『進撃の巨人』の主人公エレン・イェーガーが巨人の力を継承してから数年、ユミルの呪いによる寿命も間近かと囁かれています。未だ自由を手に入れるため戦い続ける人類に、エレンの力をどう活用するのか。これまでの情報を元に、エレンを考察していきます。
記事の目次
エレン・イェーガーという人物
「進撃の巨人」と「始祖の巨人」継承者
「進撃の巨人」キャラクターイメージソングシリーズ Vol.01 エレン・イェーガー(出典:Amazon)
エレン・イェーガーは、シガンシナ区出身の、第104期生の調査兵団の兵士です。母カルラが巨人に捕食され、その報復として「巨人を駆逐する」ことだけを考えてきました。1巻では、アルミンの身代わりとなって巨人に捕食される事態が起こりましたが、2巻では巨人化した姿で復活しています。
エレンは、父グリシャから「進撃の巨人」と「始祖の巨人」の力を継承した、巨人化能力者。当初、2巻で判明した1体の巨人の力だけかと思いきや、12巻では、「座標」いわゆるすべての巨人を支配する「始祖の巨人」の力も手に入れていたことが分かっています。ただ、巨人の力を継承したものは、ユミルの呪いによって、継承してから13年後には寿命が訪れるとのこと。エレンの寿命ももう間近なのでしょうか……。
ユミルの呪いによる寿命が近い?
エレンが「進撃の巨人」及び、「始祖の巨人」の力を継承したのは、845年です。23巻では、すでに854年が舞台になっているので、単純に考えてもエレンが継承してから9年経過しています。13年が寿命と言われているので、残り4年ということに…。
しかし、ここで気になるのが、これまでのミカサにセリフなんですね。ミカサは、口数が少ないので話す言葉には何かしら深い意味がるのではないかと推測しました。特に、3話での「エレンは私と一緒にいないと早死にする」、そして88話でアルミンと寿命の話をするエレンに対しての、「違う これは…何かの間違い 間違ってる…」ですね。まるで巨人の寿命に関することを、ミカサが知っているような素振りです。
巨人継承者の寿命にはミカサの刺青が鍵?
逆に、ミカサと一緒にいれば、エレンは死なずに済むのだとすれば、その要因は「東洋の一族に伝わる刺青」にあると思います。ミカサの、リミッター解除された瞬間が、2巻の回想シーンで描かれていますが、「…思い出した…この光景は今までに…何度も…何度も見てきた…」「そうだ……この世界は…残酷なんだ」(『進撃の巨人』2巻から引用)。
この言葉は、ループ説を裏付ける一部であり、巨人に関することも思い出したのではないでしょうか。でも、それを決して口に出してはいけない理由があるとか…。エレンが刺青(ミカサ)の近くにいることで、寿命が延びる、もしくは寿命の制限が無くなるという考え方もアリです。
アニメ版で声優を務める梶裕貴
アニメ『進撃の巨人』のエレン役を演じているのは、『七つの大罪』のメリオダス役で知られる人気声優の梶裕貴です。2006年に声優デビューしてから、数多くの賞を受賞するほどの活躍ぶりを見せる梶裕貴は、ハッキリした声質で、少年から青年役まで、幅広い演技で注目されています。
音域も広く演じるキャラクターの性格や特徴を掴み、キャラの雰囲気に声を合わせるなど、プロ意識の高さも好評で、主人公を演じることが多い声優です。また、歌手活動やラジオパーソナリティなど、様々な分野で活躍しています。
考察1┃『進撃の巨人』1話のエレンの夢について
エレンの始まりは、1巻でも腹でうたた寝しているシーンから。エレンが見ていた夢に出てきた少女(女性?)と、エレンを起こしたミカサの髪の長さが違うのは、エレンのセリフから分かりました。ループ説を有力と考えれば、「いってらっしゃいエレン」といった少女(女性)は、マフラーを巻いていることもあることから、過去のミカサだと推測しています。しかも、50話でのエレンのセリフ「そんなもん何度でも巻いてやる」というのにも、繋がっているような気がします。
また、エレンが泣いていたのは、大切な人を失ったのを見たからだとも言えますが、そもそもこの作品には、「赤ん坊」が一切登場しないので、ある程度の年齢で再生するというループなのではないかと思いました。エレンが長い夢を見ていた気がするというのも、実際は夢ではなく実体験であり、うたた寝していた時には、ループが始まっていたのではないかと…。みんなが一度にループするわけではなく、気づかないように繰り返されているというのも、無きにしも非ずです。
考察2┃エレンが持つ「座標」の発動条件とは?
エレンが座標を発動したのは、50話でカルラ・イーターとの対峙場面です。このことから、座標の発動には、ミカサが関係しているとも言われています。ミカサの刺青と巨人が関係性があるとすれば、それも不可能ではありません。しかし、カルラ・イーターは王家の血筋のダイナであることも明かされているので、王家の血筋と座標がマッチングして発動したという説も考えられます。
エレンが王家の血筋ではなくとも、それらの人物が近くにいることで、座標が発動したと考えているのも、90話でヒストリアの手を取ったときにも、50話と同じ「白い電流」のようなものが流れていることにあります。ただ、側にいるだけではなく、直接王家の血筋の者に触れているというのも、発動要因のひとつとして考えられます。
考察3┃エレンとグリシャ、ジークとの関係
ここで、改めてエレンとグリシャ、ジークの関係を整理したいと思います。ジークはグリシャとダイナの間に生まれた息子ですが、王家の血筋であることは、誰にも明かしていませんし、それを知る者もいないでしょう。エレンは、グリシャが壁内で婚姻した、カルラとの間に生まれた息子です。ふたりは異母兄弟という関係で、共に巨人継承者です。ジークは獣の巨人、エレンは進撃の巨人と始祖の巨人。
ふたりは兄弟と言えど、それぞれが敵対国として戦っていますが、ジークはエレンが弟であることを知っています。だからこそ、親父に騙されているとか、いつか救い出してやる、といっていたわけですが、23巻現在でエレンは、ジークが兄弟であることを知りません。ジークがどういった形で、エレンを救おうとしているのか、また敵対する者同士として戦うのか、今後の展開が気になるところです。
考察4┃23巻でエレンがマーレにスパイ潜入!
片足を失った謎の男はエレンだった!
本編では、マーレ国を中心に物語が展開されていますが、94話ではライナーをつけ狙う、一人の男がいます。初めは、93話でライナーをじっと見つめる男として、94話では心的外傷を負ったエルディア人ということで、左足を失い松葉杖をついて、列に並んでいます。このとき、マーレの兵士の声で、驚き怯える負傷兵を宥めていたのがファルコでした。
ファルコは、ひとりの男が逆につけていた腕章を治してあげていますが、それがエレンであることが24巻で判明しました。エレンの狙いは、ライナーが壁内に潜入した理由と同じのはず。ライナーたちは、悪魔の末裔と呼ぶ壁内人類のせいで、自分たちが酷い目にあっているという理由で、始祖の巨人奪還のため壁を壊しました。エレンもまた、母を初め多くの仲間を失ったことによる、マーレへの報復だと考えています。
本格的に自由を取り戻す計画?
マーレは3年の間、パラディ島に駆逐艦を含む32隻もの調査船団を送ったのにも関わらず、1隻も戻ってきていません。これは、パラディ島で進撃の巨人と、超大型巨人を含む2体以上の巨人が、立ちはだかっているからだとジークは考えています。エレンは2体の巨人を継承し、アルミンも超大型を継承していますが、アニは硬質化している状態なので、少なくともエレンとアルミンが船団を握りつぶしている可能性は大きいです。
それからマーレは、3年間船団を送っておらず、敗戦を期した形になっているので、その間にパラディ島の人類が、マーレに潜入してもおかしくありません。本格的に自由を手にする計画を進めたのでしょうか…。しかし、たとえマーレに潜入しても、マーレが所有している鎧の巨人、顎の巨人、車力の巨人、獣の巨人、ダイバー家が所有する戦槌の巨人の5体相手に、進撃の巨人だけでは勝ち目はありません。
マーレ内部の誰かと精通しているか、もしくは誰かを引き入れようと考えているのか…。それに一番近い人物がジークです。ジークはエレンの異母兄弟であること、マーレに忠誠を誓っているようで、どことなく怪しいことを考えると、エレンと繋がっているものと考えられます。
グローブとボールはジークとエレンの関係性を示す伏線か?
24巻でキャッチボールをするジークと、エレンが持っている”家族から貰ったグローブとボール”という描写はとても意味があるように感じます。エレンもファルコから”家族からですか?”という問いに対して、否定もしていないので、おそらくグローブは家族であるジークからのものによるものでしょう。
ただ、裏でエレンとジークが繋がっているとすると、対マーレなのか、対タイバー家なのかということです。ただ、異母兄弟とはいえ、ふたりの考え方には違いがあるので、最終的にはジークとエレンがぶつかることも想定できます。
考察5┃ジークはなぜ始祖の巨人奪還にこだわるのか?
9体の巨人すべてを一箇所に集める必要がある?
他の国々の技術が進み、人類が巨人の力を超えたというのに、なぜジークは始祖の巨人奪還にこだわっているのでしょうか。パラディ島を制圧し、9体の巨人全ての力を手に入れたという、新聞の見出しが必要だと言っていましたが、それだけでは無いように思えてなりません。
ジークとエレンが裏で繋がっているとしたら、始祖の巨人は現在マーレの中にあることは分かっているはず。あとは、超大型と女型の2体がパラディ島にいますが、ジークの目的はユミルの呪いを解き、巨人の脅威を終わらせることではないでしょうか。そのために、9体の巨人すべてを一箇所に集める必要がある……と。
あくまでも。エレンとジークが繋がっていればの話ですが、本当にマーレが戦争に勝つことだけを望んでいるのであれば、巨人を越える力の開発を優先するような気もします。
エレンは誰に手紙を送っているのか!?その目的は?
エレンが手紙を送っている人物は、ジークである可能性は高いです。マーレの中のどこにいるかを伝えるためにも重要な事です。ただ、収容区で出してしまうと、中身を確認されてしまうので、疑いをかけられてしまうのを避けるために、ファルコに収容区外で出すように頼んでいるのではないでしょうか。
また、手紙は何度も出しているようなので、ジークだけでなく潜入している他の仲間にも送っているはずです。そして、彼らが収容区にいないことも確かです。収容区の中にいれば、こっそり会うこともできるはずなので、わざわざ収容区外で出す意味もなくなります。
では、中にはどんな内容が書かれているのか。まず初めの手紙には、”自分が元気でここにいることを伝えたい”と、エレンが言っていました。それは、無事に潜入できたことを知らせるものと考えていいでしょう。また、相手は固定住所がある人物、ゆえにジーク。エレンがライナーと接触したことも不自然ではありません。潜入部隊が事を起こすのであれば、ライナーに知られることを避けるはずですし、会う必要も自分がマーレに潜入していることも言う必要もないですよね。
考察6┃「4年ぶりだなライナー…」の意図は?
24巻ではついに、エレンがライナーと再会しました。
「よかったな 故郷に帰れて」
『進撃の巨人』24巻98話から引用
エレンからライナーへの、この言葉の意味がとても重いです。故郷に帰ることだけを考えて、エレンをさらったライナーでしたから、ライナーに対するエレンの言葉にはトゲがありますね。また、エレンにとっては壁を壊したために母を失ったという恨みも強く、「お前らができるだけ苦しんで死ねるように努力するよ…」(『進撃の巨人』11巻46話から引用)の言葉が突き刺さりますね。
エレンは、ライナーを引き入れるためではなく、これから自分が起こそうとすることは、かつてライナーたちがやった事と同じ事だと、知らしめるためにわざと再会し、重く圧し掛かかる”故郷”を主軸に、開戦が近づいていることを示唆しているようにも思えます。
まとめ
いよいよ、エレンがマーレに報復する時期が近づいてきたように感じますね。また、他の仲間も潜入しているのか、誰が潜入しているのか、ジークとエレンは本当に繋がっているのかなど、多くの謎が浮上しています。
もし、エレンとジークの考え方が食い違っているとすれば、かつての戦いのように激戦となることは間違いありません。果たして、エレンがライナーと再会した本当の理由とは・・・。今後の展開も見逃せません!