小説原作モノとの相性が抜群!中村義洋監督のオススメ映画BEST5





日本映画界でも数少ない、ジャンル不問で高評価の作品を作り続ける監督の一人、中村義洋監督。小説原作モノとの相性の良さは抜群で、今年の夏には新作『忍びの国』の公開も控えています。今回は、そんな中村義洋監督のオススメ映画BEST5をご紹介します。

小説原作モノとの相性が抜群の映画監督・中村義洋

もともとはホラー畑出身の中村義洋監督ですが、現在では群像劇、コメディ、サスペンス、医療モノ、時代劇と、ジャンルにとらわれない作品を数々と世に出しています。それも、全てかなりのクオリティの高さで。そのポテンシャルの高さの秘密は、おそらく小説原作にあります。

中村義洋監督作品のほとんどが小説原作なのですが、監督は各小説の世界観やキャラクター造形をしっかり踏襲しつつ、映画にしかできない表現で、原作ファンを含む私たち観客を楽しませてくれます。ここまで小説原作モノとの相性が良いのは中村義洋監督を除いて他にはいないのではないかと思えるほどです。そんな監督の作品の中でも特にオススメしたい5作品をご紹介していきます。

第5位『ゴールデンスランバー』

コメディタッチを混ぜ込んだ逃亡劇がテンポよく進む!


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首相暗殺犯に仕立て上げられた主人公の逃亡劇を描いた今作は、とにかくそのテンポの良さが際立っています。銃撃戦やカーチェイスなどを随所に入れ込んだハリウッド映画とはまた違った味わいで、会話と回想を主軸にハラハラドキドキな先の読めない逃亡劇を見せてくれます。

また、クスりと笑わせるコメディタッチが混ぜ込まれていて、堺雅人の持ち味が存分に発揮されています。物語も、裏切られた男がそれでもなお人を信じて行動するという、登場人物たちの人間関係が基盤としてしっかり描かれていて、見ごたえのある作品になっています。

細部にちりばめられた伏線をごっそり回収してくれる爽快さが良い

今や鉄板とも言える中村義洋監督×伊坂幸太郎原作の映画。今作も、伊坂幸太郎の同名小説の映画化作品です。伊坂幸太郎作品といえば、物語の細部にちりばめられた伏線を見事に回収していく手腕が有名ですが、その伏線と回収を映画的な表現で描いてしまうのが中村義洋監督のすごいところ。

「謎解き型のどんでん返し」というよりも、普段の会話や小道具や時系列を活用した伏線の張り方が巧妙で、それらを終盤にごっそりと回収するのが爽快でたまりません。

第4位『残穢 -住んではいけない部屋-』

想像力を刺激する独特の恐怖体験が新鮮!


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中村義洋監督といえば、『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズで数々の恐怖映像を生み出してきましたが、そんな監督の本領発揮とも言えるのが今作。小野不由美の同名小説の映画化作品である今作は、終始、観客の想像力を刺激する独特の恐怖体験を提供してくれます。

伝染していく「穢れ(けがれ)」という概念を用いて、果てが見えないほどに私たちの恐怖を膨張させていきます。ストーリー構成自体も常に惹きつけられて飽きないため、ホラーが苦手な方にもぜひ試してもらいたい作品です。

ホラー映画の定石を残しつつ挑んだ新たな演出

絶対に“何か”が出るであろう状況。異変を感じた登場人物がゆっくりと振り返ると・・・バンッ!「キャーー!」というようなホラー映画の定石は、今作ではほとんど出てきません。終盤に申し訳程度にあるくらいで、恐怖演出のほとんどがストーリー構成と観客の想像力に委ねられています。

主人公が「穢れ」を辿っていき、物語は大正時代まで遡るのですが、その不気味さはこれまで味わったことのないものです。長く携わってきたからこそ、ホラー映画の定石を残しつつも新たな演出に挑戦できたのかもしれません。通常であれば必須とも言える美女の絶叫もほぼ皆無。新しいジャンル「穢れ映画」をお楽しみください。

第3位『ジェネラル・ルージュの凱旋』

現代医療への問題提起が含まれた社会派ミステリーがアツい


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医師であり人気作家でもある海堂尊の同名小説の映画化作品にあたる今作は、前作の『チーム・バチスタの栄光』に続き中村義洋監督がメガホンを取りました。本物の医師にしか書けない物語、現代医療に対する問題提起を、これまた映画的な表現で描いています。

特に感情を揺さぶられたのが、堺雅人演じる速水晃一を囲んで行われる倫理委員会のシーン。それまでの疑念や疑惑が明かされていき、真実が姿を現していく様には圧倒されます。アツいです。ミステリーでありながら、現代医療への問題提起もしっかりと含まれた骨太な作品になっています。

魅力全開の堺雅人がとにかくカッコイイ!

海堂尊作品の中でも特に人気の高い速水晃一を、今作では堺雅人が演じています。この堺雅人演じる速水晃一が、とにかくカッコイイんです。チュッパチャップスをくわえている姿も(このチュッパチャップスもちょっとした伏線になってる)、救命活動に手際よくとりかかる姿も、そして前述の倫理委員会での姿も、映画が始まってから終わるまで、常にカッコイイ。