生ける伝説!クリストファー・ノーラン監督作品のオススメ映画BEST5

芸術性とエンタメ性を両立させるバランス感覚の良さから、商業的にも批評的にも成功をおさめる作品を次々と生み出してきたクリストファー・ノーラン監督。今回は、ハリウッドの批評家たちも惚れこんだ、生ける伝説のオススメ映画BEST5をご紹介します。

作品のためならどんな労力も厭わない“本物の”映画監督

クリストファー・ノーラン監督といえば、異常なほどに映画製作に対するこだわりが強く、作品のためならどんな労力も厭わないことで有名です。その熱意は画面からヒシヒシと伝わるほど。

3D全盛期にスタジオから「3Dを取り入れるように」言われても作品にとって不要と判断すれば恐れることなく拒否しますし、SF作品を多く手掛けているにもかかわらずCGの使用は最小限に抑え、あらゆる知識・技術と信頼するスタッフの力を駆使してリアルな世界を描き出します。

それも、全ては映画を観る観客のため。自身が幼い頃に体験した「最高の映画体験」を観客にも体験してほしいと考えているからこそ、誰よりも熱意を注ぎ、妥協することなく常に本気で挑んでいるのです。

そんな“本物の”映画監督が生み出す世界を、ぜひ体験してみてください。きっとあなたも虜になるはずです。

第5位『インターステラー』(2014年)

時空を飛び越えて繋がる親子の物語


インターステラー[Blu-ray](出典:Amazon)

クリストファー・ノーラン監督作品は複雑な構成でありながらも、伝えたいメッセージは意外とシンプルだったりします。日常にある普遍的なものを、非日常的な手段で見せてくれ、最後には必ず感嘆させられます。

今作では、そんな彼の作品の中でも特にシンプルな「親子の絆」が描かれています。親子を引き裂くものは、人類が積み重ねてきた過ちであったり、時空であったり。それを飛び越える親子の繋がりの表現方法が実にSF的で、興奮必至の作品です。

最新の科学考証に基づいた映像表現

今作の製作にあたり、監督の弟であり脚本を務めたジョナサン・ノーランは相対性理論を学ぶためにカリフォルニア工科大学に通い、また、理論物理学者のキップ・ソーンが製作総指揮として参加し、徹底した科学考証が行われました。

その科学考証に基づいたリアルな映像表現(単にCGを使っているだけじゃない)は一見の価値あり。科学を超越した存在の描き方にも説得力があり、監督を始めとする天才たちの底力を感じます。

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第4位『メメント』(2000年)

終わりから始まりへ・・・遡るストーリー展開


メメント[Blu-ray](出典:Amazon)

当時無名だった監督が一気に注目を浴びるきっかけとなった作品です。10分間しか記憶を保てない男の物語が、終わりから始まりへと向けて進んでいく斬新なストーリー展開は大きな話題となりました。

時系列をいじる作品は多くあれど、今作のように純粋に時系列を逆さにした作品はなかなか見当たりません。ごまかしが効かない分、監督の真価が問われます。ちなみに今作の原案は先述のジョナサン・ノーラン。この兄弟、仲良すぎです。

細部にまで気が配られた「記憶を保てない男」の行動哲学

監督がすごいのは、奇抜なアイデアだけに留まらず、キャラクターの人間性や特徴を考慮した行動哲学をしっかりと描いているところです。

今作でも、復讐を目的とする主人公が、出来事や重要事項を忘れないようにメモするだけでなく身体に刺青を入れたり、出会った人物の写真を必ず撮ったりと、その執念深さを行動によって表し、「10分間しか記憶を保てない」という特徴も物語にきちんと反映させています。“何を描くか”だけでなく“どう描くか”にも気が配られた監督の原点とも言える作品です。

第3位『ダークナイト ライジング』(2012年)

ヒーローの本質を描いた3部作の集大成


ダークナイト ライジング[Blu-ray](出典:Amazon)

人気コミック『バットマン』を今までにないシリアスなトーンで再構築した『ダークナイト トリロジー(3部作)』の最終作である今作は、シリーズの中でも最もヒーローの本質を掘り下げた作品になっています。

何度叩かれても何度落とされても象徴として存在し続け、自己犠牲によって弱者を救う。そんなヒーローの姿を、しかし決して説教臭くすることはなく、集大成にふさわしい最高のエンターテインメントとして魅せてくれます。

物語の核となる、原題に込められた意味

今作の原題『The Dark Knight Rises』。実はこの「Rises」こそが、今作の核とも言える部分ではないかと思います。この「Rises」はバットマン一人の行動ではなく、登場人物それぞれの行動を表しているものだとしたら、その立場によって意味も変わります。

復讐のために立ち上がる者、愛する人を支えるために立ち上がる者、革命のために立ち上がる者、守るために立ち上がる者、そして、奈落から這い出し“再起”する者。この全ての「Rises」が丁寧に、かつ壮大に描かれているため、単なるヒーロー映画ではない群像劇としても楽しめます。

第2位『インセプション』(2010年)

徹底的に造り上げられた唯一無二の世界観


インセプション[Blu-ray](出典:Amazon)

監督自身が長い年月を費やして構想を練った完全なるオリジナル作品。その世界観は群を抜いていて、まさに唯一無二という言葉がふさわしいほどです。

夢の中を舞台にした作品はこれまでにもありましたが、ここまで徹底的に造り上げられ、SFなのにリアルさを体感できる作品は今作を除いて他にありません。また、世界観を構築する上で欠かせない音楽群(監督と相性が良いハンス・ジマーによるもの)も映画史上最高の完成度だと個人的に思っています。ご飯3杯は軽くいけます。

無重力下での圧巻のアクションシーン

夢の中で重力が傾いたり、無重力になる場面があるのですが(原因は割愛します)、そこでのアクションシーンは圧巻の一言に尽きます。

重力の傾きを再現するために、なんと回転する廊下を自主開発し、無重力下での格闘も、そのほとんどをワイヤーをつけた俳優自身の演技力とカメラワークで表現しています。もうここまでくると変態です。今作では、3Dや4DXなどの小手先のごまかしでは決して体験できない本物の映画体験ができます。

第1位『ダークナイト』(2008年)

境界線が曖昧な正義と悪を表裏一体で描く


ダークナイト[Blu-ray](出典:Amazon)

恐らく、監督作品の中で最も人気が高い作品です。ヒーロー映画でありながらも、何が正義で何が悪なのか、そこを決して断定することなく、あくまで登場人物たちが貫くそれぞれの視点からの信念や行動理念をぶつけ合わせています。

また、バットマン/ブルース・ウェインが作品上の悪役であるジョーカーとの間に共通点を感じるという、正義と悪を表裏一体で描く設定もラストでジワジワと効いてきて、どこまでも巧妙な仕掛けに驚かされます。

世界を驚かせたヒース・レジャー版ジョーカー

3部作で主演を務めたクリスチャン・ベールは、セリフよりも表情や体の動きで真意を表現する場面が多く、そのポテンシャルの高さには本当に感動しました。

しかし、その主役とは対照的に言葉でキャラクター性を表現するジョーカーを演じたヒース・レジャーがさらに上を行く、映画史に残るほどの表現力を余すことなく絞り出していて、彼が出演しているだけで今作の魅力は格段に上がっています。彼の役作りに対する気迫にはクリストファー・ノーラン監督も恐怖を感じたと語るほど。

若くして他界した彼の、もう二度と見ることができない演技を超えた演技を、ぜひ。

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本年9月に公開を控えた話題の新作『ダンケルク』。なんと、これまでSF色の強い作品が多かったクリストファー・ノーラン監督初となる、史実に基づいた戦争映画となっています。

今作で描かれるのは、第二次世界大戦中にフランス・ダンケルクに追い詰められたイギリス軍とフランス軍を救出する史上最大の撤退作戦「ダイナモ作戦」。監督が得意とする、一つの出来事を複数の視点から描くという手法を今回も用いているようで、陸・海・空それぞれの物語が交錯する模様。

ジャンルを問わず野心的に作品を作り続ける監督の新境地に期待が高まります。

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ABOUTこの記事をかいた人

りんく

映画やドラマを生き甲斐とする、しがないライターです。一つの出来事や概念を複数の視点から描くような作品が好きで、特にクリストファー&ジョナサン・ノーラン兄弟の作品を敬愛しています。