昨今の漫画の中で群を抜いて面白いと言われている、原泰久の漫画『キングダム』。バトルシーンでは、力v.s.力の対決はもちろん、知略による闘いもまた秀逸。今回は、そんな『キングダム』の最強ランキング男編をお届けします。一体、誰が一番強いのでしょうか!?
3000万部突破!超人気作『キングダム』
まずは、漫画『キングダム』の概略をおさえます。新人作家だった原泰久が2006年に『週刊ヤングジャンプ』内で連載を開始。漫画家なら誰もが喉から手が出るほどほしいと言われる、手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。
中国の春秋戦国時代に活躍した後の始皇帝・政と、その腹心・信の活躍をメインに描いたバトルあり、知略あり、下剋上あり、涙あり、友情あり…の物語。近年の漫画の中で最も面白いとの声も多数聞かれ、芸能人のファンも多く、2015年に『アメトーーク』でコスプレしたケンコバやこじるりなどが漫画を紹介すると一気に人気に火が付いたという過去も。
2017年5月現在、既刊46巻で、コミック累計発行部数は3000万部を超えています。「一度読み始めたらハマる」との呼び声高く、巻を追うごとに初版最高部数更新中!もちろん、筆者も毎回予約するぐらいの勢いでコミックスを購入しています。
『キングダム』の最強ランキング男編!
キングダム 公式ガイドブック 覇道列紀(出典:Amazon)
漫画『キングダム』では、無名の少年・信が後の始皇帝となる政の掲げる「中華統一」という目標に向かい、共に戦う姿を描いています。中華統一という大義を成し遂げるにあたり、信が歩むは大将軍への道。その過程では敵・味方ともに、偉大な武将たちの姿があります。今回は、そんな武将たちをクローズアップ!一体誰が中華最強の男なのかを検証します。
ちなみに、今回は「武力+指揮力+知力」という3つの観点からの総合得点にて勝手にランキングさせてもらいました。漫画の中で回想シーンのみという武将は省きます。(※参照『キングダム公式ガイドブック覇道列紀』)
20位:蒙驁(もうごう)& 紀彗(きすい)266点
20位は同率で蒙驁と紀彗。これは偶然?二人とも人情味あふれる人間臭い武将ですね。蒙驁(武力85・指揮力90・知力91)は他の武将と違い、温厚。最期もなんとちゃんと天寿を全うするんです。
紀彗(武力86・指揮力90・知力90)は趙国の武将。離眼愛が深すぎて、他国からは無名ながらも、頭を使った戦術が得意!部下からも慕われているので指揮力も抜群!
18位:姜燕(きょうえん)267点
魏国の将軍・姜燕(武力90・指揮力89・知力88)。廉頗の下におり、弓の名手です。山陽ではあの王翦と戦うなど、武力・知力・指揮力すべてに及第点を獲得できる力の持ち主。まあ、でも…廉頗の下にいるので、亡命しちゃいます。
16位:介子坊(かいしぼう)&蒙恬(もうてん)268点
介子坊(武力91・指揮力89・知力88)は、魏国将軍で廉頗四天王筆頭。正面突破が得意な武将。
16位はこっちが重要!イケメン(もしかして女なのでは説ありの)蒙恬(武力89・指揮力88・知力91)です。イケメンなのに、蒙武の息子という驚きの事実…。普段は飄々としている蒙恬ですが、父ちゃんがピンチのときには体を張って援護に行くなど、人間味あふれる一面もまた魅力!
15位:慶舎(けいしゃ)269点
趙国の将軍である慶舎(武力88・指揮力90・知力91)。網にかかった獲物がもがき苦しんで死んでいく様子を楽しむのが趣味(?)で、知略に長けています。異名は、沈黙の狩人。
合従軍戦では慶舎の鮮やかな策が光り、「嫌なやつ…」という印象でしたが、黒羊丘戦では、ちょっと人間臭いところも見られ、結局、信に首を取られます。戦争孤児という点では信と一緒という、意外と奥の深い人物。
13位:王賁(おうほん)&介億(かいおく)270点
出ました!王賁(武力93・指揮力88・知力89)!イケメン堅物キャラ。ちなみに、王賁はあの王翦の息子です。王翦よりは、将軍らしいというか、血が通っているように思います。父の王翦が絡んでくると平静を保てないというところもいいですね~。信とともにこれからの活躍が期待される槍使いです。
介億(武力85・指揮力92・知力93)はイケメンではありませんね。昌平君の副官で、昌平君への忠誠度はめっちゃ高いです。46巻では鄴攻略に向けて動き出しますが、その戦略を一生懸命考えた素晴らしい軍師です。
12位:紫伯(しはく)272点
魏国大将軍で槍が武器という紫伯(武力96・指揮力90・知力86)。槍使いの名手ですが、なんせ…幸薄感がスゴイんです。まず、生まれは紫家という名門ですが、先代紫伯と血のつながりが無いため冷遇され、この世で唯一愛していた妹の紫季歌は、他の男に嫁がされ、挙句その夫に殺害されてしまいます。
ゆえに、これだけの槍使い力を備えておきながらも生に執着がなく、同じ槍使いの玉鳳に打たれてしまいます。う~ん、何だか可哀そうですよね。
11位:オルド273点
燕国の大将軍であるオルド(武力93・指揮力95・知力85)が11位です。オルドは、北の山民族を束ねており、山間部での戦いが得意!……のはずだったんですが、なんと合従軍戦では王翦の知略を前にあっさり敗北。
46巻では秦軍が動いたことに便乗し、趙を攻めようと進軍しますが、またもや趙の司馬尚に阻まれそうです。司馬尚とは、かつて趙の三大天に推薦されたこともある武将。またもや反省の日々が待っているのでしょうか!?
10位:蒙武(もうぶ)277点
「10位!? 蒙武、10位!?」と思った方も多いかも。秦国の中で圧倒的な武力を誇る蒙武(武力99・指揮力92・知力86)。もちろん武力では圧勝!その強さは他国まで轟いており、秦国の顔として活躍しています。全力を出し尽くした汗明との一騎打ちは、鳥肌ものでした。
8位:嬴政(えいせい)& 汗明(かんめい)278点
意外や意外。秦王・嬴政(武力82・指揮力98・知力92)は総合力高いんですね。なんせ嬴政は中華統一という大義を成し遂げようとしている偉大なる王。今後、ダークサイドに降りないのか…が気になるところですが、46巻現在、その気配はなし!漫画の中では信との友情を貫いてほしいですね。
秦王と同レベルと判断されるのが楚国の大将軍・汗明(武力99・指揮力91・知力88)です。なんと蒙武と闘うまでは全戦全勝という輝かしい記録保持者。でっかい体にでっかい武器が印象的です。蒙武との闘いで死亡しますが、お互いの腕を粉砕してしまうという凄まじい戦いぶりでした。
7位:桓騎(かんき)282点
はい!出ました!チョイ悪…もとい、史上最悪の悪党・桓騎(武力93・指揮力94・知力95)でございます!時代が違えば六大将軍になっていたのではないかと言われるほどの軍才もあります。
でも、桓騎は元野盗。残忍性にかけては、作品中群を抜いているのではないかと思われます。一言…44巻、気持ち悪すぎます!桓騎の残忍性を見たいなら44巻をぜひ!
4位:王翦(おうせん)&騰(とう)&昌平君(しょうへいくん)284点
同率4位となったのは、王翦&騰&昌平君という秦国の武将たち。まず、王翦(武力93・指揮力94・知力97)。実は史実をみると、このメンバーの中で一番の傑物!知略にも武にも通じており、思想も危うく、秦国では危険人物視されていたそう。王翦が活躍していくのは、46巻以降と思われますので、楽しみです。
騰(武力96・指揮力94・知力94)は王騎の側で「ファルファル」言ってるだけじゃなく、実はかなりの実力者。飄々としているので、いまいち何を考えているのか分かりづらいのですが、著雍攻略戦で武功を成し、蒙武と並んで秦国の大将軍となりました。
最後に昌平君(武力90・指揮力96・知力98)。寝返り度100ですが、そこは気にせず…幼少期は蒙武より強かったと言われるほどの武力を持ち、もちろん軍師なので知力も98とほぼパーフェクト。
3位:王騎(おうき)286点
漫画『キングダム』を読むにあたって一区切りとされるのが16巻。ここでは秦の怪鳥と呼ばれた王騎(武力98・指揮力93・知力95)が李牧の策略により、龐煖の手によって葬られます。その死後も、王騎の遺志は秦の多くの将軍の間に脈々と流れており、主役の信も大きな影響を受けた一人。
16巻で死し、46巻現在でも王騎の懐かしのシーンが回顧されるほど、『キングダム』にとっては無くてはならない存在です。
2位:李牧(りぼく)290点
46巻時点で目下最大の敵は、趙国の李牧(武力91・指揮力99・知力100)。軍師なので知力=100!軍師のくせに武力も91と信と同等!オールマイティすぎて、「欠点は無いのか!」とツッコミたくなるほど。
特に、知力においては秦国の軍師・昌平君よりも勝り、まさに46巻時点では最強です。46巻で秦国は、王翦・桓騎・楊端和連合軍で趙を落としにかかりますが、果たして昌平君と王翦の策略がどこまで最強軍師・李牧に通用するかが気がかりです。
1位:廉頗(れんぱ)291点
僅差で1位を獲得したのは、元趙三大天の一人・廉頗(武力97・指揮力98・知力96)。現在は亡命していた魏国をも追われ、楚に亡命しています。史実では、亡命後は大した活躍をしていないようですが、『キングダム』の中では亡命後も存在感たっぷり!ギリギリのところで毎回亡命し、46巻現在もおそらく健在です。
主人公の信にとっては敵役であり、大きすぎる存在ですが、史実からいうと活躍の場はもう見られないかもしれません。
【番外編】武力だけなら…今後の成長力なら…コイツが1位!
先ほどのランキングは、総合力に優れている武将たちの名前が並びましたが、なんと主役の信の名が無い…という非情な事態に!そこで最後に番外編として、「〇〇だけならコイツがナンバー1!」という武将二人を紹介しておきます。これもメンズのみ査定しています。
今後の成長期待度1位!信 248点
総合ポイントは248ぐらいとあまり振るわない信(武力91+α・指揮力83・知力74)ですが、今後の成長期待度という面でみると、間違いなくナンバー1!なんせ戦争孤児スタート→46巻現在では五千人将ですから!
そして、46巻で始まった業(漢字が出ません「ギョウ」は業におおざとがついています)攻めでは、政から王賁・蒙恬とともに必ず将軍となって戻ってくるようにとの命を受けています。そこで信はとうとう王騎の矛を手に!
武神度1位!龐煖(ほう けん)
そもそも武神とは一体いかなるものなのでしょうか…。龐煖(武力100・指揮力―・知力バカではない)を見ていると、武神というものが、とんでもなく身勝手で視野の狭い神なのではないかと思わざるを得ません。
龐煖は確かに腕っぷしだけでいうと圧倒的に1位です。摎を殺し、あの王騎を討ち取り、麃公を討ち取った手腕は、揺るぎ難いものです。ただし、指揮力は皆無。その行動は、強さだけを追い求める短絡的なものでバカではないものの、将軍の器ではありません。
そんな龐煖と対峙した信は、力では圧倒的に不利だったものの、一矢報いています。趙に身を預けている龐煖。今後、信の前に立ちふさがる敵となることは間違いないでしょう。
男編ランキング1位は意外な人物?
漫画『キングダム』の「最強キャラランキング」と銘打ったサイトはけっこうありますが、ここでは「総合力」ということに焦点を当てて選びました。龐煖が圏外になったのは予想通りでしたが、信もまだまだなんですね~。知力が低すぎなんで…しょうがないですかね。46巻時点で気になるのは、王翦!圧倒的上位かと思いましたが、意外と目立たない位置にいますね。
ちなみに参考にしたのは『公式ガイドブック 覇道列紀』です。2016年1月に発売されたものですが、原先生が明かすキャラの秘話なども満載でおすすめです!