スクウェア・エニックス史上最も売れたと言われている『鋼の錬金術師』。全27巻で累計発行部数は7000万部超という驚異的な記録を打ち立て、2000年代を代表する漫画でした。連載終了から早7年…。実写化は不可能と言われていたハガレンですが、とうとう実写化!実写化につきものの「キャストはイケてるのか!?」問題を徹底解剖!
記事の目次
原作『鋼の錬金術師』はこんなにスゴい漫画!
まず、原作『鋼の錬金術師』の凄さを一旦語らせてください。『鋼の錬金術師』『ハガレン』という名は、漫画ファン・アニメファンならずとも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。累計発行部数は全27巻で7000万部超。2000年の連載開始から10年をかけて締めくくられた壮大な世界観を持つ物語は、まさに2000年代を代表する漫画と言って過言ではありません。
掲載誌は、スクエア・エニックスの『月刊少年ガンガン』。当然、当時のガンガン紙上では最も人気がある作品でしたが、どこかの少年誌のように人気があるからといって無駄な引き延ばし作戦はせず、人気絶頂の中、もうこれしかないというラストを迎えます。
その記念すべき最終回の掲載誌(2010年7月号)は、通常の2割増しの発行部数を用意していたのにも関わらず、あっという間に売り切れてしまい、最終回が読みたいのに読めない難民を生み出すという事態に!読者の悲痛な叫びにこたえ、急きょ9月号にも同じ内容の最終回を再掲載するという異例の対処を行ったんです。
実写化不可能と言われていたハガレンはなぜ実写化されるの?
海外の映像技術から遥かに遅れをとっていた日本。ハガレンの場合も、かなり巧みなCG技術が必要であることから、日本での実写化は不可能と言われていました。しかし、連載終了から7年という時を経て、実写化されることが決定!今、なぜ実写化が実現したのでしょうか?
それは、監督の曽利文彦の映像技術の昇華にあります。曽利監督は、1997年の映画『タイタニック』にCGアニメーターとして参加したり、2002年の邦画『ピンポン』の監督も務めています。その監督がハガレンを映画化したいと思ったのが10年以上前。やっとハガレンの世界観を表現できる技術が完成されてきたというわけです。
エドワード・エルリック役:山田涼介
主人公のエドを演じるのは、「Hey! Say! JUMP」の山田涼介。原作ファンからは「またジャニーズアイドルが主役か…」と批判的な声も聞かれますが、予告編を観る限りは、その姿はまさにエド!原作のエドほど身長が低いわけではありませんが、山田の身長は164㎝ということで、男性としては低めなので、立ち姿はハマっています。山田は顔立ちも中性的なのでピッタリですね。
ちなみに、山田は第39回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞しています。受賞作品は『映画 暗殺教室』。おや、こちらも漫画実写化作品ですね。ヌルフフフフフフ…(もとい!)。
アルフォンス・エルリック役:CG(声=不明)
2017年7月現在、ハガレン実写化キャストのほとんどの名前が発表済みの中、エドの弟・アルだけは、誰が声を演じているのか、未発表です。ちなみに、姿・形はもちろん曽利監督渾身のCGを駆使!予告編を観る限り、完成度は素晴らしく、原作と違和感のない仕上がりになっています。
ちなみに、アニメ版『鋼の錬金術師』のアルの声を演じたのは、人気声優の釘宮理恵。実写版予告編のアルの声は、やや低い声で、釘宮の声とは違うよう。誰が中の人を演じているのか楽しみです。
ウィンリィ・ロックベル役:本田翼
エドとアルの幼馴染で、エドの機械鎧(オートメイル)を担当している技師でもあるウィンリィを演じるのは、本田翼です。この本田翼の配役については、「んんん!? ちょっと違和感あるのでは~」と思った方が多いようで、去る7月12日のイベントでも本田翼=ウィンリィと発表された瞬間、会場がざわついたとかざわつかなかったとか…。
確かに、本田翼はウィンリィのイメージではありませんが、実は本人自身がハガレンの大ファンだったんだそう。そのため、逆にかなりのプレッシャーを感じて演じたそうなので、同じ原作ファンとして温かく見守ってあげたいところ!
ロイ・マスタング役:ディーン・フジオカ
ハガレン原作者の荒川弘は単行本15巻で、当時はまだ遠き日だったはずの実写化キャストについて理想を述べています。そこでマスタング役は、なんと全会一致でミッチー(及川光博)に決定!確かに!女性好きで王子~な雰囲気のマスタングは、ミッチーならピッタリですね。
が!実際に決定したのは、今を時めくディーン・フジオカ。まあ、これはこれで…というか、筆者としては、ミッチーよりもディーン・フジオカのほうが好みです!解禁されているビジュアルを見ても、これはまさにハマり役!
マスタングは原作の中でも人気があるキャラ。予告編を観ても、ディーン・フジオカのマスタングを観に映画館に足を運んでもいいかな…と思わせるほどの色気があります。
色欲のラスト役:松雪泰子
錬金術によって生み出された人造人間(ホムンクルス)の配役には、まさにそのまんまと拍手喝さいが送られているようですよ。その代表格が、色欲のラストを演じる松雪泰子。ヤバい!この色気は半端ないです!
予告編での「一回死んじゃったじゃないの…」というセリフも、ああ!原作のイメージのまんまっス!ラストのヒュンと伸びる爪もイメージのまんまで素晴らしい仕上がりでした。
嫉妬のエンヴィー役:本郷奏多
本郷奏多。子役時代から活躍しており、その独特のアンニュイな雰囲気と高い演技力で、最近では漫画原作の実写映画に次々と出演を決めている実力派の俳優です。
ちょっと顔や雰囲気が神木隆之介に似ているんですが、神木隆之介が陽なら、本郷奏多は陰。本郷奏多にしか出せない雰囲気が、嫉妬のエンヴィーにピッタリとハマります。役作りもかなり熱心にするタイプのよう。本郷奏多のエンヴィーを早く見てみたいですね。
暴食のグラトニー役:内山信二
すぐに「食べていい?」と人間を食べたがる暴食のグラトニーを演じるのは、内山信二。まあ、これは見た目以外に決定打がないというか…もう見た目でしかないでしょう。演技力はたいして必要ないような気もしますが、温厚なグラトニーが豹変する場面が実写版にあるのか…期待したいと思います。
ヒューズ中佐役:佐藤隆太
原作の前半、かなり人気があるお茶目なヒューズ中佐を演じるのは、佐藤隆太です。ちょっと原作ネタバレすると、気骨があってお茶目で家族思いで愛されるキャラだったヒューズ中佐は、何者かにかなり冒頭で殺されちゃいます。愛されキャラなので、佐藤隆太が演じるというのはピッタリかも。
ホークアイ中尉役:蓮佛美沙子
マスタング大佐の忠実な僕であるホークアイ中尉を演じるのは、蓮佛美沙子。2006年に活動を開始し、2015年に漫画原作のドラマ『37.5℃の涙』で初主演を果たし、2016年にはNHKの朝ドラにも出演を果たしたという、今伸び盛りの女優です。
決して美人ではないけれど、しゃべると存在感のある演技で人を惹きつけます。クールビューティーのホークアイ中尉をカッコよく演じ切ってほしいですね。
ショウ・タッカー役:大泉洋
実写映画でキーパーソンになるというショウ・タッカーを演じるのは、大泉洋。ショウ・タッカーは国家錬金術師でしたが、自分の娘と飼い犬とを合成しちゃうという人ではない心の持ち主。決してギャグ要員ではありません!が…、大泉が演じるとなると、どうしてもギャグ要素のイメージがぁぁぁ…。
原作ファンの間では、逆に、なぜにショウ・タッカー役が大泉洋なのかを映画館に確かめに行きたいぐらいだと息巻いている方もいるほどです。ただ、2016年公開の『アイアムアヒーロー』での演技は良かったと思うので…頑張れ!大泉洋!
2017年12月1日公開!見どころはCG&心動かされるドラマ
ハガレンは日本のみならず、世界で愛されている漫画です。これを実写化するとなると、半端なものを作っては批判されるだけというのは、誰よりも監督やキャストらが理解しているはず。
予告編を観る限り、映像の迫力はすさまじく、さすが10年温めただけのことはあるCG技術が光っています。そして、監督が一番の見どころに挙げているのは、やはりドラマ性。ハガレン原作も、ダークファンタジーという分野に分類されてはいますが、多くの人の心をつかんだ最大の理由は、キャラたちが一人ひとり生きてそこにドラマがあるからです。心があるものに人は感動します。
実写映画は、原作通りには描いていないということですが、原作世界を深く理解しているメンバーたちによってつくられた新たなハガレンの世界がどんなふうに展開していくのか楽しみです。