バイオレンスなのに笑える!?コーエン兄弟監督作品のオススメ映画BEST5





現在のハリウッドの映画監督の中で、エンターテイメント性と芸術性を最も両立させている監督としてコーエン兄弟を挙げることができるでしょう。アカデミー賞やカンヌ映画祭の常連でもありながらも、ハリウッドのヒットメーカーとしても名を馳せているコーエン兄弟作品の中からオススメ映画BEST5を紹介します。

ハリウッドを代表する兄弟監督!

コーエン兄弟はハリウッドを代表する名監督!

「兄弟監督」として有名なところで言えば、『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟(今は姉妹)や現在『午後8時の訪問者』が公開中のダルデンヌ兄弟などがいますが、名声・実力ともにハリウッドのトップクラスにいるのはコーエン兄弟ではないでしょうか。

映画のクレジットには兄のジョエルが監督、弟のイーサンが脚本とされることが多いですが、実際は全て共同で作業している仲の良い兄弟です。

スリルとコメディの合わさった不思議な映画たち

彼らの作品の特徴として、バイオレンス映画なのにちょっとコメディ(またはその逆)という雰囲気が挙げられます。ジャンル分けしづらい映画が多いため、変わったタイプの監督と思われがちですが、コーエン兄弟初心者の方にもぜひオススメしたい5作品を紹介していきます。

第5位『バートン・フィンク』(1991年)

脚本家と謎の隣人


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写実的な演出で評価を高めた劇作家バートン・フィンクはハリウッド映画の脚本の執筆のオファーを受けるも、スタジオ側の意見でレスリング映画の脚本を書く事に。執筆に苦悩するフィンクは、滞在しているホテルの部屋の隣人チャーリーと親しくなる。人の良さそうな保険外交員チャーリーだが、彼には裏の顔があった…。

自分の才能が枯れ果ててしまったのではないかという表現者ならではの苦悩や、人間のおどろおどろしい裏の顔が現れる瞬間を、真夏のむさ苦しいハリウッドの気候と合わせて表現している名作です。

ジョン・タトゥーロ、ジョン・グッドマン、スティーブ・ブシェミなど、後のコーエン兄弟作品に常連で出演することになる、いわゆる「コーエン組」の俳優も多く出演しています。

チャーリーから預かった箱の中身は…?

映画の中盤、チャーリーが隣の部屋から数日出ていく際に、フィンクに大きな箱を預けます。その後、第三者からチャーリーの正体を知ることになるのですが、それと同時に箱の中身が恐ろしいものであることにも気付きます。

この箱の中身こそがフィンクが脚本の執筆を進める上で重要になってくるものなのですが、ここではチャーリーの正体と箱の中身は映画を観てのお楽しみとさせて頂きます。

第4位『バーバー』(2001年)

寡黙な理髪師の不毛な人生


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寡黙な理髪師エド・クレインはある日、担当した客からドライクリーニングへの投資話を持ちかけられる。これまでの人生で何かに挑戦してこなかったエドはちょっとした出来心で自分の妻の浮気相手を恐喝し、投資の資金を工面しようとするが、計画の歯車は少しずつ狂っていき、最終的にとんでもない方向へとストーリーは進んでいきます。

モノクロ版で劇場公開されたために地味な印象の強い今作ですが、脚本、演技、音楽、演出全てが見事に噛み合った傑作ノワールになっており、主人公エドの人生とは何だったのかを考えさせる深淵なテーマの映画になっています。

伸びては切られる髪の毛の意味とは?

劇中、エドが子供のつむじを見てこのように呟きます。「変だと思わないか?髪の毛は体の一部なのに、伸びては切られて、ゴミに混ぜて捨てられる」。ここで言う髪の毛は何を意味しているのでしょうか?ぜひ鑑賞して考えてみてください。

他にも、劇中で流れるベートベンの曲、車の音、UFO、不確定性理論など、様々な要素にも意味が込められており、何度観ても観るたびに新しい発見が出来る作品になっています。

劇場公開はモノクロ版ですが、カラー版でも十分素晴らしい映像になっており、ハリウッド最高レベルのカメラマンかつ、コーエン兄弟の盟友でもあるロジャー・ディーキンスの職人技が光っています

第3位『ノーカントリー』(2007年)

最凶の殺し屋アントン・シガー


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この映画を観たことがない人でも、この映画のキャラクターでハビエル・バルデムが演じる「アントン・シガー」の風貌を記憶している人はいるのではないでしょうか。マッシュルームカットで大きい顔面をしたシガーは主に家畜の屠殺用に使われる圧縮空気銃を使用して、道で会う人々を次々と殺しながら目標であるモスを追い詰めていきます。

このシガーというキャラクターはこの映画における死神そのものであり、いつ訪れるか分からない「死」というものの不条理さを体現する者として描かれています。

この世界に救いはあるのか…?

原題は「No Country For Old Men」。直訳すると、「昔の人のための国はない」、つまりアメリカはもはや昔ながらの義理や人情が通用する時代ではない、ということを意味しています。