世界的人気を誇るJ・K・ローリング著『ハリー・ポッター』シリーズが完結し、全作通してから第一作目『ハリー・ポッターと賢者の石』に戻ってみると、気づく伏線があります。登場人物とあらすじ、後半へ続く伏線を合わせてご紹介します。
『ハリー・ポッターと賢者の石』とは
世界で愛読者が一番多いハリー・ポッターシリーズの1作目
『ハリー・ポッターと賢者の石』はイギリスの作家J・K・ローリングが描くファンタジー小説『ハリー・ポッターシリーズ』の1作目で、1997年イギリスで出版。1999年には日本語訳版が刊行。2001年には映画化されており、シリーズ本編は全部で8巻あります。1巻目にあたる今作は、ハリーたちがホグワーツ魔法魔術学校に入学して1年生として過ごす期間が描かれています。
数奇な運命をもつ少年に魔法学校の入学許可証が届く
ハリー・ポッターの舞台はイギリス。1992年から物語ははじまります。10年前に両親を亡くしたハリーは、親戚の叔母の家に引き取られていました。親戚の家ではいじめられてばかりのハリーが11歳を迎える前に突然、ホグワーツ魔法魔術学校から入学許可証が届きます。ハリーの両親が魔法使いで、悪の魔法使いヴォルデモートとの戦いの際に亡くなったこと、ハリー自身も「生き残った男の子」として有名だということを知ります。
ハリーは魔法学校に入学し、1年生として過ごしはじめます。学校の中で立ち入ってはいけないと言われている廊下で、意地悪な先生・スネイプが不穏な行動を見せます。あるときハリーたちは学校の中に、どんな金属も黄金にかえ、飲めば不老不死になる命の水を作り出す「賢者の石」が隠されていることを知り、スネイプの怪しい行動を追いかけることに。
メインの登場人物紹介
ハリー・ポッター│ダニエル・ラドクリフ
『ハリー・ポッターシリーズ』の主人公ハリー・ポッターを演じているのはダニエル・ラドクリフ、日本語吹替は小野賢章です。ハリーは1980年7月31日生まれ。両親を交通事故で亡くし、親戚の家に引き取られ狭い部屋に詰め込まれながら生活していました。11歳になる直前、ホグワーツ魔法魔術学校から入学許可証が届き、自身の生い立ちの秘密を知ることになります。魔法界では「生き残った男の子」として知られています。
ロン・ウィーズリー│ルパート・グリント
『ハリー・ポッターシリーズ』の主人公ハリーの親友であるロン・ウィーズリーを演じているのはルパート・グリント、日本語吹替は常盤祐貴です。ロンは、1980年3月1日に魔法族のウィーズリー家の六男として生まれます。魔法界で純血の家系の両親から生まれた生粋の魔法使いなのですが、家が貧乏でホグワーツ魔法魔術学校で使うものは、兄からのおさがりが多く劣等感が強く皮肉屋な一面があります。
ハーマイオニー・グレンジャー│エマ・ワトソン
『ハリー・ポッターシリーズ』の主人公ハリーの親友であるハーマイオニー・グレンジャーを演じているのはエマ・ワトソン、日本語吹替は須藤祐実です。1979年9月19日に魔法使いではないマグルこと、普通の人間である歯科医の両親から、ハーマイオニーは生まれました。常に本を複数持ち歩くほどの本好きで、学年一の秀才で、本から得た豊富な知識からハリーたちの危機を何度も救っています。
シリーズ後半に続く伏線とチェックポイント
タイトルの色
シリーズ1作目にあたる『ハリー・ポッターと賢者の石』の”Harry Potter”のタイトルロゴはキラキラと輝く金色です。シリーズが進むにつれて、この色に変化が見られます。この色の変化に、何か特別な理由があるのかは公式には明かされていません。
個人的な見解ですと、不遇な環境で過ごしていたハリーが、両親から受け継がれた魔法という能力に気づき、自分の運命を切り開いていくきっかけとなる、ホグワーツ魔法魔術学校入学。その華々しい第1歩ということでピカピカの1年生を表現しているのではないでしょうか。話が進むごとに色が少しずつくすんでいって、最後にはハガネのような色になっていくのは、ハリーの成長で強くなっていっているのを表しているのではないかと思います。
寮を決める組分け帽子
ホグワーツ魔法魔術学校に入ると4つある寮のうち、いずれかに入寮することになります。ハリーがかぶっている組分け帽子が、新入生の寮を決めるのですが、組分け帽子には実は寮を決める以外に出番があります。その出番は7作目の『ハリー・ポッターと死の秘宝』の最後の最後で使われます。
杖
ダイアゴン横丁のオリバンダーの店で買える杖。ハリーの持つ杖は本体はヒイラギ、芯には不死鳥の尾羽根が使われています。名前を言ってはいけないあの人・ヴォルデモートの持つ杖も同じ不死鳥の尾羽根が使われており、その事実は杖を販売しているオリバンダー店で聞かされているものの……。
原作では杖についてのデザインの表現は特にありませんでしたが、映画では第3作目から個性が出るように作られていて、1、2作の杖とはまったく違ったデザインになっていることがチェックできます。
クリスマスプレゼントの透明マント
ハリーの父親からのプレゼントだと、クリスマスにダンブルドア校長から渡された透明マント。このプレゼントはハリーのピンチを何度も救います。ハリーが低学年のころは、ただの透明になれるマントとして使っていますが、高学年になるにつれてこのマントが非常に重要な役割があることを知ります。
ダンブルドアが使う火消しライター
『ハリー・ポッターと賢者の石』の冒頭で、ダンブルドア校長が街頭の明かりを消している描写があります。その明かりを消すのに使っているのが火消しライターです。特にここだ!という強い描写ではなく、何気ないひとこまなので見逃してしまっている人も多いかもしれません。この火消しライターはシリーズ後半で重要なアイテムとして使われることになります。
ドジで気弱なルームメイト・ネビル
ハリーと同じグリフィンドール寮で過ごすネビル・ロングボトム。1年生で入学した時点で彼は、ドジで頼りにならない腰抜けなイメージが強いです。夜中に寮を抜け出すのを、グリフィンドールが減点されるからと止めたり、箒に乗る授業ではひとり勝手に飛んで行き落下するなど、はじめのうちは気弱な落第生という印象をたっぷりと見せています。が、このネビル、実は……?
映画と原作どちらもチェックするのがオススメ
映画版は上映時間が152分、原作が児童文学だという点から考えるとかなり長い作品になっています。ですが原作は映画の印象をも超える全464ページもあり、映画では描ききれなかった細やかな設定や、地名・名称など気になるポイントがいくつか出てきます。映画を見るだけだと、なんだか腑に落ちないことでも、その後に原作を読み返せば何かの伏線だったことに気づくはずです。
ハリー・ポッターシリーズをじっくり楽しみたいのなら、映画のあとに原作を読んで気づかなかった伏線をチェックするのがオススメです。