2017年1月、好評だった『真田丸』のあとを受けて始まったNHK大河ドラマ『直虎』。柴咲コウが主演を務め、女城主として頑張る話…ですが、この設定を聞いて筆者はムムムとなりました。なぜなら2015年から連載中の東村アキコの『雪花の虎』と設定が被り過ぎているから!! もしかして真似したとか(疑)!? 違いを考察してみます!
記事の目次
どっちが先!? NHK大河『直虎』と東村アキコ『雪花の虎』
最初に筆者の歴女度を暴露してしまうと、ほぼゼロです。高校の日本史の授業では爆睡必至でしたし、センター日本史も確かスゴイ点数でした。でも、ドラマは好きなんです!ということで、とりあえず毎年、NHKの大河が始まると内容をチェックします。
そして始まった2017NHK大河ドラマ『女城主 直虎』。主演は『信長協奏曲』の帰蝶役が凛としてカッコよかった柴咲コウ。「これは期待大だわ~」と思って観ようとして…何だか変な既視感…。
そうそう!『雪花の虎』!『東京タラレバ娘』とか『かくかくしかじか』などで有名な漫画家・東村アキコが描いた漫画と設定がそっくりではないですか!!
「え!? 一体、どっちが先?どっちが先に企画を挙げたの?」とかなり気になったので、調べてみましたが、やはり…『雪花の虎』のほうが一歩先なのか…という気がします。NHKの制作発表が行われたのが2015年の8月。『雪花の虎』の連載開始は、2015年の4月。ただ、ここから着想を得て企画を挙げるには、ちと、時間が足りないように思うので、やはり二つは全く別物ということでしょう(…ということに…)。
ちなみに「女城主」という設定が被っていることによって、『直虎』の原作が『雪花の虎』だと思っている漫画ファンも健在するよう…。まあ、そもそも『直虎』=井伊直虎で、『雪花の虎』=長尾景虎(上杉謙信)なので、人物自体、違うんですが…。
雪花の虎を週一で一冊ずつ読んでます。
上杉謙信の女性説を基にした漫画。
やたら大河ドラマと雰囲気がリンクする。
名前も景虎と直虎。— いわきレスリングプロジェクト (@iwp2013) January 29, 2017
雪花の虎を読んで、人生で始めて歴史に興味をもったので、大河ドラマ「直虎」みた。
雪花から着想得たんじゃない?と思うところはあるものの、一年見る気でいるので楽しみ。
— ushishi (@ushishi_soccer) January 9, 2017
大河ドラマ『おんな城主 直虎』と東村アキコ著『雪花の虎』が混ざってしまう。どちらもおんな戦国大名が主人公で名前に虎がつく。
— たくやイレブン (@Takuya11) January 8, 2017
NHK大河『直虎』は大コケってホント!?
東村アキコの『雪花の虎』は、はっきり言ってメチャクチャ面白いです。2017年4月現在、既刊4巻ですが、2017年マンガ大賞の1次選考にも入っていました。そもそも東村アキコ自身が歴史はからっきしダメとのことで、歴史が苦手な人でも読めるよう、ワープゾーンを設けてみたり、最初っから「これは物語だよ」と説明して話を面白く盛ったりしているので、単純に楽しめるんです。
その一方、好調だった『真田丸』から引き継いだ『直虎』は視聴率が微妙なんだとか。筆者はどちらも読んでいる(観ている)んですが、確かにどちらが面白いかと問われれば『雪花の虎』と即答します。この面白さの違いはどこから来るのか…を検証していきたいと思います。
東村アキコの『雪花の虎』v.s.NHK大河『直虎』
雪花の虎 2 (ビッグコミックススペシャル)(出典:Amazon)
東村アキコの『雪花の虎』とNHK大河『直虎』を比較し、どちらが面白いのかを検証します。…そもそも2次元のものと3次元のものを比べるなよ…というご意見はご容赦ください。
合戦に行かない直虎v.s.男子より強い景虎
NHK大河の直虎は、合戦シーンが少なくて視聴率が低迷しているんだとする意見があります。『雪花の虎』の景虎は、幼いころから武道も学問も兄よりも秀でており、合戦にも女子である象徴の長髪を隠して参戦します。
一方の直虎は、今川に申し開きに参上する折に、野盗に襲われますが、逃げ回るだけで、結局、家臣の腕のたつものに助けられるという始末…。ここは…口だけじゃなく、実際に何もかもが男子よりも勝っており、カッコいい景虎に軍配が上がって当然ですね。
知恵の足りない直虎v.s.頭も切れる景虎
大河『直虎』が始まったとき、正直、こんな主人公だとは思いもしませんでした。女だてらに城主になるからには、知恵者であるはずだ…と何となく勝手に決めつけて観ていました。が!「こいつ…阿呆なのでは…」と思うような場面多々あり…。そもそも愛しの亀が殺されたのも、直虎があっさりと騙されたからですし、高橋一生が今川に与されたように見えたのも結局は直虎を守るためなのに…そんなことにも気づかないなんて、阿呆以外の何ものでもありません!
一方の景虎は、頭脳明晰。度胸もあるし、頭も切れます。周囲の人物の使い方もうまいです。これも、『雪花の虎』に軍配ですね。
色気のない直虎v.s.色気ありの景虎
今のところ、『直虎』はいつでも元気いっぱい、無鉄砲に立ち回ることも多く、いわば幼い女子がそのまま大人になったようなキャラです。そんな性格ですが、自分のことをちゃんと「女子」だと思っており、「女子扱い」されることに抵抗を示すことはありません。
一方の景虎は、自分のことをあまり「女子」だとは思っておらず、立ち回りもいわば宝塚の男役のような雰囲気でとにかくカッコいいところが魅力。いわば…宝塚!そして、景虎はおそらく敵が襲ってきたらそばにいる女子を守るぐらいの気概があります。しかし、なぜかその姿は実に妖艶。温泉で偶然にも信玄と出会ったときには、見初められてしまうほどの色気を漂わせています。
やはりこれも、『雪花の虎』の景虎に軍配でしょう!
男子の魅力は五分五分!
そんな二人の周囲には、当然ですがイケメン男子たちがうようよ!『直虎』の場合は、亀役の三浦春馬や鶴役の高橋一生がキラリと光っていました。ハッキリ言って、この二人のほうが当の直虎よりも魅力的と言えるほど!そして、直虎を襲名してからは、イケメンではありませんが中野直之がいい味を出しています。女子である直虎と対立しつつも、直虎を守ろうという男気あふれる役です。
一方の『雪花の虎』では、何といっても林泉寺の僧・宗謙や、武田信玄など武将たちとの恋が楽しみすぎます!宗謙は幼いころから虎のことを見守っており、なんと初潮までをも見届けています。そして信玄には温泉で裸を見られるというハプニングも。その他、武将たちとの恋もあり得ると作者の東村アキコが述べていますので、イケメン武将と景虎との恋の駆け引きも見どころでしょう。
いや~。直虎は、政次(高橋一生)さんの沼があるとは思ってなかった。もうどっぷり浸かってる。
— 満月 (@miduki_104) April 26, 2017
日本の役者は脚本のせいか、大声でわめいたり叫んだりすることが多い。高橋一生の演技はそれと一線を画している。叫ぶどころか台詞さえない場合が多く、表情、立ち居振る舞いだけで視聴者を納得させ、虜にする。政次役は他の誰ができただろうか。高橋一生あっての役だった。#おんな城主直虎 #直虎
— バスチャン (@itoh_andieMusik) April 23, 2017
雪花の虎4巻読破!
なにあれすごい萌えるんですがアア(頭を抱える)
虎と宗謙可愛い。花を渡してからの手にキス!アキコ氏は私を確実に萌え殺しにきてる…恐ろしや……— オタハック(アッキー) (@otahack) March 27, 2017
雪花の虎の信玄がメチャクソ好みすぎる
— アメゴ (@aaaaamego_xxx) January 26, 2017
NHK大河『直虎』はどこまで巻き返せる!?
雪花の虎 4 (ビッグコミックススペシャル)(出典:Amazon)
東村アキコの『雪花の虎』とNHK大河の『直虎』を比べてみると、どちらも女城主ものではありますが、魅力という点で大きく『雪花の虎』がリードしているように思います。
ただ、2017年4月現在既刊4巻という時点でこの魅力全快っぷりは、今後の成長という面で考えると若干不安も。逆に、『直虎』のほうは今があまりにヘタレなので、これからの成長は未知数です。
『直虎』の脚本は、あのNHK朝ドラ『ごちそうさん』や『JIN-仁-』『世界の中心で愛をさけぶ』などを担当した森下佳子です。いずれもかなりヒットした作品ばかりですので、これからどのように巻き返しを図ってくるのか、楽しみです。
これから『直虎』と『雪花の虎』、個性豊かな二人の女城主を見守っていきたいと思います。