漫画『文豪ストレイドッグス』は朝霧カフカ×春河35が描く、イケメン文豪たちの異能力バトルが見ものの真面目なバトル漫画。派手なバトルが魅力ですが、芥川に関しては、太宰が絡んでくる心の葛藤が見ものなんです。太宰に認められたい一心で命を懸けた戦いに挑む芥川の心の闇と今後の可能性を考察します。
『文豪ストレイドッグス』芥川龍之介のプロフィール
まずは、『文スト』の芥川ってどんなキャラなのかを簡単におさえます。
僕(やつがれ)の好むもの=太宰
漫画『文豪ストレイドッグス』の芥川龍之介の一人称は「僕(やつがれ)」。172㎝で体重は50㎏とかなり華奢な体型で、たまにというかよく、咳き込んで血を吐いています。
性格は実に攻撃的であり、孤独を好みます。異能は「羅生門」で、羽織っている黒マントを「黒獣」に変身させ、空間を含むすべてのものを喰らいます。羅生門には様々な攻撃パターンがあり、その全てに名称が付いています。
漫画『文豪ストレイドッグス』は決してBLものではありません。が、芥川の太宰愛は異常。これは芥川の出自に関係しています。現在は、同じく太宰門下の敦と組んで「新・双黒の時代」を造ろうとしている…かもしれません。
アニメ版声優=小野賢章
漫画『文豪ストレイドッグス』は、2016年にアニメ化されており、2018年初春には劇場版『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』が上映予定。アニメ版で芥川の声を務めたのは、幼いころから子役として活躍し、『ハリーポッター』の吹き替えや、『黒子のバスケ』黒子テツヤ役などで有名な小野賢章です。
小野は俳優としても活躍するなど、素顔はかなりイケメン。芥川の線の細さとはまた違った雰囲気ですが、声質自体は繊細で華奢な印象なのでハマっています。
太宰に翻弄される芥川が可愛い件
芥川はポートマフィア所属。『文スト』の中では探偵社=正義、ポートマフィア=悪という位置づけなので、本来ならば完全に敵役のはず…なんですが、『文スト』女子ファンから「芥川が可愛すぎる♡」という声多数!キュートな芥川の魅力に迫ります。
ヴィジュアルからして可愛い芥川
芥川が女子をキュンキュンさせる理由の一つは、そのヴィジュアル!172㎝50㎏というその辺の女子よりも華奢な体型に加え、大きめの漆黒の瞳はいつも潤んでいるようです。気管支系統が弱く、ここぞという場面でもいつも咳き込んでいます。無理を押してでも戦いに挑む姿には、樋口ならずとも「ご自愛をぉ~!」と叫びたくなるはず!
冷酷非道なくせに部下を庇う!
ポートマフィアに属し、上の命令とあらば(命令でなくとも)血なまぐさい現場には高確率で出現する芥川。性格は実に冷酷非道です。その上、孤独を愛し、「誰の助けもいらぬ」とばかりに一人で行動することもしばしば。
そんな性格の芥川ですが、非力な樋口が虎化した敦に襲われそうになれば速攻で助けますし、裏切りを犯した鏡花のことも許そうとします。部下思いの芥川の姿にキュン死寸前女子多発!
太宰さんを好きすぎる件①太宰さんのために戦いますっ!
芥川が戦う理由は、ポートマフィアの上から命令されているから…というだけではありません。時には、上からの命令も無いのに、単独、決戦の場に挑んだりします。ポートマフィアには与謝野先生のような異能の医者はいませんから、決戦で命を落とすことも考えられます。それなのになぜ、こうまでして戦い続けるのでしょうか?
それはもちろん、太宰のためです。芥川は太宰に認めてもらいたいというその一心で、命を懸けて戦い続けるのです。
太宰さんを好きすぎる件②敦に嫉妬心メラメラ
これは、太宰の策略ということも考えられるのですが、敦を探偵社に入社させた後、太宰は芥川に対し、敦のほうが優秀というようなことを言ってしまいます。ポートマフィア時代、太宰が手塩にかけて育てた芥川よりも、つい最近出会ったばかりの敦のほうが優秀だと…。
これには、いつも冷静なはずの芥川の表情も一変。思わず、血の気が引いてしまいます。その後の芥川の敦に対する執着は嫉妬以外の何物でもありませんでした。
太宰さんを好きすぎる件③太宰さんに褒められたら気絶しますっ!
太宰に褒められたい、敦よりも自分のほうが優秀だと、太宰の真の弟子は自分だと認めてもらいたいという強い想いを持って、戦闘を続けてきた芥川。そんな芥川の想いが報われる一瞬が9巻で訪れます。
敦と共闘し、ギルドのフィッツジェラルドを倒したその後、太宰は一言「強くなったね」と芥川の肩を叩きます。その声を聞いた途端、なんと芥川は気絶してしまうのでした。気絶って…どんだけ好きなんや~!? 強すぎる太宰愛がよく表現されたシーンでした。
可愛いけどちゃんと強い!芥川の異能検証
可愛い芥川ですが、異能「羅生門」を使って戦う戦闘能力の高さは、太宰も認めるところ。太宰に認めてもらうため、相当頑張って練習したんでしょう…。「羅生門」に関しては、やたらとバリエーションがありすぎて、ちょっと複雑なんです。ということで、ここで今一度、芥川の異能「羅生門」について確認しておきましょう。
芥川の異能「羅生門」検証①基本性能確認
「羅生門」は攻撃に特化した異能です。単純な羅生門の形態は、芥川が身に着けている黒マントを黒獣に変身させ、黒獣があらゆるものを食らうというものです。
ちなみに、攻撃に特化していますが、食らうもの=あらゆるものなので、空間を食らうことも可能。そのため、他者から攻撃を仕掛けられたときに、自分と相手との空間を食らうことによって、防御もできます。ただし、防御機能についてはやや劣る面があり、発動が遅く、相手が速攻で来た場合には防御不可能ということもあります。
また、黒マントを長く伸ばして直接地上に立たず、空中で起立することもできます。
芥川の異能「羅生門」検証②バリエーション確認
羅生門のバリエーションを確認しておきます。尚、技の順番は登場順になっています。
- 羅生門・顎(あぎと):黒獣の巨大化した顎で相手を食らう技。初登場=1巻
- 羅生門・叢(むらくも):黒獣の鋭い爪を含む腕部分で相手を八つ裂きにする技。初登場=1巻
- 羅生門・彼岸桜(ひがんざくら):黒マントが無数の針となり敵を刺す技。初登場=3巻
- 羅生門・早蕨(さわらび):地面から無数の棘が生え敵を刺す技。初登場=3巻
- 羅生門・獄門顎(ごくもんあぎと):顎より大きいサイズの顎が現れて敵を食らう技。顎は敵の上半身ほどの大きさですが、獄門顎になると敵全部を丸飲みできるほどの大きさに。初登場=3巻
- 羅生門・連門顎(れんもんあぎと):敵が複数いるときに有効な技。顎を複数出現させてあらゆる方向からの攻撃が可能に。初登場=6巻
- 羅生門・黒波濤(くろはとう):黒マントから無数の帯を出現させる技。初登場=9巻
- 羅生門・天魔纏鎧(てんまてんがい): 芥川単体で羅生門を行う際の最強バージョン。全身に異能を張り巡らせることによって、黒マントに鎧と筋肉の役割をさせる技。体に負担がかかるため、長くは持たないそう。初登場=9巻
芥川の異能「羅生門」検証③芥川×敦
芥川の大好きな太宰が目論むのは、芥川×敦で新・双黒の時代を造ること。9巻まではお互いに反目し合うだけの二人でしたが、9巻でのギルドのフィッツジェラルド戦以降、タッグを組むこともあり、新しい技を生み出しています。
①月下獣羅生門・虎叢(とらむらくも):初登場=9巻
初めて二人がタッグを組んだ大技。半人半虎(はんじんはんこ)になった敦と、羅生門・叢状態の芥川がまみえることによって、全財産をつぎ込んだフィッツジェラルドを撃破した記念すべき技です。具体的には、芥川の叢の黒獣の爪を敦の虎の爪に付けることによって、戦闘力を何倍にも上げた技ということ。破壊力抜群ですが、かなり体力を消耗するので、1撃で仕留めないと危険。
②月下獣羅生門・黒虎絶爪(こっこぜっそう):初登場=13巻
対ドストエフスキー戦で洞窟に潜入し、ゴンチャロフと戦った際に生み出された新技。地面そのものを味方につけるゴンチャロフに対し、芥川が敦のいる空間を切り取り、移送。さらにその切断空間を伸長することによって敦の異能自体を裂く爪の能力を無尽蔵に活かすという技。
6ヵ月後の約束とは?
誰よりも強い闘争心と、それに伴う強い異能を持ち合わせている芥川。しかし、芥川の心の中は、満たされない想いでいっぱいです。9巻で一度、太宰に認めてはもらいましたが、まだまだ「お前が一番」という言葉をもらってはいませんし、太宰は敦のほうを大切に思っているように見えます。
満たされない芥川は13巻にて、6ヵ月後に敦と決闘する約束を取り付けます。敦を倒さないと決して前には進めないと考える芥川。しかし、敦は太宰に強さを認めてもらう条件とはそういうことではないと考えているようです。敦は芥川に決闘を受け入れる条件として、6ヵ月間人を殺すなと提示しました。芥川はしょうがなくその条件を受け入れましたが、殺し大好きな芥川が6ヵ月間人を殺さず、どう成長していくのかが見ものです。
敦自身も芥川の強さを否定するため、自分がさらに強くなる必要を感じているよう。お互いに切磋琢磨しあって、更なる境地へと昇華していく芥川と敦の活躍から目が離せません。