そして2017年7月から9月まで放送された『最遊記RELOAD BLAST』、この4シリーズがあります。
テレビアニメシリーズも基本このまま最初から順に追っていくのがおすすめです。アニメシリーズはオリジナルキャラが登場したり、原作にはないオリジナルストーリーが展開されていく部分もあり、例えば『幻想魔伝最遊記』の後半部分は完全にオリジナルの物語が進行していきますし、また、上記しましたが『最遊記RELOAD GUNLOCK』のヘイゼル編に関しては内容も結末も原作とは異なります。でもこれはこれで楽しめるものになっています。
『最遊記RELOAD BLAST』を見る前にOVA『最遊記外伝』を見るのがおすすめ
OVA「最遊記外伝」第弐巻「散華(さんげ)の章」(出典:Amazon)
OVA『最遊記外伝』は、2011年から3巻にわたって発売されています。これもやはり原作と同じで、RELOAD BLASTの前にご覧になるのがいいと思います。ただ、一応アニメRELOAD BLASTでは、4話から6話まで3話を割いて外伝の内容に触れていますので、ナタクと悟空の関係や、金蝉たちと交わした約束が現世に繋がっているということ、悟空がなぜ天界から地上におろされたのか、記憶がないのかなどについては分かるようにはなっています。
ですがやはりRELOAD BLASTだけでは、天蓬や捲簾らの壮絶な戦いのシーンや金蝉がどうにかして悟空だけでも地上へ行かせたいと必死に最後まで抵抗し食い下がるシーン、そしてなにより金蝉、天蓬、捲簾らの「生き様」については伝わってこない部分も多いので、OVAは是非、是非、ご覧になってください。RELOAD BLAST版との表現の仕方の違いや、声優さんたちの演じ方の差などにも注目してみるとさらに楽しめるかと思います。
OVA『最遊記RELOAD-burial』は最遊記シリーズがお好きなら絶対見ましょう
OVA「最遊記RELOAD-burial-」第壱巻~三蔵法師の章~(出典:Amazon)
OVA『最遊記RELOAD-burial』は、原作の『最遊記RELOAD』3~4巻にかけて収録された三蔵たちの過去を描いたエピソードを映像化したものです。こちらはアニメシリーズの中では映像化されていないものなので、やはり最遊記シリーズがお好きでしたらご覧になることをおすすめします。
また、『幻想魔伝最遊記』内では、原作に沿った形で悟浄と八戒の出会い、そしてその2人と三蔵・悟空が出会うエピソードは映像化されているのですが、三蔵と悟空の出会いに関してはアニメ映像化されているのはこのOVAでしか見られません。原作にかなり忠実に沿った形で映像化されているので、原作だけでももちろんいいのですが、やはり声優らの演技にも注目したいですよね。特に、「玄奘三蔵の章」における、まだ荒んでいたころの三蔵を演じる関俊彦の演技がとても素晴らしいので、三蔵好きな方にはおすすめしたいです。また、三蔵と悟空の出会いのシーンはこの「最遊記」シリーズ全体を通して大事なポイントとなりますから、ここも映像でも見ておきましょう…!
『最遊記RELOAD BLAST』今後の展開について予想・考察
『最遊記RELOAD BLAST』3巻をちょこっとネタバレ
待望の『最遊記RELOAD BLAST』3巻が2017年10月末に発売となりました。発売前にアニメの放送が終わっていたので、原作のほうはどうなっているのかなと思いましたが内容に大きな差はなかったです。ただ、違いがあるとすればアニメでは、三仏神から解雇通告をされた後に、上からの命令とかどうでもいいんだよという、ケンカを売るような形で「俺たちは勝手に西に向かう」という流れにしていましたが、原作では解雇通告は呑むけれどもしばしの暇をもらって観光でもしようかと思う、と告げ(ただしすぐに長安に戻るとは言っていないのがポイント)三仏神も、全くこいつらは仕方ないなという表情で見送る、という感じにしていました。アニメ版の方は三蔵たちらしいとも思いますが今後のことも考えると原作の流れのほうがいいような気もしますね。
悟空とナタクのシーンは、アニメの描写も良かったのですが、原作の描き方のほうが、悟空とナタクのお互いの、思い出せそうで思い出せないもどかしさのようなものがひしひしと伝わってくる感じがしました。
三蔵一行の今後と牛魔王サイドの内情
出典:アニメ最遊記RELOAD BLAST公式Twitter
さて、今後三蔵一行はどうするでしょうか。彼らは解雇通告にめげることなく西への旅を続行するようですが、悟浄の首に妖怪化の兆しである紋様が表れていることもあり、目下のところはこれが今後どう関わってくるのかが気になるというところでしょう。ファンとしては悟浄が妖怪化して暴走するところはちょっと見たくないと思うところですが、こうして印が出てしまっている以上きっと何かが起こってしまうのだろうな…と思います。
牛魔王サイドの方ですが、こちらもなかなかに事情は複雑です。紅孩児の右腕的な存在だった独角兕がナタクによって殺されてしまったことは戦力的にもそうですが、紅孩児の精神面に与える影響もかなり大きいでしょう。また、アニメでは描かれていませんでしたが、現在失踪中の你健一(烏哭三蔵)の動きも気になるところです。個人的には三蔵たちにとっての一番大きな壁というか敵は烏哭ではないかと思っているので、三蔵たちとの対決後から何をしているのか、何か企んでその準備中なのか、どう出てくるのかちょっと怖いなあと思いますね。
ナタクと悟空の友情は?記憶は戻るのか?
出典:アニメ最遊記RELOAD BLAST公式Twitter
そして悟空とナタクのことも外せませんね。彼らについては、主要キャストを演じる声優たちも、いくつかのアニメ誌のインタビューで「2人の今後がとても気になる」と語っていました。
ファンの心情としてはどちらも記憶を取り戻して、500年前には叶わなかった約束を果たしてほしい、親友になって笑い合ってほしい、そんな2人が見たい…と思いますが、そもそも今のナタクは誰によって操られているのでしょうか。天界ではあの観世音菩薩がかなり痛めつけられた状態で発見されたりしていましたし、天界で何かが起こっているのは間違いなく、その原因となるものがナタクを使って何かをしようとしているのだとすると、まだまだこちらもすんなりと事が進みそうにありません。
ただ、彼らはとうとう、500年ぶりに「再会」はしました。お互い記憶がない状態ではありますが、でもストーリーは確実に「進展」はしています。再会してしまった以上はなんらかの形で決着がつくのだろうなと思います。願わくば、それがいい方向であるといいなあと、それがファンの心理でしょうか。