高評価続出?実写映画版『3月のライオン』前編&後編 みんなの感想まとめ





マンガ大賞や手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞し、2016年秋~NHKにてアニメ化も実現した羽海野チカ原作の人気漫画『3月のライオン』。2017年3月18日、4月22日には人気俳優・神木隆之介を主演に迎え、前編後編が公開されました。実写映画版を観たファンたちの感想をお伝えします!

実写映画版『3月のライオン』前編あらすじ


出典:映画『3月のライオン』公式Twitter

まずは、ちょっとだけ前編のあらすじをおさえておきましょう。前編は原作漫画同様、零の生い立ちから入り、幸田家との関係、川本家との関係などが描かれます。零が将棋を始めた理由や、プロ棋士としてどんな位置にいるのかなど、零の葛藤も存分に表現されています。もちろん、零の師匠の島田や朋輩・二海堂、天才棋士・宗谷など多彩な顔ぶれも登場。

あかりと零の出会い方など、原作とはやや設定を変えているところもありますが、おおむね原作通りでした。原作でよく使われているキャラたちの心の声も上手の活かしながら、詰め込みすぎずしっかりと観客に内容を伝えてくる映画に仕上がっていました。

原作ファン納得の出来!みんなの前編感想

前編を観た人たちは一体どんな感想を持ったのでしょうか?ちなみに評価を数字で表すと、いずれも2017年4月26日調べで、3.7(※Filmarks)・3.7(※映画.com)・69%(※coco映画)・4.09(※Yahoo!映画)・75.5点(※KINENOTE)・77点(※ぴあ映画生活)と及第点かと。

ただし、興行収入は惨敗との噂が…。果たして実写版はどんな内容だったのか…みんなの感想から探ります。

前編感想①神キャスティング!


出典:映画『3月のライオン』公式Twitter

映画公開前から「神キャスティング」と話題になっていましたが、前編を実際に観た方々からも期待を裏切らないキャスト陣の演技の素晴らしさに称賛の声が挙がっています。

まず、「この人しかいない」と言われていた神木隆之介と佐々木蔵之介は、もちろんバッチリはまっていました!そして、大友啓史監督が惚れ込んでのキャスティングという伊藤英明ももちろん、大人の色気や気迫を感じさせる名演技!高橋一生や加瀬亮ももちろん高評価で、高橋一生は零を応援してガッツポーズを決める姿などが可愛いと評判に。加瀬亮も宗谷という人間味の無い難しい役どころでしたが、宗谷の静謐さを見事に体現していました。

そして、当初から何かと話題だったのが悪女・香子役の有村架純。清楚なイメージの有村架純は、「ミスキャストでは?」と叩かれていましたが、蓋を開けてみると意外や意外!ピンヒール姿が様になっており、原作よりもより人間臭くもがく姿が高評価でした。

ファンも期待!実写映画『3月のライオン』の主要キャスト詳細完全版

2017-02-20

前編感想②原作踏襲!


出典:映画『3月のライオン』公式Twitter

筆者は、原作ファンです。原作ファンなので、「実写版…どんなふうに料理されてるんだろう?」という一抹の不安を感じながらの鑑賞でした。が!観終わった感想としては、「実に上手い演出!」です!

製作陣が原作ファンということで、逆に語り過ぎていないだろうか…という不安があったのですが、そんなことは全くありませんでした。原作の世界観を活かしながら、映画として「見せる」ということを意識してのコマわりやセリフ回しだったと思います。

前編に関しては、原作から大きく逸脱することもなく、安心して観られる映画に仕上がっていました。

前編感想③零の葛藤がよく描かれていた


出典:映画『3月のライオン』公式Twitter

前編の内容としては、零の孤独や葛藤が大きなテーマとなっています。原作でも零の心情というのは、物語を貫く大きなテーマですが、実際に映画となり、神木隆之介が演じることによって、より息遣いが感じられるものとなっていました。中には自分と零との孤独を重ね合わせて、辛くなってしまったという人もいるほど…。

前編ラストではその零が他者を知ることによって、零が自分の孤独感とどう向き合っていくのかというところに希望が持てる内容になっています。後編予告ではより辛い状況を乗り越えなければならない様子が描かれていましたが、壁を越えた先にある光明を零が見つけられることを期待したいですね。

実写映画版『3月のライオン』後編あらすじ


出典:映画『3月のライオン』公式Twitter

2017年4月22日に後編が公開されています。サラッと上手に描いていた前編に比べ、後編は重いテーマを4つほど詰め込んでいます。テーマを挙げておくと、

①零と将棋
②ひなのイジメ問題
③妻子捨男問題
④香子と後藤の関係&香子と父親の関係

原作だと、いくつもの巻に渡って展開されたような内容を、139分の中に詰め込んでいます。ちなみに、①も②も③も④もすべて、原作とは異なる内容です。

原作では、②と③に関しては解決済みですが、解決の仕方や描き方が原作と映画とでは異なります。①と④に関しては、原作では終着点が決まっていません。

前編とはまた違う感想も?みんなの後編感想


出典:映画『3月のライオン』公式Twitter

原作ファンの視点からいうと…「詰め込みすぎ」になっていないかということと、原作未完なので「ラストどうすんの?」というところがものすごく心配な点でした。

筆者の感想を先に言ってしまうと、「人間が演じるならこういう展開もありか…というか、こういう展開が腑に落ちるかも!」ということと「すがすがしいラスト!続編も期待したい!」ということ。

もちろん、何度も号泣ポイントがあって、ハンカチは必須でしたよ!みんなの感想はどうだったのか…主にその2点についてコメントしているTwitterを拾ってみました。

後編感想①やっぱり詰め込みすぎ…!?

筆者は予告編を前編終わりの映画館で観ました。一番の心配は、「こんなにたくさんの要素を詰め込める!?」ということ。後編鑑賞前に「詰め込み過ぎ」について心配している方も多いと思います。実際に後編を鑑賞された方の意見としては…真っ二つに割れるよう!まずは「詰め込み過ぎでNG」という意見から。

そして次に「詰め込み過ぎだけど、ちゃんと消化できている」「詰め込み過ぎ感は否めないけど、感動できた」という意見。

後編は、ひなちゃんのいじめ問題やら、妻子捨男問題やら零の将棋との向き合い方などとにかく盛沢山の内容。原作と照らし合わせるとかなりの巻数分を後編に詰め込む形になるので、たった139分にどうおさめるのかが気になります。

確かに!ひなちゃんのいじめ問題では肝心の学年主任の先生の出番がえらく少ないということが気になりましたし、妻子捨男の件では零くんがかわいそうすぎる…とは思いましたが、実際、リアルにこういう出来事があると「こんなもんなのかも」という気がします。

ひなちゃんたちが血のつながったお父さんのことを悪く言われることに胸を痛めることとか、ものすごーくよく理解できました。自分の中にもそんなダメ男のお父さんの血が流れてるってことは曲げられない事実ですから。同じくダメ男父がいる筆者にとっては、ひなちゃんの気持ちが痛いほどわかります。

後編感想②原作と全く違う!オリジナルストーリー

なんと!あれだけ原作に忠実だった前編とは打って変わって、後編はかなりオリジナルストーリー色が強い作品に仕上がっています。どうしてこうなったのか、気になって大友監督のインタビュー記事などを読んでみたのですが、監督自身はこのことを「自立」と捉えているよう。原作を踏襲するばかりではつまらない、映画として自立したものにしなければならない、という監督の手腕はいかほどでしょうか。

こちらもTwitterの声を拾ってみました。まず最初に「オリジナル部分が最悪…」というものから。

漫画原作を実写化するにあたって、オリジナルストーリーを盛り込むと、必ず「原作とは違う」「原作のキャラならこんな行動しない」というクレームが挙がります。それは原作を愛しすぎるがゆえのファン心理で仕方のないこと。

しかし逆に、原作通りになぞれば、それで面白いのかというと、否!やはり、映画になるからには、2次元→3次元への変更というのもありますし、「実際の人間ならどう行動する?」という理想ではなくリアリティを求めてしまうところもあります。

ということで、やはり大友監督なりのオリジナル解釈を称賛する声も多数挙がっています。ちなみに、2017年4月26日段階でTwitterを検索すると、どちらかと言えば、称賛の声のほうが多く散見されました。

後編感想③前編より泣けた!感動!

原作では、後編にあたる部分では号泣必至なんですが、映画のほうはどうなんでしょうか?筆者はかなり感情を揺さぶられました。Twitterの声を拾ってみると…、やっぱり!「前編より泣けた」「号泣」などの声が多数!

後編の中盤あたりまで、かなり多くの要素が詰め込まれてはいるのですが、それらはどれもまだまだ暗い湖の底にあるような感覚で、観ていると苦しさを伴います。特に零が川本家に拒絶されるところなどは、苦しくて苦しくてしょうがない…という気持ちに!でも、ラストへ向けてちゃんと零は居場所を見つけていきます。その瞬間、筆者の目からはあり得ないほどの涙が~!!中盤までの苦しさは、この爽快感を味わうためだったのね~!!と深く納得しました。

漫画では描かれないラスト!3作目にも期待してしまう


出典:映画『3月のライオン』公式Twitter

後編は原作をなぞるだけでなく、大友監督独自の解釈で映画として自立した内容になっています。原作漫画を超えたのかどうか…は難しいところではありますが、主演を神木隆之介という子役時代から活躍している俳優業のプロが演じたことによって、より物語に深みが出ていると思います。

漫画ではまだ描かれていないラスト。大友監督が導き出したラストは、「これしかない!」と思えるような清々しいものでした。しかも、「3作目」を期待させるような余韻も残しています。柔らかく物語をたどっていった前編に比べ、後編は登場人物たちの感情のうねりの激しさに圧倒されます。

ここから紡ぐ物語は、原作とはさらにかい離していくものになるかもしれませんが、大友監督が描く『3月のライオン』の続編をつい期待せずにはいられませんでした。

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