『BLUE GIANT SUPREME』の舞台はドイツ!海外編も今後の展開に期待が高まる





石塚真一の漫画『BLUE GIANT』は、全10巻で仙台編・東京編を終えました。その後、大は明確な意思「世界一のサックスプレーヤーになる」をもって、ドイツのミュンヘンへ。漫画『BLUE GIANT SUPREME』は、大の海外での活躍を描きます。大はいかにして世界一に登りつめていくのでしょうか!? 2巻までの内容から見どころを紹介します。

漫画『BLUE GIANT SUPREME』とは?


BLUE GIANT SUPREME 1(出典:Amazon)

漫画『BLUE GIANT SUPREME』は、全10巻で一応の結末を迎えた『BLUE GIANT』の続編です。2016年より『ビックコミック』にて好評連載中。2017年7月現在、既刊2巻。『BLUE GIANT』10巻でトリオ「ジャス」の活動を終え、衝撃的な結末を迎えた大。様々な出来事を通し、海外を回っていろんな音楽に触れることで世界一を目指すことに。

『BLUE GIANT SUPREME』で大はまずドイツ・ミュンヘンに降り立ちます。果たして大の音楽はドイツでどのように響き、どのように受け入れられ、そしてどのように世界一になっていくのでしょうか。

熱い!JAZZ漫画『BLUE GIANT』は心動かされ勇気をもらえること必至!

2017-07-09

舞台はドイツ!見どころも名言も満載

漫画『BLUE GIANT SUPREME 』は2017年7月現在既刊2巻。まだまだこれから物語が展開していくという序章も序章…。ということで、まずは見どころを探っていきたいと思います。

なぜドイツ!? 日本人=マイノリティ

『BLUE GIANT』10巻でも由井が語っていましたが、Jazzの本場はアメリカ。大は敢えてそのアメリカを外し、他の国の音楽に触れてみたいということで由井におすすめの国を聞き出します。そして、選ばれたのは、なんとドイツ!ドイツといえば、クラシックの本場。クラシックとJAZZ…。全く違うジャンルになります。一体、どうしてドイツを選んだのでしょうか?

おそらく、ここは作者・石塚が、大に試練を与えたかったからなのかと。1巻で大はドイツ・ミュンヘンに降り立ちます。着いたその日にサックスを吹くと決めていたものの、ドイツで大は信じられないほどのマイノリティーでした。警察に職質されたり、バーで演奏したいと申し出ても「アジア人だから」という理由で断られたり…。そんな状態が3話後半まで続きます。

欲しかったのはこの暗さではないか、と思うのです。例えば、音楽に開けた国、他国の文化にも鷹揚な国であるとするなら、東京である程度実力をつけ認められつつあった大にとっては何の試練にもならないのではないでしょうか。実力があろうがなかろうが、アジア人は否、と言い切ってしまう、この国の手詰まり感が物語をより面白くしています。

ドイツでも大は大!基本を繰り返す・続ける!

『BLUE GIANT』の物語に説得力を持たせているのは、主人公の大がどんな時もひたむきに音楽と向き合う姿です。継続の大切さは、世の大成した人たち皆が口を揃えて唱えていますね。

『BLUE GIANT SUPREME』でも、様々な新たな出来事が起こりつつも、大がひたむきに練習を続ける姿が描かれています。この大の練習の描写はきっと、『BLUE GIANT SUPREME』が最終章に入ったときにも描かれることと思います。きっとどんなに偉くなっても、世界一のサックスプレーヤーの称号を得たとしても!大は基本を繰り返し、続けているはず!

大の求心力!大成する人は人を集める!

1巻の4話以降、大に風が吹き始めます。それは留学生・クリスとの出会い。最初、クリスが出てきた感じがいかにも感がスゴクて、ちょっとご都合主義すぎなんでは?と懐疑的になってしまったんですが、読み進めていくと、然もありなん。これは、大の求心力が原因だと思えるように。

要するに、大成する人は、魅力的なわけです。魅力的な人には人が集まる…当然のことですよね。東京時代の大には、まだそれが無かったわけですが(どちらかと言えば雪祈に求心力があった…)、ドイツへの武者修行を一人決めた大には、徐々にその力が備わってきた、ということです。

名言多っ!作者・石塚が語りたいことがここに!

仙台編・東京編を描いた『BLUE GIANT』にも名言はかなりありましたが、『BLUE GIANT SUPREME』では、さらにその名言に磨きがかかっています。

例えば、1巻のクリスの名言「いつか世界一になれる奴と、知り合えたらステキだなって(『BLUE GIANT SUPREME』1巻4話より引用 」。これはドイツに来て誰にも相手にされなかった大が、えらく親切にしてくれるクリスに対して「どうしてそんなに優しくしてくれるのか?」というようなことを聞いたときに、クリスが返答した内容です。クリスは他にも1巻末で「私が今日もジャズを聴いているのは、彼がジャズの入り口にいたからだ」や、2巻10話で「世界はこうして回さなきゃなって、そう思ったんだ」などの名言を残しています。

他にも1巻8話ではタクシードライバーの人が「ボクはドライバー。運転し続けるだけ。君は吹き続けるだけ」や、2巻16話で楽器店のボリスが「毎日やってくる彼が、小さな花を届けてくれてるような気がするんだ」など他にも多数の名言が!おそらく、石塚先生が世間に向けて、読者に向けて、言いたいことがギュッと詰まったものが名言となっているのだと!気になる方はぜひ本編をチェックしてください。

1巻より2巻が面白い!加速度増す感じは『BLUE GIANT』同様!


BLUE GIANT SUPREME 2(出典:Amazon)

石塚先生の本は、1巻よりも2巻が、2巻よりも3巻が…とどんどん巻を追うごとに面白くなるという傾向があります。『BLUE GIANT』同様、『BLUE GIANT SUPREME 』も既刊2巻にしてすでにその傾向あり!

1巻では主人公の大自身が迷いの中にあったというのもありますが、仙台編や東京編では見られなかった停滞の空気が…。海外に来てどう動こうか、どの方向に行けばいいのか、と模索したのが1巻でした。

そして、2巻前半。大は仲間を求めてジャズ・バーを彷徨います。やはりジャズをやり続けるには、仲間が必要ということに気づいたんですね。バンドを組むと決めてからの大は猪突猛進!その大の気持ちに沿うように物語も加速度を増します!大きなうねりを持って進む物語。この中に一度入ってしまえば、もう抜け出すことはできません!

現時点でまだ2巻!今後の展開に期待度Max


出典:BLUE GIANT‏公式Twitter

漫画『BLUE GIANT SUPREME 』2巻は、とうとうベーシストのハンナが大の前にあらわれます。彼女を探し出すために尽力したのは、大が訪れたハンブルクの楽器店店主・ボリス。ボリスは大が店内で発した「こんなにいいサックスがたくさん…」という言葉が心に引っかかり、そして、大の吹くサックスを見ただけで、大に協力することに。

こうやってどんどん、大の周囲には大の魅力に魅了され、大のサポーターとなる人たちが集まってくるのでしょう。これからどんな温かい出会いが大を待っているのか、とても楽しみですね。そして、大に影響され、屈折したベーシスト・ハンナがどう変わっていくのかも、興味があります。大は、玉田や雪祈に多大な影響を与えました。大に関わった人たちは皆、何らかの影響を受けているのです。石塚先生の本なら、3巻・4巻と巻数を追うごとに面白くなることは必至。今後の展開に期待度Maxですね。