育児漫画『ママはテンパリスト』で一気に人気に火が付いた東村アキコ。『海月姫』『主に泣いてます』『東京タラレバ娘』などは実写化されており、『かくかくしかじか』ではマンガ大賞も受賞!「刺さる!」「爆笑必至」と話題の東村作品のおすすめランキング8選!
記事の目次
漫画家・東村アキコ
1975年、宮崎に生を受け、高校卒業後、金沢美術工芸大学に進学・卒業しています。美大卒業後は、OLの傍ら、漫画創作に勤しみ、1999年にデビュー。デビュー当初はシリアス路線でしたが、2001年発表の『きせかえユカちゃん』をきっかけにギャグ路線に変更します。
最初の夫・IKKANとの間に一子(ごっちゃん)を儲けており、ごっちゃんとの生活を綴った育児漫画『ママはテンパリスト』で大ブレイクを果たします。実写化された『海月姫』『主に泣いてます』『東京タラレバ娘』をはじめ、第8回マンガ大賞受賞の『かくかくしかじか』など評価が高い作品多数!大変筆の速い漫画家であり、常に連載を数本抱えていることでも有名。
8位:『主に泣いてます』
講談社『モーニング』にて2010年14号~2013年4・5号合併号まで連載。全10巻。2012年に菜々緒主演でドラマ化。
死にもの狂いで非モテ道! あり余る美貌が故、絶対的不幸に苛まれる美人絵画モデル・紺野泉(こんの・いずみ)。涙腺、ゆるゆる。幸せ、ぽろぽろ。あの手この手で”非モテ道”に邁進する川沿い美人協奏曲、開演。これこそ、誰も描かなかった不幸――東村ワールド、炸裂です!!
出典:Amazonより『主に泣いてます』引用
【魅力はコレ!】シリアスなのにギャグ!シュール感がたまらない
そもそも設定自体はかなりシリアスな本作。主人公は絶世の美女であるにも関わらず、頭が弱く、気が弱いがために、不幸道をまっしぐら!美人に対するドロドロとした嫉妬心も描いているし、真面目に描いたら昼ドラにしかならない内容です。(※昼ドラを批判しているわけではありません!)
そんな内容なのに、本作の読後感は実に軽いんです!不幸街道を行く泉にはさすがに少しは同情の気持ちが沸きますが、そこまで親身になれない、この感じ…。なぜなら…そのシリアスストーリーにバンバン東村アキコお得意のギャグをかましてくるからです!
シリアスなのにギャグ!もはや不幸なんてどうでもいい…というレベルまでにギャグを落とし込んでくるこの手腕!素晴らしいです!実にシュールなラブコメ作品。
【こんな人におすすめ!】30代後半~40代にドストライク!
シリアス物語にギャグをまぶしにまぶした作品であると書きましたが、そのギャグはまさに30代後半~40代がかつてハマったであろう『お父さんは心配症』(岡田あ~みん著)や『マカロニほうれん荘』(鴨川つばめ著)由来!東村アキコ自身、1975年生まれでまさにこういったギャグ漫画に育てられたそう。
絶世の美女過ぎてまともな職にもつけないというインパクト大の設定に負けぬよう、ギャグで物語を牽引していくという確固たる決意さえ感じさせる展開に、脇腹が痛くなります。ちなみに…蛇足かもしれませんが、不幸ストーリーを真面目に読みたい方には不向き。
7位:『きせかえユカちゃん』
2001年~現在に至るまで集英社の『Cookie』にて連載。ただし、2007年11月号以降は不定期連載という形になっており、以来2回しか掲載に至っていません。現在は事実上、休載状態で既刊11巻。
ユカちゃんは、オシャレで生意気な小学6年生。少し口は悪いが気はやさしい。そんな彼女が起こす騒動の数々!? 乙女のおしゃれ心を刺激するモード系コミック登場。
出典:Amazonより『きせかえユカちゃん』引用
【魅力はコレ!】ファッションを楽しむ&コメディ要素満載
本作の主人公は、小6のくせにファッションモデルばりの容姿を持ち、誰にも媚びることなく本能の赴くままに生きているユカちゃん。オシャレ大好きで友人の古着屋でレンタルした衣装を1話の中で何度も着替えます。美大卒の東村のファッションセンスが活かされている漫画。
東村節も炸裂しており、少女漫画なのにコメディ要素が満載!キャラ設定も良い意味で振り切れていて、主人公のユカはワガママで自由奔放ですが、知能は6歳並みのため周囲の言動にいちいち右往左往し振り回されるまたは振り回す様子が軽快で面白い作品です。また、同時に周囲のキャラもユカ同様に振り切れたアイデンティティの持ち主で、ガッツリ本音でぶつかっていく様子は実に爽快!
【こんな人におすすめ!】少女漫画は面映ゆい…オシャレ&軽め恋愛好きに!
東村はこの作品を機に、シリアス路線からコメディ路線へと大きく作風が変化。時代が求めているものを考えた末の決断だとか。でもその路線変更が大当たり!ギャグをまぶすことによって、少女漫画にありがちなちょっとイラっとする片思い展開や、ドロドロ嫉妬心渦巻く恋模様など、一切ないため、サラッと楽しく読める作品と幅広い年代から支持を受けています。
よくありがちな少女漫画は面映ゆくて苦手…という方でも、オシャレ大好きでちょっと軽めの恋愛が絡んでいる作品が好きなら、どハマりすること間違いなしです。ファッションはもちろんですが、恋愛に関しても、小学生のユカちゃんの視点を通すことで、大人たちが鋭い一撃を喰らわされることも多く、恋愛の真理を見つめ直したい…という方にも密かにおすすめ!
6位:『ひまわりっ ~健一レジェンド~』
講談社『モーニング』にて2006年~2010年まで連載された作品。全13巻で完結済み。
美術大学を卒業したものの、超就職氷河期のせいで父親と同じ会社に就職することになったアキコ。そんな彼女の父親とは、会社で菓子パンをむさぼり、他人(主にアキコ)の話を聞かず、分かりづらい逆鱗をいくつも持つ、先の読めない男・林健一(はやしけんいち)50歳。彼の伝説とアキコの苦悩の日々は、まだ始まったばかり――。父親が普通!?じゃない!! この物語は、破天荒な父親を中心に娘がぐるんぐるん振り回されてしまう、愉快、痛快、限界コメディーです。
出典:Amazonより『ひまわりっ ~健一レジェンド~』引用
【魅力はコレ!】東村アキコの父・健一の破天荒っぷりに爆笑必至!
全13巻の本作。序盤は東村アキコの実父・健一のレジェンドすぎるエピソードのオンパレード!健一は、ちゃんと一流企業(おそらくNT〇)の会社員として勤めているサラリーマンにも関わらず、一般常識でははかれないところで生きており、ほぼ毎日のように周囲を混乱に陥れる天才!基本的には創作に類する作品ですが、健一に関するエピソードはほぼ実話だそう。
例えば、漫画の内容に悩むアキコに対し、健一はアキコが投稿している漫画雑誌で一番人気の作品を指し、「女の子たちの憧れを描いているんだ」と説教。でも実は、健一はその漫画を読んだことがなかったんです(驚愕)。また、弟・タクマに形見分けのような重々しい雰囲気をもって渡した懐中時計をその15分後に「返して」と言って取返しにきたり…。父・健一の破天荒っぷりに爆笑必至です。
【こんな人におすすめ!】東村アキコ ファンなら必読!伝説の始まりを見逃すな!
東村アキコ作品には随所にリアル体験が盛り込まれています。そこにフィクションを混ぜて面白おかしく仕上げているわけですが、その自伝のような内容は、言わば「東村ワールド」とも言うべき確固たる骨子となって脈々と全ての作品に流れています。
その伝説の始まりとも言うべき作品がこの『ひまわりっ~健一レジェンド~』なんです。東村アキコの他作品でファンになった方も、ぜひ本作を読んでみてください。
5位:『ママはテンパリスト』
集英社『月刊コーラス』で2007年~2011年まで連載された作品。単行本は全4巻。
革命的面白さの、新世代育児エッセイ! 漫画連載を多数かかえる作者は、初育児に毎日テンパりまくり(=あわてて動揺する)!! 息子ごっちゃんの、予想を裏切る驚愕リアクションの数々…。そのデンジャーな魅力に、やみつきになる!
出典:Amazonより『ママはテンパリスト』引用
【魅力はコレ!】東村アキコの愛息・ごっちゃんの奇想天外エピソードで大爆笑!
東村アキコがデキ婚で授かった愛息・ごっちゃんの奇想天外なエピソードをしたためています。いわゆる育児漫画に分類される本作。でも一般的な育児漫画と思って手に取ったら、火傷しちゃいますよ~♪ なんせ筆者はギャグの帝王・東村アキコ。日々繰り広げられる悲喜こもごもをこれでもかと掘り下げ、ひっかきまわし、唯一無二の物語に仕立て上げてくれています。
もうこれはその辺に転がっている育児漫画や育児ブログとは大きく一線を画す秀作!「ごっちゃんみたいな面白い子が特別」と見る目もあるようですが、筆者はそうではないと思うのです。これは、東村アキコの独特の着眼点があるからこそ、ここまで面白いエピソードとして仕立て上げられているのではないか、と。つまりは、東村アキコ×ごっちゃんの怪奇協奏曲ということではないか、と。全4巻。最後まで爆笑間違いなしです!
【こんな人におすすめ!】子育て中の方はもちろんのこと、子育てしてない方にも!
育児漫画というと、子育てされていない方は手に取りにくいかもしれませんが、子育てしていなくても充分楽しめるのが本作のスゴイところです。育児漫画<ギャグ漫画というレベルになっているため、子どもがいない方にもおすすめです!
東村アキコとごっちゃんの面白エピソードでほっこりなりたい方や、何も考えず爆笑したい方におすすめ!万人におすすめできる漫画だと筆者は感じてはいるのですが…唯一おすすめできない方がいます。それは「上品系女子を育てる上品系ママ」です。こういった方々にはどうも「下品すぎる…」とドン引きされてしまう傾向にあるよう…。いや、ギャグなんですけどね。理解できないっスかね!? (…つまんね~人間だな…ボソッ)
4位:『雪花の虎』
小学館の新雑誌『ヒバナ』の目玉として創刊号(2015年4月10日号)から連載されていた作品。2017年9月10日号をもって『ヒバナ』自体が廃刊決定ということで、『ビッグコミックスピリッツ』または『月刊!スピリッツ』への移籍が検討されているよう。既刊4巻で、2017年11月10日に5巻発売予定。
戦国の世を、義を貫いて駆け抜けた軍神・上杉謙信。
毘沙門天の化身とされる名将中の名将は、実は、女だった―――時は享禄二年、1529年。
越後の春日山城城主・長尾為景の第3子が誕生する。
不甲斐ない嫡男・晴景に代わる後継ぎとして期待された赤子は、
しかし女児だった。失望する為景だったが、すぐに決意を新たにする。
「この子を、姫武将として育てる」「名を虎千代とする」と――強い父、やさしい母、穏やかな兄、健気な姉に囲まれ、小さな山城でお転婆に育つ虎千代。
その双肩に背負う運命の重さを、未だ知るよしもなく……。東村アキコが挑む本格大河ロマン、
越後の虎、女・上杉謙信の一代記がいま、始まる!!出典:Amazonより『雪花の虎』引用
【魅力はコレ!】痛快!爽快!女城主・景虎が戦国時代を疾走する!
本来なら男児が家督を継ぐべき戦国の世において、男児並みの腕っぷし&才覚があるため、病弱な兄に代わって城主を務めることになった景虎。そんな景虎は、生まれ持ったカリスマ性によって、城内のみならず城下でも大人気です。その人気っぷりはまるで現代の宝塚を彷彿とさせるよう…!
「虎」つながり&「女城主」つながりで、2017年絶賛放映中のNHK大河ドラマ『直虎』を彷彿とさせますが、直虎よりも『雪花の虎』の景虎のほうがよりカッコよく描かれています。戦国の世を疾走するイケメン城主・景虎の活躍が楽しみな作品。
【こんな人におすすめ!】歴史苦手でも大丈夫!アキコのティータイムが強い味方に
歴史物というと、苦手意識を持たれている方も多いかと思います。が、本作ではそんな心配は無用!なんせ作者の東村アキコ自身が歴史音痴なんです。苦手ゆえにリサーチはかなり入念に行い、景虎に関する資料を読み漁ったそう。その結果…「これは女だったのでは!?」とほぼ確信に近い想いを抱いたことからこの物語は始まります。
東村自身、歴史音痴な方でも読みやすいようにかなり意識しており、作中には本編の流れをかなり噛み砕いてゆる~く説明した「アキコのティータイム」が挟み込まれています。ここを読めば、本編の小難しい歴史話をすっ飛ばしても、ストーリーをスイスイ理解できちゃうのでご安心を!
本作は、「魅力」でも書いたように、女城主・景虎の色気あふれるイケメンっぷりを堪能し、景虎を取り巻くイケメン男子たちとのあれやこれに胸キュンする、歴史恋愛絵巻です。小難しいことは横に置いておいて、存分に物語の世界にハマってください!
3位:『海月姫』
講談社『Kiss』にて2008年~2014年初めまでは定期連載。以後は『東京タラレバ』連載開始により、不定期連載となり、2017年10月号にて最終回を迎えました。既刊16巻。最終巻の17巻は2017年11月13日発売予定。2010年にアニメ化され、2014年には実写映画化されています。
史上初(?)の「本格腐女子漫画」! クラゲ大好きの女の子・倉下月海(くらした・つきみ)が暮らすアパートは男子禁制・ヲタ女子オンリーの天水館(あまみずかん)。ある日、月海が溺愛するクラゲ・クララのピンチを救ってくれたおしゃれ女子を部屋に泊めたら……!? 腐女子軍団「尼(あま)~ず」も人気爆発中♪
出典:Amazonより『海月姫』引用
【魅力はコレ!】突き抜けたオタク女子たちの物語!恋愛&オシャレ要素も満載
突き抜けたオタク女子たちが共同生活をする天水館が舞台。男子禁制の天水館に女装した超美形金持ち男子・蔵之介(女装時=蔵子)が絡んで巻き起こる様々な騒動が面白い物語です。
東村アキコらしく、シュールギャグも満載!オシャレ要素もふんだんで、ニート気味の主役を含むオタク女子たちがクラゲドレスを作ることによって、少しずつ外の世界を知るという展開も秀逸です。もちろん、東村お得意のイケメン男子も登場しますので、恋愛要素も。ただし、オタク女子との恋愛なので、かなりこちらはこじれています…。
【こんな人におすすめ!】新しい一歩を踏み出したいけど迷っている方、必読!
『海月姫』の主役は、ニート気味で好きなこと以外にはヤル気を出せない腐女子たち。社会的に言うと、リア充人間たちから疎まれ、「どうしようもない奴ら」扱いを受けがちな彼女たちが、リア充を絵に描いたような蔵之介と出会い、変わっていきます。
本作は、「自分はブス」「何の能力もない」と自分に自信がない方や、「新しい一歩を踏み出したい…でも、成功するか分からないからなかなか踏み出せない」と迷っている方に超絶おすすめ作品です。『海月姫』の中の登場人物たちが頑張って踏み出した一歩から、勇気をもらえること間違いなし!
2017年10月号にて、見事、フィナーレを迎えた『海月姫』。『東京タラレバ娘』との同時連載が始まった折には、ファンをヤキモキさせましたが、最後は納得の終わり方をしました。どんなラストになるのか心配だった方も、安心して17巻を購入してくださいね。
2位:『東京タラレバ娘』
講談社『Kiss』にて2014年~2017年まで連載。全9巻で完結済み。2017年にはテレビドラマ化も。
「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」そんなにイケていないはずじゃないのに気づいたらアラサ―になっていた倫子。6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど…。東村アキコの女子に対する鋭い視点と笑いがさく裂する最新作!!
出典:Amazonより『東京タラレバ娘』引用
【魅力はコレ!】アラサー女子の赤裸々な本音あるあるがイタイ!
アラサー女子3人娘たちの恋愛と仕事を描いた本作。アラサー女子の赤裸々な本音が綴られており、その内容はまさに「あるある」。「〇〇していたら…」「△△していれば…」と言っているうちに、花の20代を通り過ぎ、あっという間に崖っぷちアラサーになってしまった都会の喧騒を生き抜く女子たちの本音が実にイタイ!
また、そんなアラサー女子たちに投げかけられる外野からの言葉の刃も実に鋭く、同じような境遇なら間違いなく胸に刺さる名言の多い作品となっています。
【こんな人におすすめ!】「たら」「れば」ばかり言ってる30代独身女子のバイブル
約3年の連載を終えて完結した『東京タラレバ娘』。アラサー独身女子にとって、本作の中にはまさに「刺さる名言」が多く、まさに満身創痍で読み進めているという方も多かったようです。読んでいると、絶対に幸せになれそうになり主人公・倫子でしたが、最終回では自分なりの幸せをきちんと見つけます。
「幸せにしてほしい」という他人任せな人生を歩むことの愚かさを身をもって実感した倫子は、自らの足で立って歩める「かっこいい」女性へと変貌します。アラサー独身で「結婚したいな~」「誰か幸せにしてくれないかな~」と女子会している「たら」「れば」女のそこのアナタ!痛みをきちんと受け止めて、読むべし!
1位:『かくかくしかじか』
集英社『Cocohana』にて2012年~2015年まで連載された作品。全5巻で完結しています。2015年マンガ大賞に輝いた実績あり。
自分は絵がうまい。本気でうぬぼれていた林明子(高3)は竹刀を持った絵画教師・日高先生に罵られ…!? 少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ!
出典:Amazonより『かくかくしかじか』引用
【魅力はコレ!】東村アキコの自伝的エッセイ!東村アキコを知りたいならこれを読め!
東村アキコは、リアル体験を創作の中に織り交ぜながら描くタイプの漫画家ですが、本作はほとんど「創作」の部分はなく、ほぼ実話。時代的には東村アキコが高校3年生当時から、漫画家として社会に飛び立つまでの話となります。いかにして東村アキコが造られたのかが一読で理解できる秀作となっていますので、東村アキコファンは必読の一冊です。
ちなみに、作品の雰囲気としては、普段のギャグ満載東村節はほぼ封印されており、筆者は感動しすぎて涙をも流してしまいました!東村アキコはもともとシリアス路線。本作はシリアル一本色というわけではありませんが、後世に遺せる名作と言える作品ではないかと思います。読み終わった後、今まで自分と関わってくれた全ての人たちに思わず手を合わせたくなる、感謝の気持ちが沸いてくる一冊です。
【こんな人におすすめ!】これから未来を歩む若者にぜひ!
時代背景的には、アラフォー世代にばっちりハマル作品なんですが、内容としては、ぜひこれから未来を歩んでいく若者に読んでほしい作品です。「魅力」の項で「東村節封印」と書きましたが、赤裸々に想いを綴るという手法は相変わらず健在!そのため、恥ずかしい過去や、大人になった今なら人間として最低と言える封印したいエピソードなども、隠さず書いてくれています。
本作を読むと、こういう経験をして、こういう想いを超えてきたからこそ、他人の痛みが分かる漫画家になったんだな~と、東村アキコをリスペクトする気持ちが沸々と沸き上がると同時に、若者にもこういう恥ずかしい経験やイタイ過去を超えて、大人になってほしいな、と思うのです。筆者には子どもが二人いますが、もちろん読ませました。まだ小学生の二人ですが、夢中で読んでいました。ここから何かを感じ取って、失敗を恐れず前に進んでくれたらいいな…、人に感謝する気持ちを持てる子になったらいいな…と思います。
東村作品が刺さる理由=正直すぎる作家だから!
今回は、東村アキコのおすすめ作品8選をご紹介しました。東村アキコが新しい漫画を描き始めると、何だかんだと話題になります。メディアミクス作品も多く、それらは人々の心にグサグサと刺さり、爪痕を遺します。
東村作品が刺さる、その理由は、やはり東村自身が正直すぎる人間だからというところにあるように思います。東村は、普通ならオブラートに包んでしまう恥ずかしいことや、もしかしたら否定派がいるような内容まで、赤裸々に綴ってしまいます。でもそれは実は、かなり真理を突いた事実であり、それゆえに私たちの心に刺さるのです。
東村はやたらとネームが速いそう。つまり、世に声を大にして言いたいことがゴマンとあるということ。実は東村はシリアス路線の作家だそう。東村も40代。これから時代を変えるような作品を生み出してくれることを期待したいと思います!