バスケ漫画といったら長い間ファンに愛され続けている『スラムダンク』という方が多いのではないでしょうか。現代では多くのバスケ漫画もありますが、これに勝る漫画はないといっても過言ではありません。今回はファンを惹きつけて止まない、『スラムダンク』の名試合の見どころをランキング形式にて紹介していきます。
記事の目次
『スラムダンク』が長く愛され続けるその理由
『スラムダンク』が愛され続けているその理由は、バスケに対してリアルであることが上げられます。近年あるような、絶対出来ないような技や技術が登場しないのです。化け物並みの選手だったり、考えられないような技を繰り出すといったシーンが出てこないのです。だから、実際にバスケをやっている方たちも参考にしやすく、技術も学びやすいのではないでしょうか。そういった意味で、読者にとってとても身近なバスケ漫画なのです。当たり前にありうることが描かれている、それが『スラムダンク』が長く愛されている理由のひとつといえるでしょう。
それでは、読者も白熱して涙を流した名試合を、ランキング形式で解説していきます。
1位「山王戦(IH全国大会)2回戦」湘北79-78山王 25~31巻
何といっても心に残る名試合といえば、山王戦ではないでしょうか。これまでの試合のなかで、最高の試合だったと言ってもいいと思います。山王工業といえば、高校バスケットボールの絶対王者として君臨する強豪校。いつもの湘北と違う印象を山王に与えようとしますが、一時は15点以上もの差をつけられてしまいます。しかし、桜木の「ヤマオーは俺が倒す」という言葉からどんどん追い上げていきます。
何度も逆転を繰り返し、残り8秒というシーンでは、ゴール下で「左手はそえるだけ」の桜木の姿が目に入った流川が、桜木にパスしてシュートが決まり、79対78で王者山王工業を破ったのです。この名試合では、流川から桜木の初パス、そして長い間いがみあっていた二人が互いを認め合った瞬間のハイタッチに、多くの方が涙を流したのではないでしょうか。
2位「陵南戦(練習試合)」湘北86-87陵南 3巻~6巻
これは当時、県ベスト4の陵南高校との試合で、『スラムダンク』にとっても初めての試合となります。陵南キャプテンの魚住は身長2Mほどの大男で、以前の試合で自分を押さえ込んだ赤木へのリベンジに燃えています。桜木は「秘密兵器」という言葉に騙されベンチ入りからの試合スタートでした。
後半は、魚住のエルボーを受け治療する赤木が桜木と交代しますが、序盤はガッチガチ。その後、戻った赤木が今度は流川と交代すると、赤木を見た桜木は「リバウンドを制するものは試合を制す」という言葉を思い出し、晴子からの声援もありシュートを決め得点につなげます。このシュートが仙道に火をつけてしまい、初戦は黒星で迎えました。しかし、この試合は桜木の成長が明らかにわかるシーンでもあります。
3位「海南大戦(IH予選決勝リーグ)」湘北88-90海南 12~15巻
決勝リーグでの初戦は16年連続IHに出場している海南大付属高校。この試合では、赤木の気合の入り方が違いましたね。一進一退の攻防戦が続きますが、計算外の行動にでる桜木が一度はベンチに引き戻されます。しかし、赤木の負傷により再度投入され、流川と桜木がゴール下を死守するという展開で前半が終了。
後半は、テーピングをした赤木が復活し、ガンガン攻めまくりましたが赤木にパスするつもりが、間違えて海南の高砂にパスしてしまい試合が終了しました。桜木のトレードマークとも言える、赤髪の坊主頭はこのパスミスによる敗戦がきっかけとなっています。
4位「翔陽戦(IH予選)」湘北62-60翔陽 10~11巻
翔陽は、ほとんどのメンバーの身長が大きいというのが特徴です。エースの藤真が選手と監督を兼任しており、赤木、桜木、流川、宮城、三井はスタメンでのスタートです。この5人でのスタートはこの試合が初めてで、翔陽はエース藤真が自分が出るほどまでではないと言いたげなベンチスタートという舐めたマネをしてくれました。この試合の見所は、身長さをどうカバーしながらプレーしていくのかというところでしょう。開始早々、点差を広げられますが何とか打開しようとする流川と、宮城の追い込みで点差を縮めていきます。
前半でのリバウンドを晴子に褒められた桜木が調子にのったまま後半がスタートし、湘北の追い上げで逆転するとついに開始6分で藤真が登場すると12点差まで広げられてしまいます。しかし、追い詰められた湘北ですが「こういう展開でこそ俺は燃えるやつだったはずだ・・・」と、今度は三井が覚醒。2点差まで詰め寄ったところで交代し、その後は流川のシュートで逆転。桜木もファールをとられ退場しますが、湘北は2点差を守りきり勝利を収めたのです。この試合では、藤真が湘北を舐めていたのも敗因のひとつかもしれませんね。
5位「陵南戦(IH予選決勝リーグ)」湘北70-66陵南 17~21巻
この試合は、安西先生の体調不良により監督不在のまま、IH出場をかけた大一番です。この試合で負けたらIHには出場できなくなる。桜木もこのとき、坊主になっていて気合の入り方も違います。全回の練習試合では1点差で負けていますが、この試合だけは決してのがすことはできないません。
陵南との練習試合は桜木にとっていい成長材料になっていたようで、この試合では強豪校相手に接戦を繰り広げました。最後、湘北が外したシュートを桜木が拾ってダンクを決め、IHの出場を手にしました。また、すでに出場が決まっている海南は、ベンチで野次飛ばし。かれらのリアクションもまた、この試合の見所となっています。
6位「豊玉戦(IH全国大会)1回戦」湘北91-87豊玉 23~24巻
流川がアメリカ行きを保留にし、気合を入れた全国大会。一方、桜木も2万本のジャンプシュートの特訓を受けて望んだ試合です。豊玉は以前、翔陽 の藤真に肘打ちを食らわせて勝利したこともあり、流川もまたその犠牲となり負傷をにより交代します。また安西先生は、豊玉の挑発に乗るなと赤木と宮城を叱責。治療を終え、片目でコートに戻った流川とともに、真っ向勝負で挑もうと切り替えます。
すると、コーチを無視したプレーを続けていた豊玉は、崩壊状態となり内部分裂してしまいシュートが入らなくなってしまいます。あせる豊玉に対し湘北は、流川の気迫のプレーで10点差で勝利に近づきますが、この時点で湘北に油断が生じてしまいました。豊玉のエースキラー南の意地で、連続3Pを決められてしまいますが、勝利を勝ち取りました。バスケットだけではなく、チームでプレーするスポーツは、監督やコーチも含め信頼し合うことが大事ということがよくわかりますね。
7位「三浦台戦(IH予選)」湘北114-51三浦台 9巻
三浦台高校は打倒海南を掲げるチームで、大きな会場でライバルチームも見ているなか試合がスタートします。桜木と流川、宮城、三井は喧嘩した罰としてベンチスタート。試合序盤で大差をつけられ、二度と喧嘩をしないという条件のもと、4人の出場が認められました。
宮城のスピードと三井と赤木、流川が攻めまくり逆転に成功し勝利を収めました。ただ、桜木は相手のエースの頭にダンクを炸裂させたため退場となり、ここから決勝リーグまでの全試合、出場できなかったのです。
連載当初はギャグ満載だった『スラムダンク』ですが、物語が進んでいく中でギャグ要素も少なくなりました。純粋にバスケを愛し必死で向かい合う姿に共感や感動を呼んでいます。また、この作品からバスケを学んだ方もきっと多いはず。この先も、後世に残したい作品のひとつであることは間違いないでしょう。