多くの伏線が回収されると共に、さらなる謎も追加された『進撃の巨人』。23巻ではついに海へ向かった調査兵団ですが、巨人に関するデータも明らかにされつつあります。ここでは知性を持つ巨人の仕組みや、誰が何の力を継承したかなど紹介していきます。
記事の目次
巨人化の仕組みと巨人に関する謎
ユミルの民、エルディア人そしてマーレ国とは
これまで謎だった巨人について多くの謎が解明されています。まず、壁外にはマーレ国とエルディア国という国が存在しており、そのエルディア人が唯一巨人化能力を持つユミルの民ということです。
知性も持つ巨人は全部で9体。いずれも名前がつけられており、ユミル・フリッツはこの巨人の能力を使って1700年にも渡り民族浄化を行い、他の民族を弾圧していたのです。
ユミル・フリッツに関してエルディアでの歴史では、神がもたらした奇跡とされていますが、マーレでは悪魔の使いと呼ばれています。果たしてどちらが真実なのでしょうか…。
ユミルの民は世界から狙われている!?
当時、エルディアを治めていたフリッツ王は、巨人を連れて壁を造り戦いを放棄してしまいました。その後マーレはエルディアを支配し、巨人から脊髄液を取り出しエルディア人に注射、壁内の人類を滅亡するため無垢の巨人を作りつづけていたのです。
何も知らない壁内の人類はこれまで、多くの疑問を抱えていましたが、巨人が南から来るという伏線も回収されました。しかしまだ詳細不明の巨人も存在しています。
またエルディア人は、巨人化の力があるがゆえに世界から狙われる存在になっているとのこと。そして、新章ではついにマーレ国と壁内人類の戦いに突入か!その前に、巨人についての総復習として9体の巨人について説明します。
「始祖の巨人」-エレン・イェガー-
始祖の巨人とは、王家の血を引くものが継承しないと発動されないという力で、すべての巨人を操る力がある巨人の王です。
もともとは、ユミル・フリッツが持っていた始祖の巨人の力ですが60年前、巨人化した初代レイス王にユミル・フリッツが捕食され、巨人の力を奪われているのです。それを長い間、レイス家が所有していました。
そしてグリシャがフリーダから奪いエレンに継承させたのです。エレンがライナーやベルトルトに誘拐されたのも、この力を持っていたのが原因なのです。
エレンの現状では、始祖の巨人の力を最大限引き出すことはできませんが、50話でハンネス・イーター相手に発動していたので、王家の血を引かなくても何かのきっかけで発動できる可能性があるかもしれませんね。
「進撃の巨人」-エレン・イェガー-
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クルーガーからグリシャへ、そしてエレンが継承した進撃の巨人の力。自由を求めて戦った勇者のような巨人の力です。まさしく自由を追い求めるエレンにぴったりの力ですよね。
もともとマーレ人になりすまして、エルディア人に情報を流していたエレン・クルーガーが持っていた巨人の力ですが、ユミルの呪いによって死期が近づき、グリシャに継承させました。そして再び、グリシャの死期が近づいたことによって、今度はエレン・イェガーに自分を捕食させ力を継承させ、その力を託しました。
「超大型巨人」-アルミン・アルレルト-
超大型巨人は、『進撃の巨人』の連載当初に突如現れた巨人で、壁を蹴破って壁内の人類を危機にさらしました。壁の高さを超える大きさが特徴ですが、大きいがゆえ欠点として動きが遅いということがあげられます。
超大型巨人はベルトルトが継承していましたが、21巻で瀕死の状態になったアルミン(コゲミン)に巨人化注射を打ち、ベルトルトを捕食させてその力を継承させました。
「鎧の巨人」-ライナー・ブラウン-
鎧の巨人、現在もその力を継承し続けているのはライナーです。超大型巨人が壁を蹴破った後、シガンシナ区の壁に体当たりして崩壊させたのが鎧の巨人です。
全身が固い鎧で覆われており、どんな武器で攻撃してもまったく効かないどころか無傷。うなじも同様に硬化されているので、実質人類では歯が立たないというほどの威力をもっています。
しかしそれは表面だけなので、それ以外では15mタイプの巨人とそう変わらず、関節技などは有効に使えるようです。
「女型の巨人」-アニ・レオンハート-
女型の巨人は登場当初、人類を捕食することはありませんでしたが、自分の邪魔したり、襲い掛かってきた人類のみ攻撃対象にしていました。
戦闘能力は高く、特に格闘技術に優れています。身のこなしも軽やかで、他の無垢の巨人と違い全体的に女性っぽい体型をしています。
女型の巨人の力を継承しているのはアニですが、彼女に関しては未だ詳細は不明となっています。自分の正体が発覚し、巨人化したエレンとの戦いに敗れ硬質化したままとなっています。
アニの過去シーンでは、父親と見られる男性との会話があるのみで、アニがどうやって巨人の力を手に入れたのか、ライナーやベルトルトと目的が同じだとするならば、なぜ協力体制ではなかったのかが気になるところです。
「獣の巨人」-ジーク・イェガー-
獣の巨人は、唯一話すことができる巨人で、手は長く体中に毛が生えているまるで巨大な猿です。長い手を使って大岩を投げたりして人類を殺害したり、無垢の巨人に命令し捕食させたりしています。
獣の巨人のひと声で無垢の巨人は行動したりしますが、始祖の巨人の力を持っていないのになぜ巨人に命令できるのかということも謎とされています。
獣の巨人の正体はグリシャとダイナの息子ジーク・イェガーで、子供の頃マーレの戦士として、自分をマーレ国に差し出した両親を裏切って密告しました。
エレンとは腹違いの兄弟ということになりますが、20巻でのウォール・マリア奪還作戦の際、リヴァイの攻撃を受け瀕死の状態にされています。
「四足歩行の巨人(車力)」-ピーク-
車力の特徴は、他の知性巨人と違って四足歩行するということです。また映像として登場していませんが、漫画で見るとかなりスピードもあるようです。獣の巨人が投げる大岩を集めたり、巨大な機関銃を背負ったりと馬力もあるようですね。
車力の正体は91話で、マーレの兵士からピークという人物であることが明かされています。
「ここで顎(あぎと)と車力(しゃりき)を放ちましょう ガリアードとピークの二人ならやってくれます。一瞬でトーチカと塹壕の敵を殲滅できるハズです」byマーレ兵士コルト
『進撃の巨人』91話より引用
この分だとこの先も敵側の危機に車力が活躍しそうなので、調査兵団およびエルディア側は苦戦を強いられるかもしれませんね。
「顎の巨人」-ガリアード-
過去、ユミルが物乞いをしていた幼少期、ある男が現れユミルと名をつけられから人々から崇められ、長い間ユミルを演じていました。しかし、マーレから悪魔と呼ばれるようになり、その結果巨人化の注射を打たれ崖から突き落とされたのです。
そして60年間壁外を彷徨ったのち、マルセルを捕食して手に入れた巨人の力が顎の巨人です。その特徴は、とにかく動きが素早いことがあげられます。
ライナーとマーレに行った後、ヒストリアに手紙を書きましたが、その後ユミルは自らの意思で、ガリアードに捕食され力を継承させたようです。
最後の9つ目の巨人の能力-
これまで判明している巨人の力は8つ、9体目の巨人の能力がまだ判明していません。21巻86話で巨人と人類との戦いが描かれていますが、その絵を検証してみると、車力と思われる四足巨人のほかに、大きな馬のような絵が書かれています。
もしかして車力のほかに、馬のような動物型の四足巨人がいるかもしれません。しかし、これまで巨人は地を歩くものばかりが存在しているので、最後は飛行型の巨人が登場するかもしれませんね。
巨人のまとめ
知性巨人は9体しか存在しないことが分かりましたが、すでに6体はマーレの手に落ちています。エレンが始祖の巨人の力を持っていたとしても、それを発動させることができなければ、戦いは相当不利になるかもしれませんね。
ただ、22巻90話でヒストリアの手を取ったとき、電流のようにも見える何かが走っていたようなので、もしかしたらヒストリアを経由したような形で、エレンでの発動も期待できるかもしれませんね。