アニメ第1期でこれでもかというほど「イタい」&「不憫」を強調されたカラ松ですが、その本質には強さと優しがあるということは、皆さんも知っての通り。知ってるよね? 好きだよね? カラ松って一番かっこいいよね!! という、彼の魅力を振り返ってみるための記事です。
記事の目次
愛ゆえにイタい!松野家次男・松野カラ松
プロフィール
- 誕生日:5月24日
- 血液型:A型
- イメージカラー:青
- 特徴:太く男らしい眉
- ポリシー:グラサン、革ジャン、ラメのパンツ、クソタンクトップなどのパーフェクトファッション
- 好きなもの:肉、尾崎豊
兄弟たちから“イタい”と評される次男。本人はカッコいいつもりでクールぶった台詞を吐こうとしますが、その内容はただの中二病。無駄に中学生レベルの英語を多用します。そのちょっとずれた美的センスは服装にも大いに反映されていて、オラオラ系のファッション雑誌を参考に、見知らぬ女性にも白い目で見られるような格好で出歩きます。
一方6つ子の中で唯一、純粋な親切さを随所で見せていて、常識的な苦言を呈することも。しかし彼の厚意は重過ぎるのか、周囲の人間は概ねスルー。また断れない性格と間の悪さも相まって、どうしても不憫な目に遭いがちです。ちなみに彼は自分のファンを「カラ松ガールズ/ボーイズ」と呼んでいますが、作中では該当者は1人のみ。
声優・中村悠一が演じる「次男」の変幻自在の男らしさ
カラ松の声を担当する中村悠一は、ここ数年特に活躍の目覚ましい低音声優。代表作は『おおきく振りかぶって』(阿部隆也)、『CLANNAD』(岡崎朋也)、『機動戦士ガンダム00』(グラハム・エーカー)など。男らしい役に定評があり、男女問わずファンがついています。しかし年々役の幅を広げ、落ち着いた男性や女装男子まで演じて様々な人気作品に出演してきました。おそ松役の櫻井孝宏との共演も多いです。
カラ松は男らしい声で、クールな台詞を吐くと見せかけて場をクールにしてしまうという、複雑な空気を醸し出すキャラクター。中村の安定した低音と、これまで多種多様な役で培ってきた演技力が発揮される新たな代表作となりました。ちなみに中村自身はひとりっ子だそうです。
カラ松の3大要素!愛しさとイタさと空回りと…
1.「空回り」モテたい愛されたいのにカラ回る!
カラ松はかなりのカッコつけでナルシストですが、彼の行動原理はいつだって兄弟たちに頼られるため、ガールズにモテ、愛されるためです。誰かの役に立とうと努める松は、6つ子の中で彼だけではないでしょうか。しかし悲しいかな、壊滅的な美的センスと空気の嫁なさのせいでいつもその気持ちは空回り。イタい、ウザいと兄弟たちに突っ込まれるのはまだいい方、きれいにスルーされ、いないように扱われることがほとんどです。
といっても、兄弟たちもおそらく1人を除いては彼を本気で嫌っているわけではないようで、おそ松などは第10話のアバンを見るに、カラ松の在り様を肯定すらしています。いつも兄弟たちを気にかけているカラ松への無視やスルーは、もしかすると熟年夫婦の阿吽の呼吸のようなものなのかも?
2.「中二病」†ファッションと言動の耐えられないイタさ†
カラ松が兄弟たちにスルーされてしまうのは、彼の中二病全開の発言によるところが大きいでしょう。オヤジギャグにも似たそれらの台詞は、正直目の前で吐かれたらどうすればいいの!?とツッコミすらも出てこないほどのダダ滑り。まあ、アニメだからそういうところもかわいいし、その裏に愛があるとわかれば愛しくさえなってくるわけですが…。
クソタンクトップに代表される彼のファッションも同様で、一度や二度なら笑えても毎度毎度あれを着られると、血のつながった兄弟としてはただただ面倒くさいことでしょう。しかもあの服、自分で作ってるんだぜ…嘘…だろ…。トド松に何度ツッコまれてもやめないのは、ファッションも言動もすでにポリシーとなっているのでしょうね。
3.「優しさ」実は最も常識人?カラ松の男らしさと思いやり
最初はイタさと不憫さばかりが印象的だったカラ松ですが、回を追うにつれ明らかになったのが、彼の優しさと意外な常識人ぶりです。彼はいつも、良かれと思ってカッコつけ、相手のためを思って意見しているのです。
それが最もよくわかるのが、第17話「風邪ひいた」のカラ松看病パート。他の兄弟たちがどさくさに紛れて自分の欲を満たそうとしているのに対し、カラ松だけは彼なりの最良の方法でみんなを労わろうとしていました。ただ彼の最良があまりに明後日の方向なだけで…。また第2話「就職しよう」では胸ぐらをつかんできた一松を負ぶって帰ってやり、第4話「トト子なのだ」では、自分にボディーブローをキメたトト子にまっとうな助言をしました。
まあ善意と常識があるなら働けって話なんですけどね! 結局は他の兄弟同様クズなんですけどね!
カラ松の立ち位置確定!第5話「カラ松事変」考察
カラ松の6つ子内で、あるいは作中での位置づけを決定したのが、第5話「カラ松事変」と「エスパーニャンコ」でした。それまでは個性があるといっても、横並び感のあった6つ子たち。しかし、「カラ松事変」ではカラ松のみがおでんのツケの形に誘拐され、しかも兄弟から梨以下の存在として見捨てられるという不憫な扱い。かつ続く「エスパーニャンコ」では、ラストのオチまで存在をないものとして扱われるという、不憫すぎる「特別扱い」がなされました。
アニメ開始時に公式サイトでは「カラ松は参謀役」と書かれていましたが、いつの間にやらその記述は消え、完全に痛くて不憫なキャラとして定着。しかしここまでされても兄弟に対しグイグイいくのも、カラ松のすごいところです。またこの1件からか、カラ松は他の兄弟たちよりチビ太と仲良くなった様子。
第16話「一松事変」などに見るカラ松と一松の関係
一松のカラ松嫌いはうらやましさの裏返し?
初期からカラ松に対するひどい扱いが目立っていた一松。「就職しよう」では褒められたのに胸ぐらをつかみ、「カラ松事変」では殺傷能力の高い石臼を投げつけるという非道ぶり。カラ松の言動や存在自体に辛辣な言葉を浴びせるのは、主に一松です。
「エスパーニャンコ」で判明した、一松の斜に構えた態度の裏にある自分への自信のなさ。どうやらそれが自分のセンスに自信満々のカラ松が気に障る理由のひとつであり、すなわちカラ松への嫌悪はある意味うらやましさの裏返しであるようです。しかしそのうらやましさが、まさかカラ松のファッションに対してのものでもあったとは、「一松事変」までは誰も予想しなかったでしょうが…。
「俺はもうカラ松ボーイズ」の“もう”っていつから?
さらに「一松事変」で注目したいポイントは、それまでカラ松が見せることのなかった機転です。まさか一瞬で状況を理解し、一松のために一松に成り代わるなんて芸当ができるとは。珍しくカラ回りしないカラ松に、一松はついに一松ボーイズを名乗ってしまうほどでした。
しかしそれまでも一松は、何度もカラ松の優しさに甘える場面がありました。酔いつぶれたところを負ぶってもらったのもそうですが、サングラスを壊したり理不尽に怒りをぶつけたりできるのも、カラ松なら許してくれるのを知っているからではないでしょうか。そう、つまり、一松はとっくの昔からカラ松ボーイズなのです! またこの回を経ての第17話「十四松」での「そのへんどうなんだ。一松」が、なんだかとっても好きなのは私だけではないはず。
カラ松に辛辣なトド松という兄弟のリアル
一松とは違った形で、トド松もまたカラ松にはかなりの辛口です。トド松の場合は主にカラ松のファッションについてツッコミを入れていて、普段からおしゃれな彼ならではという気もします。
が、もっとリアルに考えてみてください。例えば第4話「自立しよう」の居間のシーン。みんながくつろいでいるときに、ひとり鏡を見つめる兄って、実際どうしようもなくウザくないですか? 自分の兄で想像したら、普通に嫌じゃないですか!? トド松のキレっぷりも当然というものです。
しかし一方、弟たちに頼りにされたいカラ松は、トド松の一言(第14話「トド松のライン」)で舞い上がってしまう素直さすらあります。高校時代にライバルの台本に鳥の糞を挟んだのもトド松の言うとおりだし、そもそも何を言われても怒るということがありません。まあ、トド松にしてみればだからといってウザいのに変わりはないんですけどね!
第24話「手紙」で見せた男気の意外性と説得力
イタいキャラ、不憫キャラに始まって、兄弟への思いやりや押され弱さ(第9話「チビ太とおでん」)、意外な機転などいろんな面を見せてきたカラ松。そこにきて、ラスト直前の第24話「手紙」でのおそ松への鉄拳制裁は、彼の人物像を完成させる最後にして最大のピースとなりました。
この回自体が、これまでに確立した6つ子のキャラクター性を裏返して見せるといった趣向でしたが、その中でも最も意外性と説得力があったのがカラ松だったのではないでしょうか。確かにそれまでの彼にはない行動でありながら、しかし内にはそういう男らしさを抱えていたと納得させられる一発でした。そう、カラ松って実はそういうやつなんだよ…! と、全国のカラ松ガールズ&ボーイズが心をときめかせ、かつ切なさに震えた回でした。
待望の第2期!カラ松の新たな魅力はある?
第1期で次々と新たな面を見せ、とても人間らしいキャラクターとなったカラ松。第2期ではさらにどんな面を見せてくれるのか楽しみです。また肉を肉で巻いて食べる肉食系肉なのか? 「六つ子に生まれたよ」のように得意の歌(公式設定)を披露してくれるのか? 本体よりも男らしくて優しいカラ子の出番は? 等々…。
あえて第2期をやるのだから、ただのイタい&不憫キャラで終わるわけがないですよね?