コミック累計6300万部を突破した諌山創原作の人気漫画『進撃の巨人』。多くの謎と共に長い間明かされなかった伏線回収も急ピッチで進められています。物語が大きく動き出し、さらなる謎解明に向けてファンも心揺さぶられているはず。ここでは22巻で明かされた謎の紹介と更なる謎に向けて考察します。
記事の目次
グリシャの過去と巨人の謎が明らかに!
グリシャの悲しい過去カルラ・イーターの正体も明らかに!
22巻ではグリシャの過去と、復権派の手助けをしていた”フクロウ”の正体が明らかにされています。グリシャの息子ジークの密告により、復権派は捕らえられ”楽園”送りとなったことから始まりました。島の南端にある防波堤に目隠しをされ並ぶように座らせられた復権派のメンバーは、次々と巨人化する注射を打たれ突き落とされていきます。
グリシャの妻ダイナは、どんな姿になってもグリシャの元へ行くと言い残し巨人化させられましたがその姿は、エレンの母カルラを食ったあの巨人カルラ・イーターです。巨人化してグリシャの家に向かって現妻のカルラを食うとは、なんとも切ない気持ちになりますよね。
ただ、「巨人は南から来る」という伏線回収がここでされています。
復権派を手助けしたフクロウとは
正体は明かさず復権派の手助けをしていたフクロウの正体は、実はマーレ人に成りすましていたエルディア人でした。正体がバレないように何人もの仲間の指を落としたり、巨人化させたりしていたといいます。それでもエルディアをどうしても復権させたかったのだと…。彼の名はエレン・クルーガー、巨人化能力者でした。
しかし、クルーガーもそろそろ”寿命”が来ているとのこと。グリシャに巨人化注射を打ち、自分を食わせることで巨人の力を継承させるといいます。すべてはエルディア復権のため…。エレンの名前の由来は、このクルーガーから来ていたんですね!
彼らの目的はただひとつ、始祖の巨人を取り戻してエルディアを再建することだけだったのです。始祖の巨人は巨人を操ることができます。この巨人がいればマーレを全滅させることもできるでしょう。しかしマーレもまた同じことを考えているのです。
巨人はどうやって造られていたのか!?
巨人はどうやって造られていたのでしょうか。巨人の脊髄液を注射するというものですが、巨人化できるのはユミルの民、いわゆるエルディア人にしかなれないようです。ユミルに関してはエルディアとマーレでは歴史が異なっています。エルディア人からすれば、巨人化能力を得たユミルが、他の巨人を操って橋や道などを造った偉大なる人物といわれています。
しかし、マーレ人の歴史では、悪魔と契約して巨人化能力を得て、マーレを滅ぼそうとした悪魔だと語られているのです。どちらの歴史が正しいのか、双方が交わることなく平行線を辿っています。
マーレはエルディア人から”マーレに忠誠を誓う戦士”を募り、巨人化能力者を利用して壁内の人間を滅ぼそうとしています。だから次から次へと巨人を送り込んでいたようですが、これも始祖の巨人を奪うための戦略だったのでしょう。
巨人には9つに分かれた力があった!
巨人化の能力を持つユミルの民とは!?
ユミルの民というのは、巨人化できる能力のあるエルディア国民です。古代にエルディア国を築き、1700年かけて民族浄化として他の民族を弾圧しました。ユミルの民に関しては86話で登場しましたが、特別編「ユミルの手帳」でも語られています。
ユミルの民はエルディア人以外の民族を下等民族とみなし、すべてを奪い取り子孫を増やしていったのです。エルディア人の歴史とは違っているようですが、古代に行われたこの惨事により、世界はユミルの民を根絶しようとしているのです。
知性を持つ巨人の種類
1820年前に悪魔から巨人の力を手に入れたユミルの死後、魂が9つに分けられたといいます。知性も持った巨人になれるのは始祖の巨人、進撃の巨人、獣の巨人、鎧の巨人、超大型巨人、女型の巨人、顎(あぎと)の巨人、車力の巨人、小型の巨人の9体。
このうち、超大型はアルミンが継承、進撃の巨人と始祖の巨人はエレンが継承しています。グリシャが始祖の巨人の力を奪って進撃と始祖の力をエレンに継承させてしまったため、ライナーやベルトルトたちから狙われていたんですね。
すべてが”始祖の巨人”に繋がっている
9つの巨人の能力を継承した者は寿命が13年ということが明らかになりました。エレンは残り8年弱、アルミンは13年ということになります。これもユミルの呪いといわれているようですが、始祖ユミルが力を持ってから亡くなるまでが13年だったようで、それ以上の力は持てないことになっているとのこと。
巨人の力を手にしたものは、目に見えない”道”が見えるといいます。巨人になるための骨や血、記憶や意思がその道を通って送られてくるようです。道は全て始祖の巨人というひとつの座標で交わるとのこと。すべての巨人とユミルの民は全て座標で繋がっているのです。
また、巨人の力を継承させずに死んだ場合、これからどこかで産まれる赤ん坊に継承されるといいます。これで座標が何なのかという伏線も回収されましたね。
不自然な描写からの考察
ミカサの意味深なセリフ
ミカサ「これは…何かの間違い…間違ってる…」
(引用:『進撃の巨人』22巻88話)
巨人の力を継承した者の寿命が13年しかないと聞いたときのミカサのセリフですが、エレンのことに関して同様するはずのミカサが、やけに落ち着いているのが気になります。もしかしてミカサは何か知っているような素振りです。
ミカサの母は東洋人ですが、マーレの敵対国といわれている国はマーレからみると東にあるので、もしかしたらそのマーレ敵対国は東洋のことを指しているのかもしれません。だとすると、ミカサが母から何か聞いていたとも考えられますね。
リヴァイの不自然な言動
リヴァイ「もういいだろハンジ…こいつは15だぞ?「そういう時期」は誰にでもある」
(引用:『進撃の巨人』22巻89話)
エレンがグリシャとクルーガーの記憶をミカサとアルミンに話しているとき、右の手首を押さえて「進撃の巨人」と言っていました。これを聞いたハンジはエレンを追求していましたが、確かに奇妙な行動です。
しかしリヴァイはそれを無視して、それどころかまるで話を逸らすような言動ですよね。そういう時期というのは、15歳という年齢だからということなのか、果たして他の意味があるのか気になりますね。
ユミルからヒストリアへ届いた手紙
「まだお前と結婚できていないことだ」byユミルからの手紙
(引用:『進撃の巨人』22巻89話)
ユミルがヒストリアに残した手紙は、ライナーからハンジに渡りヒストリアの手に渡りました。その内容はユミルの生い立ちが書かれていました。自分がなぜユミルと呼ばれるようになったのか、ユミルになってからどうなったのか。
しかし、それ以外の情報は書かれていないのも不自然です。ただ自分の生い立ちだけなら手紙を出すまでもないと思われますが、ヒストリアとユミルに通じる暗号のようなものがあるかもしれませんね。いつもユミルが言っていた「結婚してくれ」これがキーワードかもしれません。
ループ説が有力!?クルーガーとグリシャの会話
クルーガー「ミカサやアルミンみんなを救いたいなら使命を全うしろ」
グリシャ「ミカサ?アルミン?誰のことだ?」
クルーガー「…さぁ?わからない 誰の記憶だろう?」
(引用:『進撃の巨人』22巻90話)
ファンの間では進撃の巨人にはループ説があると言われていましたが、クルーガーとグリシャの会話の中でループ説が有力ともとれるセリフがあります。このとき、ミカサやアルミンはまだこの世に生まれてきてませんよね。
それなのに、クルーガーの口からこんな言葉が出るということは、クルーガーが巨人の力を継承した以前に、ミカサやアルミンという人物がいたということなのでしょうか。しかしそれだと、救いたいならと未来を語るのには疑問が残ります。
誰の記憶だろうということは、やはり過去の人物なのでしょうか。亡くなってもまた同じ人物に生まれてくるということであれば、これもユミルの呪いなのかもしれませんね。
いよいよ海へ!アルミンが持つ”貝”が意味するものは?
調査兵団はいよいよアルミンの言っていた”海”を目指します。初めて見る地平線、そして果てしなく続く海を前に、驚きと喜びを隠せません。海の向こう側には自由がありますが、多くの敵も存在するのです。全部倒せば自由になれるのかというエレンの言葉に、ミカサとアルミンは凍りつき、アルミンの手にはサザエのような貝が…。
サザエを手に乗せた描写で終わるというのも何かの伏線になっているかもしれませんね。ただ、見た目はサザエに見えますが作中でサザエと語られていないのも何らかの意味があるとも考えられます。
あのトゲトゲの形から考えると、この先は険しさを増すというメッセージがこめられているのかもしれません。いずれにしろ、多くの謎が明かされた『進撃の巨人』ですが、調査兵団はこの先どんな作戦を立てていくのか気になるところです。
23巻の発売日は2017年8月9日!
22巻が発売されたばかりですが、次の23巻はいつごろ発売になるのか気になるところですよね。23巻は新章に突入するので、これまでと違った驚きの展開が予想されます。
いよいよマーレの登場となるわけですが、90話ではシガンシナ区での戦いからすでに数週間後が描かれています。その間に、巨人どころかジークたちが襲撃に来なかったというのも気になりますよね。いわゆる壁内は平和な時間を過ごしていたということでしょう。23巻ではその理由も明かされるようですね。
そして気になる23巻の発売日ですが、2017年8月9日(水)となっています。マーレと壁内人類がどう向き合っていくのか、エルディア人とはどんな形になっていくのかも楽しみですね。