漫画『キングダム』は2017年5月現在46巻まで発刊されており、累計発行部数3000万部超!その『キングダム』の中で16巻という早い段階で既に死亡しているのに、46巻の段階でも回想シーンに登場するなど、特に主人公・信に多大な影響を与えた武将がいます。それは『秦の怪鳥・王騎』。今回は王騎の名言とともに、魅力に迫ります。
漫画『キングダム』の王騎とは?
漫画『キングダム』の中で主役の信をはじめ、秦国の武将たちの精神的な支柱となっている名将・王騎。王騎とはいったいどのようなキャラなのでしょうか?
王騎は実在した?
王騎は六大将軍の一人で、秦・昭王の時代に名を馳せた将軍。あまり聞いたことのない名前かもしれませんが、史実にもちゃんと実在する将軍です。でも…実際のところ、王騎と聞いてピンッとくるという人はかなりのマニア。さらっとしか史実を知らないという人にとっては、「王騎?誰それ?」というレベルのマニアックな武将です。
そのため、原先生はかなり脚色して王騎というキャラを創り上げたそう。厚ぼったい唇に三又に分かれた髭。ゴツイ体で「コココココ」と軽やかに笑い、オネエを彷彿とさせる喋り口調。「キワモノ」に見えるこのキャラは、読者に強烈な印象を与えました。
圧倒的な存在感!
王騎はその死後も、信や秦の武将たちに多大なる影響を与え続けます。とにかく圧倒的な存在感を誇る王騎ですが、このように大きなキャラに成長するのはどうも王騎初登場の数話後から決定した模様。
信の武器は矛ですが、王騎に矛を持たせたのも、信との関係性を色濃くしたかったからとのこと。原先生によると、描くごとに魅力が増していったキャラ=王騎のよう。王騎が読者から愛される圧倒的な存在感を誇るキャラになった理由はココにあります。
王騎の魅力を名言とともに探る!
それではいよいよここからは、王騎の魅力を名言とともに探っていきたいと思います。六大将軍だけに言ってることもとにかくデッカイ!王騎の人となりが分かる名言ばかりを集め、厳選してお届けします!
名言1 「決まってるでしょォ 天下の大将軍ですよ」by王騎
「決まってるでしょォ 天下の大将軍ですよ」
漫画『キングダム』16巻170話より引用
王騎紹介の名言集のしょっぱながコレ!王騎が龐煖との一騎打ち場面で龐煖に放った重みある一言。一騎打ちと書きましたが、この場面、賛否両論あります。なぜなら完全なる一騎打ちではなかったからです。
魏加という中華十弓に入るという弓の名手が王騎と龐煖の一騎打ちの背後から王騎に弓を命中させたんですね~(怒)。しかも、その隙をついて、龐煖は王騎の腹をひと突き!という最悪な展開!筆者はこの場面を読みながら、「はあぁあぁぁぁぁ!!!?」と絶叫しました。その有り得ない展開後、龐煖が「貴様は一体何者だ」と王騎に問います。その応えが「決まってるでしょォ 天下の大将軍ですよ」なんです!
龐煖に致命傷を負わせられながらも王騎は、龐煖に「貴様は将軍の足元にも及ばない」と言い放ったということ!王騎は他にも「命の火と共に消えた彼らの思いが、全てこの双肩に重く宿っているのですよ」という名言も放っています。抱えているものの重みが違うんじゃ~!龐煖!!
名言2 「これが将軍の見る景色です」by王騎
「これが将軍の見る景色です」
漫画『キングダム』16巻171話より引用
『キングダム』の主人公・信。物語登場時は、まだ少年であり、まだ兵士でもありませんでした。王騎は、どこの馬の骨かもわからない信の武の素質にいち早く気づき、信を育てようとしました。
ただ、実は王騎が直接信に教えようとしたのは「これが将軍の見る景色です」と言いながら、まさに死の淵にあった王騎とともに王騎の馬に乗ったこのシーンが『キングダム』作中唯一なんです。この場面ではまさに信が見た王騎の馬上からの風景が一面に描かれており、武者震いを感じた読者も多いはず!信にとって、このシーンはきっと一生忘れられないものになったと思います。
ちなみに王騎は、死の直前、皆に見守られながら、信に直接遺言を告げています。「皆と共に修羅場をくぐりなさい 素質はありますよ」と。信は王騎から矛を受け継いでいます。46巻以降はいよいよその矛を使っての実戦場面が見られるはず!楽しみですね。
名言3 「共に中華を目指しましょう、大王」by王騎
「共に中華を目指しましょう、大王」
漫画『キングダム』16巻173話より引用
嬴政以前、嬴政の父親よりもさらに前の時代の秦の王であった昭王に深く心酔していた王騎。昭王時代の王騎は「秦の怪鳥」との異名をとるほど数々の武功を挙げ、最強の六大将軍と中華全土に名をとどろかせていました。王騎は昭王に中華統一の大志を感じていたようです。
ただ、その昭王の死後、どの秦王にも仕える気はなく、「秦の怪鳥」の名ももはや伝説のようになっていました。しかし、信との出会い、そして嬴政との出会いによって、王騎は嬴政に昭王以上の熱い魂を感じたよう。いつも冗談なのか本気なのか分からない王騎でしたが、嬴政の本気の想いを聞くことによって、昭王の幻影から逃れ、再び嬴政のもとで活躍する決意を固めます。
名言4 「摎、いよいよ最後の一つですね」by王騎
「摎、いよいよ最後の一つですね」
漫画『キングダム』16巻164話より引用
この名言、好きなんです!王騎を語る上で外せないのがかつての秦の六将・摎(きょう)の存在。女性です!摎は、実は昭王の子ども。でも母親の身分が低く、暗殺の危険を感じた母親によって、王騎の家に預けられたという経緯があります。
摎の出生の秘密は、限られた人しか知らず、当の本人・摎でさえ真実を知るのはずっと先になります。摎は王騎のもとで召使として育てられ、王騎の武芸を見て育ったため、武に秀でた娘へと成長します。王騎への恋心を募らせた摎は、「城を100個とったら妻にしてください」という約束を王騎に取り付けます。
その後、将軍となり苛烈な攻めを武器に次々と武功を挙げる摎。しかし、王騎との約束は忘れられたかのように見えました…が!いよいよ100個目の城攻めというときに王騎から名言出ました!「摎、いよいよ最後の一つですね」
覚えていたんですね~!王騎!胸キュンものです!しかし…、なんとその後悲劇が待ち受けています。武神を名乗る龐煖によって、摎は突然落命します。これが正式な戦場ならば合点もいくのですが、なんと闇討ち…に近いものがあり…(怒)。王騎が龐煖のことを許せないのは摎のことが大きく関わっているんです。
龐煖との一騎討ちの場面で、普段決して叫ばない王騎が「亜ーーーーーーーーー!!!」と絶叫したのも、摎の面影が王騎の中にチラついたからです。愛ですね!愛!
名言5 「全軍、前進」by王騎
「全軍、前進」
漫画『キングダム』11巻115話より引用
最後に挙げるのは、大将軍・王騎の器のデカさが分かる名言。「全軍、前進」は秦から馬陽に出立する前に、全軍を前にして放った王騎の一言です。士気が下がっていた秦軍でしたが、この王騎の一言によって、あっという間にテンションマックスに!大将軍の放つ一言の威力を描いた名場面です。
その他にも、李牧に追い詰められているのに「ンフフフフお見事です。誰か知りませんが完全にしてやられましたよォンフフフフ」と笑っていたり、「我、正に死線に在り」と自らの状況を冷静に分析するところなんかからも器のデカさを感じます。
王騎のすべてを知りたいなら『キングダム』16巻まで一気読み!
『キングダム』の中で大きすぎる存在感を放つ王騎の魅力を、名言を絡めつつお伝えしましたが、最もおすすめなのは漫画『キングダム』を16巻まで一気読みすること!
特に16巻は、摎とのエピソード(回想シーン)から、王騎と龐煖の一騎打ちまでがキレイにまとまっており、かなり芸術的な仕上がりになっています。強い王騎がいったいどのようにして追い詰められていったのかも見どころです。特にあの蒙武がこの巻では意外と使えない感じで、そこも見てほしいポイントです。
そして、やはり一番重要なのは、王騎が信に遺した大切なものを確認すること!ここをじっくり読んでおくと、後々、何度も泣けます!!六代将軍・王騎の想いをしっかり受け取ってください!