10年以上続く大人気声優ラジオ『神谷浩史・小野大輔のDearGirl〜Stories〜』。さいたまスーパーアリーナでのイベントに劇場版第3弾と、一体どうしてそこまで成長することができたのでしょうか。その魅力とこれまでの軌跡を追ってみます!
記事の目次
人気声優ラジオ『神谷浩史・小野大輔のDearGirl〜Stories〜』とは
映画化にEXPO…ラジオの枠を超えた大人気コンテンツ
『神谷浩史・小野大輔のDearGirl〜Stories〜』(略称『DGS』) は、2007年に放送が開始された声優ラジオ番組です。元々は乙女向けコンテンツとして制作されましたが、回を重ねるにつれパーソナリティ2人の暴走と迷走が加速し、何が起こるかわからない番組となりました。それに伴い番組の他にはない魅力にハマるヘビーリスナー(Dear Girl/Boy)が増え、2017年に10周年を迎える大人気コンテンツへと成長。これまでコミカライズやゲーム化、製菓会社とのコラボに多様なイベント、さらには映画化と、かなり普通のラジオとは異なった道を歩んでいます。
番組が人気を博すのと並行してパーソナリティを務める神谷浩史と小野大輔の声優としての人気も高まり、多くの話題作で共演を果たすようになりました。近年の共演作に『進撃の巨人』(リヴァイ、エルヴィン)、『おそ松さん』(チョロ松、十四松)などがあります。アニメの共演からラジオに興味を持ったリスナーも多く、2人の声優としての活動や人気と密接な関係にある番組といえるでしょう。
ネタバレ済みの劇場版をファンが心待ちにする理由
さて、2017年11月25日から前編が公開される『DearGirl〜Stories〜THE MOVIE3 the United Kingdom of KOCHI』。実はリスナーはすでに内容を知っています。それというのもこの映画は、2017年5月にラジオで放送された小野大輔生誕祭のための高知ロケを劇場版用に編集したものだからです。
そもそも旅行記を音声だけの媒体であるラジオで伝えようというのが無理な話。いつものメンバーが若干羽目を外しつつ小野の故郷・高知県を旅したこの回はファンに好評でしたが、それゆえに映像で見たいという希望も高まっていました。それが実現したのが、劇場版第3弾なのです。面白いとわかっているものが、より面白くなっているなんて、観ない理由がありません!
出演者&スタッフ、奇跡の座組が生んだ10年間
誰が欠けても生まれなかった最高の“迷走”の軌跡
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『DGS』の魅力は、パーソナリティの神谷・小野とスタッフたちによる、全力の悪ふざけにあります。おそらく演者とスタッフの誰が欠けても、これほどの人気コンテンツにはなりえなかったでしょう。ここまでスタッフがリスナーに愛されているラジオ番組はそうありません。
中でも神谷と小野に絶妙な采配を振るう構成作家の諏訪勝、収録風景を逐一映像に残し劇場版につなげたプロデューサー内田浩之、女好きキャラのスタッフ八木橋くん、大食い担当の小林ちゃんこちゃんこ。彼らは番組から生まれたエアバンド「MASOCHISTIC ONO BAND」のメンバーとしてイベントにも劇場版第2弾にも出演したほどです。
ラジオからエアバンドだの映画だの、普通はあり得ないことですが、ガッチリ噛み合ったいつものメンバーだからこそ、この最高の“迷走”は生まれました。何が起こるかはわからないけれど楽しいのは間違いない。そう思わせてくれて、やっぱりいつも楽しいのが『DGS』なのです。
伝説はここから?語り継がれる「ドリアン回」
乙女向けコンテンツのはずだった『DGS』の迷走がどこから始まったかといえば、それはきっと第23話からでしょう。漫画家の星野リリィの頼みでドリアンの味見をすることになった神谷と小野。いつものスタジオから文化放送の屋上に場所を移し、においの強烈さで知られる果物、ドリアンの試食を行います。切って悶絶、食べてさらに悶絶! まさに阿鼻叫喚の様相を呈したこの回は、今でも爆笑必死の神回だと語り継がれています。この回以降、深夜番組的な体当たり企画が増え、じゃんけんで負けた方がガチャピンの着ぐるみでコンビニに行ったり、すね毛をそった足を公録で披露したりという事態が頻発するようになりました。
ハマーン・カーンも降臨した「生誕祭」は必見!
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毎年神谷浩史の誕生日である1月28日ごろと、小野大輔の誕生日である5月4日ごろに催されるのが「生誕祭」。ある時は神谷の自宅へ押しかけ、ある時は小野の母親と電話をつないで過去を暴露させて、全力のサプライズで誕生日を祝います。祝われる本人は内容を知らされていないのが通例で、それゆえのリアルな反応も見どころ。いつも以上に何が起こるかわからない回です。過去には牛久、沖縄、高知への旅行企画もありました。なぜかハマーン・カーンの降臨も!?
「MOB」や「DGS EXPO」、イベントはただの公録じゃない!
DGS EXPO DearGirl~Stories~ 10th ANNIVERSARY 2016(出典:Amazon)
普通のラジオのイベントといえば公録やトーク、握手会などでしょうが、『DGS』はひと味もふた味も違います。歌とダンスにトーク、エアバンドのライブ、朗読劇にアドリブ色の強いサプライズ企画など、盛りだくさんの内容で2時間以上にわたって行われるのです。10周年を飾るイベント『DGS EXPO』では、なんとプロによる本格マジックやヒーローショーまで繰り広げられました。また、乙女向けコンテンツのはずが過去には男子限定イベントが開催されたこともあります。
ラジオという枠にとらわれない『DGS』ならではの豪華さ。イベントのたびに前回を超えてくるので、リスナーはいつもワクワクしてその日を迎え、大満足で家路につきます。ちなみに小野の母親はイベントのたびにチケットを取り遠征してくるのだそうです。
11年間の思い出の主題歌「ON THE AIR」「トケイとテガミ」
番組やイベントともにファンに好評なのが、主題歌やテーマソングです。盛り上がれるアップテンポのものからしっとり聴けるバラード、楽しさ最優先のおふざけトラックなど様々ですが、人気の秘密はヘビーリスナーであるほど楽しめる仕掛けにあります。一聴すると普通のいい曲ですが、歌詞にはこれまでの『DGS』の思い出が差し込まれているのです。
特に11年目の主題歌2曲にはそれが顕著です。OPの「ON THE AIR」は記念となる10年目を一区切りとして、これまでどおり自分たちらしくずっと続けていこうという思いがさわやかに歌われた曲。そしてEDの「トケイとテガミ」には、変わらないものの象徴として“手紙”、変わっていくものの象徴として“時計”を歌いこんでいます。手紙は番組開始当初のコンセプトであり、時計は10年目の記念に番組の企画でお互い勝ったアイテム。2人の10年間の軌跡を思い起させる、『DGS』の新しい代表曲です。
好評により劇場追加&公開延長!過去の劇場版2作
第一弾『DearGirl〜Stories〜THE MOVIE』
DearGirl〜Stories〜BirthdayDisc2010 神谷浩史聖誕祭ラジオCD(出典:Amazon)
2010年10月23日より公開。全編盗撮映像という前代未聞の作品。小野大輔生誕祭2010として番組で放送された牛久旅行回を編集したもので、撮影は単なる記録用ということで行われました。まさか劇場で公開されるとは思っていなかったため、神谷・小野ともにかなり自然体で写っているのが、ファンにはうれしいところ。牛久大仏を参拝し、フランス料理に舌鼓を打ち、牛久沼で河童に遭遇するという見どころ満載の内容となっています。限定3館での上映だったはずが好評につき全国26館まで拡大し、上映期間も延長されました。
第二弾『DearGirl〜Stories〜THE MOVIE -ACE OF ASIA-』
DearGirl Stories THE MOVIE2 ACE OF ASIA(出典:Amazon)
2014年2月15日より公開の第2作。「MASOCHISTIC ONO BAND」の新曲PV撮影のための香港旅行を収めたもの。香港を観光しつつ指令に従ってPV撮影をするというのが大まかな内容ですが、その合間に占いや詠春拳などを体験し、かつ予想外のハプニングに巻き込まれるという珍道中。
11月25日公開『DGS MOVIE 3』の見どころを紹介!
小野大輔の故郷・高知で小野大輔の両親と対面!
2017年11月25日から前編「六人の龍馬編」が、2018年1月6日から後編「蒼の継承編」が公開される劇場版第3弾。ラジオで放送された範囲でまず気になるところは、小野の両親の出演シーンではないでしょうか。全くの素人である2人の出演はさすがに意外でした。かつ、あそこまでしみじみと息子について語ってくれたことも意外でした。あのちょっとした感動シーンを、ふざけたマスクをつけたままの姿とともにぜひ拝みたいものです!
ラジオでカットされた仁淀ブルーでの川下り
ラジオではほぼカットされた仁淀川でのラフティング。仁淀ブルーと称されるほど美しい景色は、劇場版で最も映えるシーンになりそうです。しかもパーソナリティ2人乗りの川下りというのは、映画ではメインになってもいいくらいのアクティビティ。ラジオによるとかなりのハプニング三昧だったようで、いかにもDGSらしいですね。息があっているようで合ってないけどいつも面白い、そんな『DGS』らしい2人をやっと観られます!
劇場では「ZEYOコイン」やサウンドトラックなどを販売
今回は最初から劇場版を視野に入れていたのか、小道具にも凝っていました。その最たるものが高知通貨であるZEYOコイン。10円と同価値なのに10円以上の製作費がかかったという10ZEYOが、今回劇場でグッズとして販売されます。他にも公式パンフレットやサウンドトラックなど、内田氏が鋭意制作中とのことなので、この機会にどうぞ!
毎週土曜深夜25:30から文化放送でON AIR!
劇場版も今後のイベントも楽しみですが、やはり『DGS』はラジオが本番。文化放送では毎週土曜25:00から、ラジオ大阪では毎週日曜23:00から放送中。radikoなどのアプリを使えば、日本全国どこからでも視聴が可能です!