ジブリ『思い出のマーニー』に百合要素は全然ない!作品の考察と感想まとめ





2014年公開のジブリ映画『思い出のマーニー』。2017年夏映画『メアリと魔女の花』で話題の米林監督の作品です。公開前のプロモーションでは「百合っぽい!」と騒然となりましたが、実は百合物語では決してない『マーニー』。マーニーの正体が分かると同時に感動が押し寄せてくる『思い出のマーニー』の魅力を徹底解剖!

米林監督2作品目『思い出のマーニー』とは?


思い出のマーニー(出典:Amazon)

2014年に公開された『思い出のマーニー』。米林監督にとっては、ジブリ2作目となる作品。前回の『借りぐらしのアリエッティ』では、本当は監督なんてやりたくなかったのに鈴木Pの策略によって無理やりやらされたような経緯がありましたが、何と『マーニー』に関しては米林監督から「監督やらせてください」と立候補したんだとか。

宮崎監督は既に引退を表明しており、『アリエッティ』の時と違い、完全に米林ワールドが展開された『マーニー』。公開前にプロモーションが流されるようになると、「百合っぽい!」と話題になるほど、女の子に焦点を当てた物語に仕上がっています。が、その内容は実は百合とは全く違うもので…。

ちなみに、興行収入は残念ながら『アリエッティ』には遠く及ばず、35.3億円どまり。ただ、第88回アカデミー賞長編アニメ部門にノミネートされるなど、国内外の作品に対する評価は高いのが特徴です。

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2017-06-27

舞台はどこ?マーニーの正体は?作品の感想

それではまず、『思い出のマーニー』を観た人たちの主な感想を拾っていきたいと思います。みんな、どんなことが気になったんでしょうか?肯定的な感想と否定的な感想、どちらも拾い上げていきます。

感想①決して百合ではないけど、艶っぽい!

米林監督が監督をやりたいと希望して実現した『思い出のマーニー』の映画化。米林監督が監督をやりたいと言った時点では、何をやるかまでは決まっていなかったそうです。なぜ『思い出のマーニー』に決定したかというと、やはりそれは米林監督のアニメーターとしての実力を買われたから!

『思い出のマーニー』のプロモーションが流れ始めたときに「百合っぽい」「まさかジブリが百合を!?」と騒然となりましたが、実は全く百合展開ではないんです。とは言っても、前半部分は「百合展開♪」と思って萌えながら観たという方も多いよう。それほど、マーニーとアンナは魅力的であり、強い絆で結ばれているんです。でも、二人の間にある空気はヨコシマなものではなく、いたって純粋なもの。

本当の二人の関係が劇中でネタバレされた後も、相変わらずアンナもマーニーも可愛いし、魅力的!そういう艶やかさを観客に感じさせる手腕に関しては、米林監督は超一流!ジブリ内でも女の子を描かせたら右に出る者がいないというほど、突出した才能なんですね。

感想②マーニーの正体が分かって感動!

マーニーの正体に関しては、「アンナとマーニーを観た瞬間から(最初から)分かっていたよ…」という人と、「なるほど!そういうことだったのか(驚)!」という人に分かれるようです。

マーニーの正体が分かったからと言って、ストーリーに面白みがなくなるというような内容ではないので、ここでネタバレしますと、マーニー=アンナの祖母です。と言っても、祖母はアンナが幼いころに亡くなっています。つまり、マーニーはアンナが幼いころ祖母と会話した微かな記憶から生まれた幻影なんですね。

このマーニーの正体が分かったあたりから、生き辛さを感じていたアンナが徐々に救われていきます。この怒涛の展開を受けて、やはり「感動した」「感涙した」という声が多数。

マーニーが持っているのは圧倒的な母性。アンナがどんなにひねくれていようと、何も聞かず、何も責めず、全てを包み込むような圧倒的な!そんな母性に触れた観客たちも、マーニーの胸に抱かれたような気持になります。

感想③ジブリにありがちな優等生キャラじゃないとこがいい!

宮崎駿が描く女の子のキャラって、共通点があると思いませんか?例えば、『となりのトトロ』のさつきなんて、小学生なのに妹の面倒をみて、家事もこなして、勉強も頑張っているっぽい…なんて優等生なんでしょう!こんな優等生、学年に一人いるかいないか…ですよね?

…に比べ、『思い出のマーニー』の米林監督が描くアンナは、全く優等生じゃないんです。優等生じゃないどころか、周囲から弾かれ、そのことを自分も分かっていて、世の中全てから背を向けて、それらすべてのことを周囲のせいにしちゃうようなどうしようもないクズなんです。

家族の愛を知らないと言っても、養女に出されている先では、優しそうなお母さんがいます。アンナにしてみれば感謝こそすれ、養父や養母を恨む筋合いなんか無いはずなのに、「助成金をもらっている」というかなり小さいことを理由に、養母らを汚いものでも見るかのような目で見ているのです。