ピンクの末っ子だからかわいいキャラかと思わせておいて、誰よりも強烈な顔芸や、カラ松も真っ青のサイコパスなドライモンスターぶりも見せる松野トド松。あざとかわいさの裏にあるダメなところが、いいスパイスになっているといっても過言ではないでしょう。これまでの名作回を振り返り、トド松を堪能してください。
記事の目次
あざとかわいいドライモンスター!松野家六男・松野トド松
プロフィール
- 誕生日:5月24日
- 血液型:A型
- イメージカラー:ピンク
- 特徴:口がω、黒目が大きめ
- 別名:トッティ、ドライモンスター
あざトッティとさえ呼ばれることもある、あざと可愛く女子力の高い松野家六男。兄弟たちからも言われているとおり、立ち回りが上手く甘え上手。コミュ力も高いようで、自然に女子と会話したりコーヒーショップでバイトしたりする様子が描かれました。松野家の中で唯一、友達的なものの存在をほのめかした男でもあります。着こなしもおしゃれで今風。長男・おそ松と比べると、一回りくらい世代が違うようにすら感じられます。
しかし彼の本性はあざとさや可愛さではなく、兄弟との絆を軽んじ、しれっとひとりで先へ進もうとするドライモンスターぶり。また外界の流行に敏感なせいか、ダメな兄たちへのツッコミは誰よりも厳しいです。しかしそんな彼も、同世代カースト最底辺からは抜けられない運命。外界基準では「なにもなし男」に過ぎないようです。
トッティを作った男!最年少のベテラン声優・入野自由
トッティを演じた入野自由は、4歳から子役として活躍してきた若きベテラン声優。デビュー当初は俳優活動がメインで、現在もドラマや舞台に出演しています。代表作は『千と千尋の神隠し』(ハク)、『キングダム ハーツ』(ソラ)、『アイシールド21』(小早川瀬那)など。また2006年よりソロ、ユニットなどで歌手活動も行っています。
宮崎駿監督にも認められるリアルな演技に特に定評のある入野は、ドライモンスターと呼ばれるトッティの気持ちがよくわかるし似ている点も多いのだそうです。共演者の中でも最年少でありながら、芸歴は最長。だからこそ現場の空気を読み、注目を集める方法も熟知しているのでしょう。彼の演技力とキャラクターとのシンクロ性がなければ、あれほどまでに「あざとさ」でトド松がキャラ立ちすることはなかったといわれるのも納得です。
まずはかわいさ♡「復活!おそ松くん」など
ピンク担当のおしゃれな末っ子キャラをしらしめたF6回など
トド松 アイドルver デカアクリルスタンド(出典:Amazon)
「末っ子。奇跡のルックス、ビューティーフェアリー松野トド松」
出典:アニメ『おそ松さん』第1話 藤田陽一(監督)
あまりの節操のなさに早々にお蔵入りしてしまった『おそ松さん』第1話。今なお伝説となっているこの回から、トド松は兄弟たちから抜きんでてかわいさアピールのキャラでした。どう見ても彼だけ、目の大きさが違います。そして彼のみ、この回で与えられた女子力の高いルックス担当(自称?)という役割を、本編にも引き継いでいるのです。続く第2話ではさらにハロワの職員と軽口をたたき、女子2人と街を歩くという、まるでリア充のような姿すら見せました。この頃から、「あれ?トド松だけ無職(にせよ)童貞ではなくない?との疑問は浮上していました。
おしゃれだし女子とも普通にコミュニケーションをとれるトド松。そんな彼には、あざとさすらも適度なスパイスであり、徹底してかわいいを貫くのみです。
あざとかわいい女子力「じょし松さん」「トドずきん」
また、パラレルエピソードなどでも断トツのかわいさを見せるトド松。6つ子が女体化した「じょし松さん」(第13話、第15話Bパート、第18話アバン、第19話Bパート)では、声の高さも相まって普通のゆるふわ女子として、あざとくかわいさを振りまいていました。さらに恐ろしいのが「デリバリーコント本当は悲しい赤ずきんちゃん」における通称“トドずきん”姿で、この時は仕草も口調もかわいさマシマシでした。
それを踏まえてよく見ると、第3話「銭湯クイズ」と第13話「事故?」のお風呂シーン、第22話「希望の星、トド松」の合コンの練習もどう見ても女子! このあたりは狙っているのか素なのかわからないところがなんか怖くもありますね。
トッティの神回「トド松と5人の悪魔」
「正直に言うよ。僕は兄さん達の存在が恥ずかしい」
出典:アニメ『おそ松さん』第7話 藤田陽一(監督)
かわいい担当として登場したトド松ですが、ファンが選ぶ最高のトド松回といえば、「トド松と5人の悪魔」をおいて他にないでしょう。6つ子全員無職童貞のはずが、なぜかおしゃれの権化スタバァでバイトし、女子と談笑した上に合コンにまで誘われてしまうトド松! その後登場した悪魔たちに向けた「アニメ史に残るいい顔」(一松役・福山潤談)のインパクトもすさまじく、トッティはあざとくかわいいだけでないことが分かった回でした。
兄たちに足を引っ張られるさまはかわいそうではあるけれど、どことなく安心感があってやはり笑えます。兄たちを普段から小馬鹿にしているせいか、理不尽な目に遭ってもどことなく自業自得感が漂うのも、トド松ならではですね。第2期でも早くも第5話で、ことごとく女子との関りを兄総出でぶった切られています。
本性があらわになった衝撃回「トド松のライン」
「え?え~!トッティえ~!!ジム…通ってんの!?」
「うん」
「聞いてないんだけど!」
「言ってないからね」出典:アニメ『おそ松さん』第14話 藤田陽一(監督)
「トド松と5人の悪魔」の時点で、兄弟に内緒でバイトしていることに疑問はありましたが、それは単なるドライな氷山の一角でしかないと判明したのがこの回です。兄が知らないうちにスポーツジムに入会し、囲碁や登山までたしなんでいたというトド松。しかもそれはスタバァ女子との合コンで懲りたせいではなく、単に言う必要はないと思ったから言わなかっただけだと、しれっと言い放ちます。しかもその後の兄たちからの渾身の説教にも、まったく共感を示さないトド松。澄んだ瞳にカラ松以上のサイコパスを感じたのは私だけではないでしょう…。
テンポのいい会話劇で、全く飽きさせないという意味でもなかなかに完成度の高い回。トド松役の入野自由のリアルで自然な演技を楽しむにも最適です。ちなみに余談ですが、入野氏も何も言わずに行動することで冷たいといわれることは多いのだそうです。やはりトド松が単なるかわいい末っ子で終わらなかったのは彼のせい!?
兄たちとの関係を考察「おそ松の憂鬱」「事故?」ほか
一言で長男を凍えさせるドライモンスターぶり!「おそ松の憂鬱」
「どちら様でしょうか?」
出典:アニメ『おそ松さん』第2話 藤田陽一(監督)
今思えば、トド松は最初からかわいい担当に見せかけつつも完璧なドライモンスターでした。その片鱗を始めて見せたのが、第2話「おそ松の憂鬱」です。暇つぶし感覚でチョロ松とカラ松を悪ふざけで困らせたおそ松。そんな彼をトド松は、ブリザードのような一言で突き放し、凍えさせました。
他人のふりをした上に、存在に気づきすらしなかったような追い打ちも見事! この頃からトド松のドライモンスターぶりはキレッキレでしたね。お気楽なおそ松も、トド松のドライさの前には平静を保てないようです。
カラ松に厳しすぎる理由は?「本当は怖いイソップ童話」ほか
「どこで買った!?なんでここで履いてくんの!?痛いよね!」
出典:アニメ『おそ松さん』第2話 藤田陽一(監督)
間違いなく、トド松が最も厳しく当たる相手は次男のカラ松です。他の兄弟たちがカラ松の痛さに完全スルーを決め込む中、トド松だけは「イタイ」と鋭い罵倒ツッコミを浴びせます。その理由は至って簡単。リア充に混じることもあるおしゃれなトド松は、いい年して中二病の言動とファッションで生きているカラ松が心底気持ち悪いのでしょう。
しかし諦め目ざとくツッコむのは、一応血のつながった兄と認識しているからともとれます。また第2期第5話では、ビーチのエロアイテムとしてカラ松にサングラスを借り、ちゃんとお礼を言っているところを見るに、そこまで根深い嫌悪ではないのかもしれません。
チョロ松・一松にとっては天敵かも「ダヨーン族」ほか
「マジ何なんだよお前! どんだけ自分のこと上に置いてんの?自分探しの旅? 語学留学して彼女? であれか!? フラッシュモブしてプロポーズか!?」
出典:アニメ『おそ松さん』第19話 藤田陽一(監督)
「だから前から言ってるだろ! 兄弟で一番やばいのはトド松!」
出典:アニメ『おそ松さん』第23話 藤田陽一(監督)
トド松に「ドライモンスター」の称号を与えたチョロ松。アイドルオタクで有言不実行の彼は、おしゃれ命で不言実行のトド松とはいわば正反対。相いれなくて当然です。また女子との垣根が低いトド松に対し、一松は猫と十四松しか友達がいないという陰キャラぶり。この2人の兄は、トド松に対し苦手意識を抱き、卑屈にすら見えます。
しかしチョロ松もなんだかんだいっても常識はあるトド松を話せる相手だと思っている節もあり、第13話「事故?」ではののしられた後なのに十四松談義を交わし、第19話でもライジング語りの相手におそ松とトド松を選びました。それに対し一松はトド松に口では勝てずに暴挙(脱糞・逃走)に出ることが多く、第23話「灯油」では前々から恐れていたことを明かしたのでした。トド松の本当の怖さを感じているのは、明に対する案である一松?
十四松だけに見せる優しさ?「希望の星、トド松」ほか
「十四松兄さんいける?」
出典:アニメ『おそ松さん』第22話 藤田陽一(監督)
兄たちを見下げまくっているトド松ですが、唯一十四松に対してのみ、優しさが見られます。おでん屋では隣同士で談笑し、居間では2人で野球盤。第10話「イヤミチビ太のレンタル彼女」での将棋シーンを見るに、普段からかなり根気よく十四松につきあっているようです。
しかも第22話「希望の星、トド松」では合コン要因に「あえて」と前置きして十四松を選ぶという意外な采配。またスタバァでも十四松だけは率先して掃除をすることでトッティに許されていた様子も見られることから、トド松は悪意のない十四松を人畜無害と見なしているのかもしれません。そんな思い込みも、「灯油」で完全に崩れ去るのですが…。この2人の関係についてはっきりと触れられてはいませんが、だからこそちょっとした描写に注意すれば、いろいろと読み取る楽しみがあります。
トド松のすべては「ちやほやされたい」ため
あざとかわいく女子力も高く、リア充にちゃっかり混じることすらあるのに、本性はドライモンスター。そんなトド松の行動原理は、ただただ「ちやほやされるため」です。しかしどうやら無職童貞の兄弟たちは頭数でなく、あくまで1軍の人たちがターゲットである様子。
第2期でもすでにその生きる目的を阻害されていたトッティが、はたして今後どこまでいけるのか、注目したいところです。