『進撃の巨人』23巻を徹底考察!アッカーマン一族の謎やマーレ国の事情とは?

あれから4年後の23巻では、マーレの内部事情やアッカーマン一族に関しての情報、ジークやライナーたちが中心で描かれています。空白の4年の間にいったい何があったのでしょうか。新しい巨人の情報や、様々な考察も含めて紹介します。

物語の舞台は、22巻から4年後のマーレ国

対巨人技術の飛躍的進歩


進撃の巨人(23) (出典:Amazon)

『進撃の巨人』23巻での物語は、22巻から4年後のマーレ国主体で展開されています。エレンたちのいるパラディ島への攻撃は、超大型巨人を失ったこと、獣がリヴァイに瀕死状態にさせられたことなどを含め、一時休戦というかたちにしたようです。

そしてその後は、マーレ以外の国々で連盟されたであろう「中東連合国」と、マーレとの4年に及ぶ戦争が繰り広げられていました。結果、マーレ側の勝利でしたが、鎧の巨人は敵艦からの砲撃で、重傷を負わされてしまったのです。

これまでの鎧は、まさに盾となる存在でエレンたちも苦戦していましたよね。しかし、その鎧さえも砕く勢いは明らかに技術が進歩したことを意味しています。中東連合が敗北したとはいえ、周辺諸国はその科学の進歩を称えたのです。

パラディ島で何がおこったのか?

この危機的な状況を打破するため、通常兵器の開発とともに、パラディ島攻撃による「始祖の巨人」奪還計画が再開されます。計画再開により、再びパラディ島が追い詰められるのでは?と思われますが、実はこの3年間で、パラディ島に向かった駆逐艦を含む32隻が消えていたのです。

パラディ島での壁内人類が、何をしたのかは不明です。ジークは、エレンを含む巨人の2体以上が、調査船に立ち塞がったのではないかと予想しています。また、「ガリアード」という名の巨人と、ユミルの情報についても明かされました。

考察1:マーレ国は巨人の力に頼る以外の術がない!?

いずれは巨人の力が不要になる?

80年前、フリッツ王が壁に篭るときに言い残した言葉ありました。「今後、我々に干渉するなら、壁に潜む幾千万の巨人が地上のすべてを平らにならすだろう」(『進撃の巨人』21巻86話から引用)これを脅威に思ったマーレは、「始祖の巨人」を奪還しようと、ライナーやアニ、ベルトルトを壁内に潜入させました。

しかし、そのときには既にマーレでは、巨人の力が絶対ではなくなる日も近いと予想されており、燃料を背景とする軍事力が必要となると考えられていました。そこでマーレは、フリッツ王が宣戦布告したとエルディア人に思い込ませたのです。パラディ島には莫大な化学燃料が埋蔵しているため、マーレの軍事力拡大には必要なものであったこと。

ただ、巨人をも砕く軍事力を得たマーレには、エルディア人の存在は不要になりますよね。だから、宣戦布告をうけたとエルディア人に嘘を伝え、その反感を利用した「始祖の巨人」奪還を計画したのではないでしょうか。しかし、パラディ島制圧失敗、燃料の確保も出来ず軍事力もあがらないまま、巨人の力に頼るしかなかったとも考えられます。

「9体目の巨人」の伏線か?

マーレにはパラディ島制圧は不可欠なので、23巻では再びその議論がされています。このまま、諸国の軍事力が上がりいずれ航空機が発展すれば、空から爆弾が降り注ぐと…。そうすれば、

「大地の悪魔たる巨人は、ただ空を見上げ続ける他なくなるでしょう」

出典:『進撃の巨人』23巻93話から引用

上層部は、今後巨人の力ではなく、それを上回る「化学武器」たる軍事力が必要だとわかっています。しかし、パラディ島から得られる資源がなければ、それも叶わないと。だからこそ、再びパラディ島への攻撃を再開しようと考えているんですね。

ただ、ジークはあくまでも「始祖の巨人」奪還を掲げています。軍備再編までの時間稼ぎと言っていますが、もしかしたら、ジークには「始祖の巨人」を奪還しなければならない理由が、他にあるかもしれませんね。

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2017.04.28

考察2:アッカーマン一族について

アッカーマンは化学の副産物だった!

アッカーマン一族に関して、23巻で「巨人化学の副産物」という表現が出てきました。副産物というのは、産物を作る過程で出来たもので、アッカーマン一族がまさに、その副産物というものです。また、王家の伝承のみの存在であるということも明かされました。

巨人化学の副産物というのは、巨人の研究を進めていて偶然に出来たということでしょう。あまりに高い戦闘能力があったため、王家を守るためだけの存在であり、能力を揺るがせないないため、単一の血統のみで子孫繁栄が許されたとも考えられます。現在までに分かっているアッカーマン一族は、リヴァイ、ミカサ、ケニー。そして、ミカサの父やリヴァイの母の5人です。そのうちの3人は、既に死亡しているので、リヴァイとミカサの二人だけ。

しかし、ミカサの母は東洋人であり、リヴァイの母は娼婦をしていて、客との間に生まれたのはリヴァイなので、両方とも純粋な血統ではないということになります。よって、アッカーマンの一族は単一の血統でなくとも、その戦闘能力には影響がないのかもしれませんね。

ジークをも恐れる脅威の戦闘力

また、アッカーマン一族は王家の懐刀でしたが、王が過去の歴史を根絶するため「人類すべての記憶を操作」すると、王家に背を向けたのです。人類は、王の力によって人類は記憶を塗り替えられましたが、アッカーマン一族には、その力は及びませんでした。

もはやアッカーマン一族は、過去の歴史を知る者として、また巨人をも恐れない戦闘力も、王家にとって脅威でしかなくなってしまったのでしょう。王家はアッカーマン一族を根絶やしにかかります。その後、一族の子孫を守るため、アッカーマンは歴史を伝承してこなかったのです。リヴァイが自分の性を知らなかったのも、そんな理由があったのかもしれません。

そして、23巻ではジークがアッカーマン一族に関して語っています。

「巨人化学の副産物。アッカーマン一族と思わしき存在が、少なくともふたり。…正直、奴にはもう会いたくありません」

出典:『進撃の巨人』23巻93話から引用

あのジークにここまで言わしめるアッカーマン。リヴァイがエルヴィンと約束「獣は俺が仕留める」のを守るとしたら、この先のリヴァイと獣の巨人バトルにも注目ですね。

考察4:ジークが王家の血筋を隠す理由は?

ジークは王家の血を引いていますが、それを隠しておきたい理由があるようです。ジークの脊髄液を投与されたエルディア人は、ジークが叫ぶことで巨人化して言うことも聞き、月があれば夜に動くことも可能なのです。歴代の獣の巨人継承者には見られなかったことで、ジークはまるで「始祖の巨人」かのような特別な存在であるとしています。

そして、部下からは「王家の血を引いているわけでもないのに」という疑問すら上がっていました。

上層部の話し合いの場では、グリシャの行いに終止符を打つのは息子である自分だと話していますが、グリシャが「進撃の巨人」をパラディ島に持ち込んだことの終止符なのか、それともグリシャの願いを果たすための終止符なのでしょうか…。王家の血筋を隠しているのも、「始祖の巨人」奪還にこだわる理由と、繋がっているのかもしれませんね。

考察5:ライナーが真実への糸口となる?

マーレはエルディア人を利用するために洗脳している?

マーレはエルディア人を洗脳して、壁内の人類がどれだけ悪なのかを叩き込んできたので、悪いことをした悪魔の血が流れていると思わせ、王と壁の中の人類を憎むように仕向けているのです。また、21巻では王の立場を悪用されたことも描かれています。

「このたびマーレはパラディ島に逃げた悪の化身フリッツ王から宣告を受けた。近くエルディアは世界を支配し再び恐怖でこの大陸の覇者をして君臨すると!!」

出典:『進撃の巨人』21巻86話から引用

しかし、「彼らも同じ人間」だと思っていることが、ライナーの回想から伺われます。ライナーは、実際にパラディ島に5年間潜入していましたが、その間「戦士」であることを忘れることもあったといいます。実際に、ベルトルトとエレンをさらって森に隠れていたとき、自分が「兵士」だと錯覚を起こしていましたよね。

これは、壁の中の人類も祖国の仲間も、「同じ人間」だから、疑問すら感じなかったのでしょう。さらに祖国へ戻ると、「本当に彼らと戦う必要があるのか」という、違和感を感じたのかもしれません。

ライナーの思いを知るほど切なくなる

ライナーが家族に語ったのは、壁の中の人間は悪魔で残虐非道な奴らで、「突然芋を食いだした女がいた」、「便所に入るなりどっちを出しにきたのか忘れるバカ」。「自分のことしか考えない不真面目なやつ」、「人のことしか考えないクソ真面目なやつ」。

「色んなやつがいて、俺達もいた」

出典:『進撃の巨人』23巻から引用

そこにいた頃は、まさに地獄だったというライナーにとって、戦士であることを忘れてしまう、祖国のための任務を忘れてしまうほど、楽しかったということなのでしょう。

それでもライナーの寿命も近づく中、自分にはもうどうすることも出来ないと思っているのでしょう。「エルディア人を戦争から解放したい」という思いを、訓練生のファルコに託したのです。姪のガビが戦士として強くなればなるほど、壁の中の人類を憎めば憎むほど、ライナーの心は引き裂かれていました。その思いを知るほどに、切なくなりますね。そして、ライナーがこう思う理由は、今後明かされる”父親”との関係にもあるようです。

考察6:巨人の新たな情報

23巻では「ガリアード」と呼ばれる、新しい巨人が登場しています。このガリアードという人物は、ライナーやベルトルトたちの同期で、かつて顎の巨人の力を継承していました。当時「始祖の巨人」を奪還するため、ライナー=鎧、アニ=女型、ベルトルト=超大型、そしてマルセル=顎の4人が、巨人の継承者として選ばれていました。

そしてついに作戦決行するため、4人は壁に向かいます。しかし、本来ライナーは巨人の力を継承するに値する素質はなく、マルセルが弟のガリアードを守りたいから、ライナーが選ばれるように操作したことを知ってしまったのです。そこに、無知性のユミル巨人が現れ、ライナーを庇ったマルセルが犠牲となってしまったのです。

ユミルはその時、顎の巨人の力を手に入れました。しかしその数年後、自分の意志でライナーたちに同行し、自分の意志を以って、自分が捕食してしまったマルセルの弟ガリアードに、その力を返したのです。ガリアードが顎の巨人の力を継承したということは、ユミルの死も確定されたということですね。

片足を失った負傷兵士の正体は誰?

今度は壁の中の人類が先制攻撃?

23巻では、マーレの内部事情やライナー、ジークなどが中心となった展開で進んできました。しかし、空白の4年間にパラディ島で何が起こっているのか、エレンたちはどうやって、32隻もの駆逐艦や調査船を沈めたのかも謎のままです。巨人の力を以ってすれば、そのくらいは簡単なことに過ぎません。

また、22巻でエレンたちが「海の向こう側」をしった今、「海の向こうの敵を全部殺せば自由になれるのか」と言っている以上、かならず動くはずです。マーレがやったことと同じように、エレンたちもマーレに潜入しているかもしれません。

それを示唆するようなシーンも23巻94話で描かれているのです。中東連合との戦いに勝利し、本部レベリオに戻れることが決まったライナーや姪のガビ、そして訓練兵のファルコたち。本部に帰る前に、街を回ろうという彼らの跡をつけていると思われる人物。

その人物は、右腕に腕章をつけた黒髪の男。ライナーたちの姿を見つめるように立っています。マーレでは、腕章は左腕につけるものなので、これだけでも目立ちます。

不自然な負傷者はパラディ島の人類か?

そして、夜行列車に乗った翌日、レベリオに到着し家族に出迎えられたライナーたちの横を通ったのが「心的外傷を負った、身寄りのないエルディア人」です。

長いこと前線で塹壕を掘っていると、心的外傷を負ってしまうとのこと。病院へ向かう兵士が脅すと、彼らは怯えて狂ったようになってしまうのです。しかし、その中でひとりだけ、心的外傷を負っているように見えない人物がいるのです。その人物は、膝から下の左足がなく、左目が包帯で覆われていて、伏せがちにしているので、顔が確認できません。

でも、先ほどライナーたちを見ていたであろう人物と同じだといえるのは、腕章の位置です。この人物も右腕に腕章をつけていて、ファルコから腕章が逆だと、付け直されています。エルディア人兵士であれば、腕章の位置を間違えるのは命取りになるはずなので、それを知らない人物だとすれば、よそ者ではないかと考えられます。

まして、エレンが「海の向こうのやつらを全部…」といっているので、先制攻撃を掛けているのかもしれません。そして、右腕の腕章は壁の中の人類を示す、手がかりにしているとも考えられますね。さしずめ、この人物は黒髪の男性ということで、エレン、もしくはリヴァイである可能性も高いのではないでしょうか。

まとめ

いよいよ、マーレとの大規模な戦いが予感されます。また、中東連合に「鎧」をも貫く武器が開発されているとも明かされました。もし、パラディ島の人類が、中東連合らと手を組んでいたとすると、アニの硬質化も簡単に崩すことができているはずなので、その辺りも気になるところですね。

ジークは再び「始祖の巨人」奪還を重要視していますが、一体何が狙いなのでしょうか。ライナーの戦争からの解放への思いを、ファルコはどう実行に移すのか。あの、負傷兵の正体はいったい誰なのか……。さらなる謎の解明と考察が進みそうですね。