吉原最強の番人と恐れられる『銀魂』の月詠。『銀魂』に登場する女性キャラでも強さではかなり上位に入るキャラですが、時折見せる天然ボケな部分や吉原育ちなのに妙に純粋な部分がファンから人気となっています。特に最近銀時との距離が急に近づいたという噂もあり…!?こちらではその点について考察していきます。
記事の目次
吉原の最強の番人・月詠とは
月詠は2月9日生まれ、地下都市「吉原桃源卿」の自警団「百華」の二代目の頭領で、「死神太夫」の異名で恐れられる吉原最強の番人。 大きくスリットの入った衣装を着用し、網タイツにブーツというかなりセクシーな外見、まさに「スレンダー美女」という形容が似合う女性です。廓詩(くるわことば)を用い、語尾に「~ありんす」や「~ぞ」などをつけた喋り方が特徴です。
いつも煙管をくわえており、武器はクナイや短刀。戦闘能力はかなり高く、男性にもひけを取りません。最強の番人、死神、などと言われる反面、吉原から逃げ出そうとした遊女たちを粛清と称して百華に紛れこませて迎え入れるなど、その姉御肌的性分に惹かれ慕う者はとても多いです。
月詠は幼いころ吉原に禿(かむろ)として身売りされてきました。吉原の体質が合わなかった彼女は辛い日々を過ごしていましたが、そんな時に日輪に救われ、彼女を護るために生きようと決心します。そのために、遊女にならないために自ら顔に傷をつけ、女であることを捨てて吉原の番人となったのでした。そんな彼女でしたが、銀時と出会ってからは徐々に内面に変化が表れ、特に恋愛面に関してはウブだったり奥手だったり、かわいらしい一面を見せる場面も多くあります。しかし総じて自分の立場を常にわきまえ、行動することのできる大人の女性です。
月詠のかっこいい・かわいいシーンを振り返ってみる
初登場は「吉原炎上篇」
月詠の初登場は、アニメ第139話「財布は尻ポケットに入れるな」でした。吉原で遊女たちにちょっかいをかけ、暴力を振るおうとした男客たちをあっという間にクナイで一掃する月詠。「薔薇にはそっと触らねば、トゲがささるぞ」そう言い捨てるシーンは本当にかっこいいです。この139話から146話までは「吉原炎上篇」となっており、銀時や月詠らが鳳仙から吉原を解放するまでが描かれています。
銀時らを鳳仙のもとへ行かせるために、仁王立ちになり百華の部隊をたった1人で食い止めるシーンはインパクトがありました。そしてその姿は百華の女性たちの心をも動かします。たとえ上に逆らうことになっても、月詠についていく、そんな様子からも月詠という人がいかに彼女たちから慕われていたか、人望が厚いかがうかがえます。
尊敬する師匠との対決を描いた「紅蜘蛛篇」
「紅蜘蛛篇」では、月詠は自分の元師匠・地雷亜と戦うことになります。地雷亜の異常とも思える月詠への執着、そしてそのことによる屈折した様々な思惑によって翻弄され、傷つけられ、酷い仕打ちを受けても決して折れることのなかった月詠は本当に強くてかっこいい人だと思います。そんな仕打ちを受けてもなお、師匠の全てを受けとめ、文字通り彼を背負って、最期を見届けました。
「弟子を荷ごと背負うのが師匠の役目なら、弟子の役目はなんじゃ?師を背負えるまでに大きくなることじゃ」は、彼女の名言だと思いますし、これには銀時すら「俺にはできない」と言わせるほどでした。
晴太のためにキャラ弁作りに奮闘
月詠というとシリアスな長篇に出演することが多いせいもあってどうしても彼女には「闘う」イメージがついて回りますが、解放された後の吉原では平和な日常を送っている姿が時々描かれています。特に印象的だったのが、アニメ第278話「母ちゃんの弁当はいつもつめすぎて若干潰れている」でみせた、晴太のためにキャラ弁(作中ではデコ弁)作りに挑戦するシーンでしょうか。
月詠は戦闘も強いですが、細やかな気配りのできる大人の女性なんですよね。ここでも、晴太がどうしてお弁当を残してきてしまうのか悩む日輪に対して的確な考察とアドバイスをするあたりはお見事というしかなく、また晴太も感心しきりでした。ところがいざお弁当を作り始めると、料理の本と首っ引きだったり流行りはキャラ弁となるとそこにこだわったり、本物のクナイを入れてしまったりと、ちょっと一般常識からずれた天然ボケの部分を発揮しています。
こういうたまに見せるかわいい部分が月詠の人気を押し上げている理由でもあるんだなと思います。日輪に「銀さんに嫌われちゃうよ」と言われて顔を真っ赤にするところもかわいいです。
銀時との恋の行方は?ファンの間でも騒然となった「愛染香篇」について考察してみる
「愛染香篇」までの月詠の銀時への恋心の表れ方
月詠は銀時に対して特別な感情を抱いている、ということが分かるシーン時々みられます。猿飛あやめほどストレートではないですが、からかわれて顔を赤らめたり、銀時をかなり意識をしているらしいということは、視聴者には結構はっきり分かるように描写をされています。
特に「紅蜘蛛篇」では「これ以上、わっちの心をかき乱すな」と、銀時といると捨てたはずの女の部分が出てしまうと暗に言っているシーンがあり、これは相当彼女の気持ちを表した部分と言えますし、逆にここまで言われて気持ちに気づかない男性もいないのでは?と思えます。
銀時が月詠を口説いたセリフは本心か否か
「愛染香篇」はコミック第55巻に収録されていますがアニメ化はされていませんでした。ところがコミックの第65巻・66巻にそれぞれ前編と後編を収録したDVD梱包版が発売されたのです。それほどに、ファンから「このエピソードは是非映像で見てみたい」という反響が高かったのでしょう。
とりわけファンの間でも話題となっていたのが、銀時が月詠を口説くシーンです。「俺の女に手ェ出すな。死神太夫は俺の永久指名だ、誰にも指一本触れさせねェ」「お前が望むなら、俺はお前だけのものになってもいいよ」など、見ているこちらが恥ずかしくなるほどのイケ台詞のオンパレードでした。これは惚れ薬のせいでしょ?と片づけることもできるのですが、ただ、よく見てみると銀時は見境がないようで、ちゃんと月詠だけは区別しているようなのが気になります。
とどめは「やっぱダメだ。ホントに口説きてェ女はいつもみてェにいかねェや」という台詞。これは思わず本心が出てしまったのでは?と憶測するファンも多いです。
ジャンプ掲載時とコミック掲載時で2人のセリフが変わっている
「愛染香篇」ではラストの銀時と月詠のセリフが、ジャンプ掲載時とコミック掲載時で変わっていたこともファンの間では話題となりました。ジャンプ掲載時は銀時が「ただでさえ、こっちはいっつもどっかのバカに副流煙まき散らされてんだからよォ」と言っていたのが、コミックの方では「むせるのはどっかのバカがまき散らす煙管の煙だけで充分だ」となり、また月詠も「ぬしの隣で」と言っていたのが「お前様の隣で」になっているのです。
「副流煙」の時点では、彼の周りでタバコ等を吸うキャラが何人かいたためにこの「どっかのバカ」が誰のことをさすのかはっきりしませんでした。ところが「煙管の煙」と改変されたことで、キャラがかなり限られてくるわけです。というかこれはほぼ目の前の月詠のことだと言っても良いでしょう。そしてさらに「で充分だ」と言って、その煙だけは容認してるという意味なんですよね。
そして月詠の「お前様」、これもちょっと驚きでした。普段誰に対しても「ぬし」と言っていた彼女がこのときだけ「お前様」と呼び、隣にいられるだけで充分、というのです。これは月詠なりの、今の彼女にとって精一杯の告白というか、気持ちを銀時に伝えた言葉なのでは、と思います。
月詠を演じるのは声優の甲斐田裕子
『銀魂』アニメ版の月詠を演じているのは声優の甲斐田裕子です。甲斐田は主に洋画の吹き替えや舞台などで活躍していましたが、アニメ『一騎当千』の呂蒙子明役が高評価だったことをきっかけに、アニメ作品への出演も増えてきました。クールで強気、姉御肌なキャラを担当することが多いです。月詠もまさにそんなイメージのキャラです。
『銀魂』以外では、『ガラスの艦隊』のミシェル=アシール=ヴォルバン=ド=カベル役、『怪物王女』のリザ・ワイルドマン役、『メカクシティアクターズ』のキド / 木戸つぼみ役、『機動戦士ガンダムUC RE:0096』のマリーダ・クルス役などがあります。また、海外映画の吹き替えとしては、アン・ハサウェイ(『プリティ・プリンセス』シリーズなど)、レイチェル・ワイズ(『コンスタンティン』、『オズ はじまりの戦い』など)を担当しています。
月詠と銀時の関係は今後どうなる?月詠についてまとめ
ここまで『銀魂』月詠について、主に銀時との関係を中心にまとめました。銀時は主人公ですし、特定の誰かとくっつくという可能性はあまりないのだろう、とは思いますが、他の女性キャラと比べ、月詠が銀時に一番近いところにいるのかなとは思います。
それは恋愛という意味ではなく(それもあるかもしれませんが)精神的なよりどころとして、銀時にとっては自分の抱えているものを少し吐き出せる相手として、そして月詠も銀時に対しては頑張らなくてもいいという意味で、お互いがお互いをフォローできる関係性として。
でも精神的に近いところにいる存在というのはその人にとって最も大切な人、ということになるのかなとも思います。今後の月詠の活躍、そして銀時との関係にも注目です。