漫画&アニメ&実写映画と絶好調の『3月のライオン』の中でも人気があるのが、二海堂晴信!病と闘いながらも懸命に将棋を指す一途な姿に心を打たれるファン続出です。実在のモデルがいるとされる二海堂晴信の魅力とは!?
記事の目次
『3月のライオン』二海堂晴信のプロフィール
まずは、『3月のライオン』の二海堂晴信とはどんなキャラなのかを簡単におさえます。
二海堂晴信=腎臓を患うお坊ちゃん棋士
二海堂晴信はお坊ちゃんプロ棋士。登場当初、C級2組四段でしたが、5巻以降C級1組五段に昇級し、得意戦法も居飛車から一手損角換わりになっています。性格は実に純粋で将棋への愛にあふれています。素直に感情を表に出すところが他のプロ棋士とは異なり、ゆえに二海堂のことを可愛がる先輩棋士や棋士仲間たちが多く、慕われています。
そんな二海堂の不安要素は体調。幼いころから腎臓病を患っており、対局中に倒れてしまうこともしばしば。『3月のライオン』の棋士たちはほぼ架空の人物という設定ですが、二海堂だけは実在のモデルがいるそう。
アニメ版声優=岡本信彦
漫画『3月のライオン』は2016年10月~3月までNHKにて第1期アニメが放映され、2017年10月~第2期が放映されています。
二海堂晴信の声をつとめたのは、プライベートでもかなりの将棋の腕前(アマチュア三段)という岡本晴信。2006年から声優として活動しており、最近の作品では『ハイキュー!!』のノヤッさんや、『バクマン。』の新妻エイジなど個性の強い役柄を当てられることが多いようです。声質もかなり幅があり、例えば今回の二海堂と『バクマン。』の新妻エイジとでは全く声質が異なります。評価が高い声優です。
二海堂晴信のモデル=故 村山聖九段
『3月のライオン』の個性豊かな登場人物たち。実際の棋士をモデルにしているのかというと、案外そうではないようです。でも、二海堂だけは、単行本1巻に収録されている『先崎学のライオン将棋コラム4』にて、モデル=故 村山聖九段と明記されています。村山聖九段とは一体どんな棋士だったんでしょうか?
羽生と並ぶ天才棋士!享年29歳
故 村山聖九段は、幼いころから腎臓病を患っていました。将棋に対する情熱は凄まじく体調が悪くても指し続ける姿勢は二海堂そのもの。羽生と同世代の棋士であり、羽生のことをライバル視していました。実力も相応で「東の羽生、西の村山」と称されていました。これは作中での零との関係性と近いかも。
性格もお茶目なところがあり、漫画好きだったため、物語の世界に入り込むような子どもっぽいところもあったそう。お茶目という点では二海堂と似ています。闘病もかなわず、29歳で没しています。
合わせて楽しみたい映画『聖の青春』
村山聖九段は、棋士たちにも一般人にも大変人気があり、亡くなった直後は、将棋会館周辺では村山聖九段をしのんで、誰かが泣いていたそう。人を惹きつける魅力ある棋士だった村山聖九段は、没後にドキュメンタリーが放映されたり、村山を題材とした小説や映画が製作されたりしました。近年では、松山ケンイチ主演『聖の青春』がおすすめです。
大人気!二海堂晴信の魅力
『3月のライオン』13巻は半分が二海堂を主役としたものでした。本来の主役(零)を差し置いて、13巻の主導権を握った二海堂。その魅力とは!?
将棋への真っすぐな情熱!
そもそも棋士というのは、対局中、冷静な判断力を必要とします。そのため、闘志をあまり表に出さない棋士が多いそう。「やってやるぜ~!!」と頭に血が上った状態では、冷静な判断ができず、思わず悪手を指しかねないということです。
しかし、二海堂は声に出して「決勝まで行く」と宣言してしまうなど、闘志を周囲に隠すことはありません。幼いころから腎臓病を患い、自由に遊べなかったからこそ、将棋そのものに心酔し、「名人を獲る」という大義のため、体調が悪くとも戦い続けるその姿に、私たちは心を打たれます。
お茶目な性格が可愛い!
二海堂は実にお茶目です。常にプラス思考で、悪いことが起こっても全て良い方向へと勝手に脳内変換してしまいます。思い描く将来像も常に大きく、「二海堂ワクチン」なる特効薬を開発し、将棋界に名を残すことが夢です。
また、将棋の普及活動にも熱心で、何と自費で豪華な装丁の将棋入門絵本まで作成しています。やること全て、考えること全てが超ド級であり、どこか可愛らしさを感じます。
かなり義理堅い性格
二海堂はお坊ちゃんなのに(と、言ったらお坊ちゃん方に失礼ですが…)、ものすごく人の気持ちの分かる子です!例えば、兄弟子の島田が宗谷との地方対局という場面では、島田がリラックスできるよう、わざわざ遠征し、何かと気を配ります。夏祭りの日、モモが遊び相手がいないと寂しがっていれば「モモくんのピンチなんだな」と夏祭りにモモの面倒を見に出かけます。
義を第一とする二海堂の生き方。これは私たち日本人が忘れてはならない、大切なものではないでしょうか。
ふくふくとした体形!思わず拝みたくなる!
そしてやはり二海堂の見た目にハマったという方も多いよう。作中では、あかりがドストライクで二海堂のふくふくさに惹かれています。思わず拝みたくなる、もはや神々しささえ感じさせるその御姿は最大の魅力と言えるでしょう。
零への愛は地の果てまで!
二海堂のことを語るなら、外せないのが主役の零の存在です。1巻冒頭から、零の周囲にまとわりつき、存在感を発揮していましたね。
零のことを心友(しんゆう)と呼ぶ二海堂
零のことを「心友(しんゆう)」「終生のライバル」と呼ぶ二海堂。零の後を追いかけてプロになった二海堂は、「零と対局できないならプロになった意味がない」とまで言い切ります。それほどの強い零への想いはどうして生まれたのでしょうか?それは、幼いころの対局に起因します。
身体が弱く入退院を繰り返していた二海堂にとって、将棋は文字通り全てでした。「強くなりたい」という想いを抱えて、寝る間も惜しんで精進する日々…。しかし、子どもの頃の対局では、明らかに練習不足といった相手が前に座ることも。そんなとき、現れたのが零でした。零は二海堂と同じく、将棋に命をかけ、本気で挑んでいる人種だったのです。「一人じゃない」そう感じた二海堂は、零によって救われたのです。
上に行けるのはライバルがいるからこそ!
二海堂は、何だかんだと零に影響を与えています。例えば、勝気な零が相手の手中に自ら飛び込んでいこうとしたときなどは、零に冷静さを持つよう、そして自分を大切にするよう助言しています。
また、2017年9月に発売された13巻、東陽オープンでの宗谷との対決では、まさに命を削るような熱いバトルを展開し、盤上での宗谷との対話を可能にしました。その姿に零は発奮!宗谷と近しいのは自分だけと考えていた零の頭を見事にカチ割ったとも言えるでしょう。
二海堂が捧げる!ヤル気になる名言7選
二海堂は、ヤル気の塊のような人間です。そんな二海堂から発せられる名言を聞けば、鼓舞されること間違いなし!ということで、二海堂の名言集!
名言①「でも、次は絶対に負けない」
「でも、次は絶対に負けない」by二海堂晴信
出典:漫画『3月のライオン』1巻chapter5「晴信」より
二海堂は負けても長く落ち込むことはありません。すぐに発奮し、「でも、次は絶対に負けない」と再び這い上がる決意を固めるのです。ちなみにこのセリフは度々吐かれ、7巻chapter64「銀の羽根」でも同じセリフを言っています。二海堂は太く短く生きる棋士。もしかして自分には限られた時間しか無いことを察しての立ち直りの速さなのかもしれません。
名言②「もっと自分の将棋を、もっと自分を大切にしてくれっ 桐山っっ」
「もっと自分の将棋を、もっと自分を大切にしてくれっ 桐山っっ」by二海堂晴信
出典:漫画『3月のライオン』2巻chapter14「大切なもの。大切なこと。」より
零のミス待ちでなかなか動かない相手に業を煮やし、つい「やってやろうじゃないか」という気持ちになってしまった零。その一手が見事に敗着の一手となり、負けてしまいます。そんな零の将棋を解説していた二海堂は、テレビカメラ越しに零に熱く吠えます!
聞いた直後は反抗心がむくむくと沸き上がった零ですが、後に、零は何度もこの言葉を反芻します。6巻の新人王戦、山崎順慶との対決ではこの言葉に救われて悪手を指さずにすみました。
名言③「オレはひとりぼっちじゃないんだって…」
「オレはひとりぼっちじゃないんだって…」by二海堂晴信
出典:漫画『3月のライオン』3巻chapter31「自我のカタマリ」より
誰しも、何か目標があるときには、その目標に向かって果て無き努力を続けます。どんなに心が強い人でも、この努力はいつ報われるのか、不安になるもの。そんなときに勇気付けられるのが、同類者の存在です。二海堂は、自我のカタマリになりかけていた自分を救ったのは零だと言います。自分より努力している人間がいるという、たった一つの事実。それこそが前へ進む原動力と成り得るのかもしれません。
名言④「出るさ 絶対にタイトルに挑戦する そう決めている」
「出るさ 絶対にタイトルに挑戦する そう決めている」by二海堂晴信
出典:漫画『3月のライオン』4巻chapter34「銀の糸」より
有言実行という言葉があるように、夢があるなら声に出して言うことが大切です。二海堂は自然とそれを実行できています。大きすぎるかもしれない夢をしっかりと、ぶれずに語れます。それだけでも一歩先へ、一歩夢へと近づく行為。何か叶えたい夢があるなら、絶対に声に出して言うことを実践してください!
名言⑤「強くなるにはライバルが必要です」
「強くなるにはライバルが必要です」by二海堂晴信
出典:漫画『3月のライオン』6巻chapter61「冒険者たち」より
強くなるにはライバルが必要!その通りです!棋士の世界でもそうですが、それはどの世界でも同じことが言えます。例えば、ピアノの世界では、コンクールに出て他者の演奏に発奮され、実力以上の演奏ができてしまうことがあるそう。ライバルを蹴落とすなんてことは、愚者がすることです。ライバルには敬意を持って接しましょう!
名言⑥「せめて気持ちだけでも当たり負けしてはならん」
「せめて気持ちだけでも当たり負けしてはならん」by二海堂晴信
出典:漫画『3月のライオン』13巻chapter129「風の二万風里①」より
宗谷との対戦が叶うかもしれないという状況を前に、自分が勝ち進むことは絶対だという自信を見せる二海堂。零はいつもの調子でどうしてそんなに自信があるのか尋ねますが、二海堂は別に自信があるわけではなく、「当たり負けしたくない」という一心からの発言であることが分かります。言霊。まさに言霊です。「こうなりたい」という未来があるなら、大声で語ることをおすすめします。
名言⑦「ここがその未来だ!!」
「ここがその未来だ!!」by二海堂晴信
出典:漫画『3月のライオン』13巻chapter135「風の二万風里⑥」より
身体が弱く、運動などできるはずもなく、食べ物も好きなものを食べられない二海堂。長くは生きられない、そう言われて生き続けてきた二海堂。そんな苦しい生活を全て一笑に付すほどの快感を、二海堂は対宗谷戦で得ます。「ここがその未来だ!!」そう叫べるような未来にいつか私たちもたどり着きたいですね!
零の心友として無くてはならない存在の二海堂晴信!
1巻からほぼ絶え間なく登場し続け、主人公の零にとってとても大切な存在となってきた二海堂晴信。13巻ではその存在感を更なる高みへと昇華させ、零の心友として無くてはならない存在であることを、私たち読者にあらためて魅せ付けてくれました。
ただ、対局中、倒れる描写が目立つ二海堂…。今回もやはり宗谷戦にて倒れてしまいました。これが嫌なフラグではないことを願ってやみません。零にはまだまだ二海堂が必要です。私たちにも二海堂は必要!どうか、物語の世界でだけでも…。