今年はこの人に注目!リドリー・スコット監督作品のオススメ映画BEST5





今年の秋に2つの映画が公開されます。「エイリアン コヴェナント」と「ブレードランナー2049」です。今回はこれら2作のオリジナルの監督であるリドリー・スコットの監督作品BEST5を紹介します。新作公開の前に彼の過去作を振り返ってみましょう!

リドリー・スコットってどんな人?

時代の先を行く映像センス!


出典:20世紀フォックス映画‏公式Twitter

彼は映画監督になる以前はCM製作を行っていたこともあり、映像センスは飛び抜けています。「ブレードランナー」ではそれまで誰も見たことがないような近未来世界を描き、世界を驚かせました。以降のSF映画である「未来世紀ブラジル」や「フィフス・エレメント」、「ゴースト・イン・ザ・シェル」などの近未来世界観にも今作の影響が見られます。

撮影技術の知識を多く持ち、現場の機材を全て把握しているほど、映像には強いこだわりがある完璧主義者で、それゆえ彼に制限を設ける製作会社と対立してしまうことも多いようです。

「残酷な現実」を描く無神論者

彼の映画に一貫しているのは常に「残酷な現実」を描いていることです。現実には起こりえない神秘的な展開や、ご都合主義的なストーリーは排除されています。神のような超自然的なものに頼るのではなく、「自分の力のみで運命を切り開いていくしかない人々」の映画を常に撮っています。

そのため、「宗教」というものに関して彼は嫌悪感を抱いているようです。特にキリスト教に対する「悪趣味な嫌がらせ」は彼の映画に頻出しています。「オデッセイ」では仲間が残した木の十字架を燃やすことで火を起こし、「プロメテウス」では未知の細菌に感染されている可能性があるとして、主人公が首からぶら下げている十字架が外されます。

「悪の法則」では教会の懺悔室に入ったキャメロン・ディアスの卑猥な話に神父が憤慨しますが、このシーンもストーリーとは全く関係がないため、リドリー・スコットの「悪趣味」の部分かと思います。彼の映画を観るときは「宗教」の切り口で観ると面白いかもしれません。

第5位『グラディエーター』(2000年)

圧倒的なスケールで描く歴史スペクタクル!


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それまでのハリウッドで衰退していた「歴史大作」というジャンルを見事復活させた名作です。この映画の成功以降、2000年代には「トロイ」や「300」など多くの歴史大作が生まれるきっかけにもなりました。スコット自身、今作以降に「キングダム・オブ・ヘブン」、「エクソダス 神と王」などの歴史大作を監督しています。

運命を受け入れるしかない剣闘士

コロッセオで死ぬまで殺し合いをさせられる剣闘士マキシマスは、スコットが常に描いている「自分の力で道を切り開いていくしかない人」を体現した人物です。妻子と故郷の家を奪われ、自分の過去に戻ることが出来なくなってしまった男が、復讐することを目標にしてのみ前に進んでいく話です。

「コロッセオの真ん中で困難な試練を与えられ続ける主人公」と「それを見つめる観客」は、「常に試練に立ち向かうスコット映画の主人公」と「スクリーンの前でそれを見つめる我々観客」と同じ構図になっています。

第4位『悪の法則』(2013年)

冷酷無比な現実を描いた問題作!


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世間一般からの評価は低い作品ですが、リドリー・スコットが常に描いている「残酷な現実」が見事に表現されている映画になっています。マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ハビエル・バルデム、ブラッド・ピットと、ハリウッドを代表する大スターが集結したことも話題となりました。

ストーリーはシンプルで、麻薬取引の世界に足を踏み入れた主人公が失敗して、その報いを受ける、というもの。しかし、物語の全体像はモヤモヤしていて、結局麻薬の世界の裏側で誰が何をしていたのかは、具体的には明らかになりません。この不明瞭さこそ現実に起こっているメキシコ麻薬戦争の実態とも重なり、この映画の出来事は「残酷な現実」というものの氷山の一角でしかないことを示しています。

前半部分の「警告」に注意せよ!

批判的な意見として「前半部分がダラダラして退屈」などが挙げられますが、この退屈な前半を注意して観ると、あらゆる場所に主人公に対する「警告」が示されています。特に注目してもらいたいのは背景音です。あらゆる場面で「残酷な現実」の不穏な持続音が響き渡っています。

第3位『オデッセイ』(2015年)

火星に取り残された男の運命は!?


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アンディ・ウィアーの小説「火星の人」を映画化した今作は、火星に一人取り残された、マット・デイモン演じるマーク・ワトニーが火星の過酷な環境に対して、人類がこれまで培ってきた知恵を使って立ち向かう、という人間賛歌ムービーになっています。

ポスターなどの印象からは重そうな雰囲気が出ているのですが、映画自体は全編ユーモアに溢れた、爆笑出来る内容になっています。このユーモアの部分こそ人類が「残酷な現実」に立ち向かうために編み出した武器なのです。

余談ですが、マット・デイモンは今作や『プライベート・ライアン』、『インターステラー』など、置いてきぼりにされる役が多いですね。