名人・獅子王・棋神・聖竜・玉将の計5冠を有している天才棋士・宗谷冬司。時に将棋の神と評され、時に人間の形をした悪魔と評されるなど、とにかくつかみどころの無いキャラです。実写映画版で零を演じた神木隆之介も零以外の中では好きなキャラナンバー1に宗谷冬司をチョイス!そんな宗谷を徹底解剖しちゃいます!
『3月のライオン』宗谷冬司とは?
宗谷冬司は、名人・獅子王・棋神・聖竜・玉将など棋匠と棋竜以外のすべてのタイトルを保持している天才棋士です。30代後半だというのに、その外見はまるで中学生のように若々しく、零同様、中学生のころからプロ棋士として活躍しています。
棋士として超一流の宗谷ですが、将棋以外の場面では天然ぶりを発揮することも。常に誰かが横にいて世話をしないと危なっかしいという幼い面もあります。
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宗谷冬司の将棋
まずは宗谷冬司がいったいどんな将棋を指すのか、対局中の癖などを対戦相手ごとに振り返ってみます。
【獅子王戦第四局】宗谷冬司v.s.島田開
前夜祭で島田の体調不良を見抜いた宗谷は、撮影などある程度のきりがついた時点で島田に部屋に帰って休むようにと促します。あとは自分が引き受けた…と。将棋以外では天然な宗谷ですが、将棋が関わってくると嗅覚を発揮し、相手の体調などわずかな変化をも見逃しません。
宗谷と島田は互いに一歩も引かぬ攻防を続けていましたが、二日目島田の攻めがとまり、とうとう宗谷の反撃が始まります。そのイメージは雪。どんなにもがいても圧倒的な美しさで静かに埋め尽くしてくる雪です。
が、実は7九角と打てば島田の逆転となっていた…ことを感想戦で宗谷が示します。「気づかなかったね…君は僕を信用しすぎだ……美しかったのに…」という言葉とともに。ああ、カッコいい…!
ちなみにこの島田が気づかなかった7九角は、なんと解説者として鎮座していた零がその場で気づきます。その場にいた棋士全員が宗谷の大差での勝利を信じて疑わなかった場面で、です。この二人には何か相通ずるものがある、と言えるでしょう。
【名人戦第二局】宗谷冬司v.s.隈倉健吾
柳原によると、宗谷と隈倉の関係は、「お互いにお互いが相手のことを力いっぱいブン回しても壊れないおもちゃだと思ってるからな」というものらしいです。
二人の対局は非常に頭を使うもののようで、脳の栄養にはブドウ糖…ということで、おやつタイムの中継が名物となっているそう。隈倉はケーキ3個を瞬殺!宗谷はレモン3切れ入りのレモンティーにブドウ糖の固まりをドボドボっといれたものを!
そしてここでも宗谷は鮮やかな幕切れを用意します。夕食休憩後、残り時間も少なくなってきた折、4四角という妙手を宗谷が指します。この一手、その場にいる解説者も誰もが「?」となるような特に意味の無い一手に見えました。が、実はこの直後に隈倉は投了を宣告します。きっちり17手で詰んでいたのです。
【記念対局】宗谷冬司v.s.桐山零
零はまだB級に属しているので、本来ならば宗谷との対戦はほぼあり得ません。が、零が新人戦のタイトルをとったことにより、宗谷との記念対局が実現しました。
実は宗谷は若手棋士との対局もかなり楽しむタイプ。零との対局も「もしもしあなたは誰ですか?」と問いかけるように盤面を動かしていきます。力の差は歴然で、痛恨の一手を指してしまう零ですが、その後、零が最善手を指し続けることでお互いに通じ合うものを感じ、感想戦はほぼ無言で進められていきます。
この二人は、棋風にしろ雰囲気にしろどこか重なるものがあり、零にとっては目指すべき位置=宗谷なのだと思います。宗谷も自分と重なる部分を持つ零のことをどこか特別に感じているのではないでしょうか。
【名人戦二局目】宗谷冬司v.s.土橋健司
この二人もどこか相通ずるものがある二人です。幼いころから土橋の前には常に宗谷が立ちはだかっていました。優勝=宗谷、準優勝=土橋という感じですね。どんなに頑張っても土橋の上には宗谷がいるという状況を土橋のご両親は辛く思っていました。
が、本人たちは決してそんな風に思ってはいないようです。宗谷は天才棋士ですが、土橋は努力の天才。二人の天才同士が火花を散らせば、思わぬ化学反応が起こるというもの。この名人戦二局目でも土橋は寝る間も惜しみ、1日24時間のうち使える時間はすべて将棋の研究に捧げ、これ以上研究しようがないというところまで突き詰めたにも関わらず、二人で将棋を指したことにより、新たな扉が次々に出現したのです。
普通、こんな状況になれば、心が折れそうになるもんですが、なんと二人とも見たこともない景色が広がっているかもしれない扉の向こう側が気になって気になって仕方がない様子。勝利とか敗北とかそんなのはそっちのけ!二人で新しい扉を開ける研究会を開く約束をしたというのです!
宗谷も土橋も将棋はもちろん仕事ではありますが、やらなきゃならない仕事というよりは、楽しくて仕方ない仕事という意味合いが強いようです。
宗谷冬司の耳は聞こえない!?
零との記念対局後、宗谷の耳が聞こえないという事実が発覚します。宗谷のキャラを形作る上で、耳が聞こえないというのはかなり大きな事実。この展開に衝撃を受けたファンも多いようです。
どういう境遇にせよ、30後半の孫と耳が遠い祖母が銀閣寺の辺りに二人暮らししているという闇を感じる背景をなんとかして 宗谷はよ誰かと結婚して おばちゃん心配で宗谷を一人で寝かせられない
— ぜた (@zeta_Ewaves) November 19, 2016
宗谷名人て耳聞こえないのか…
— カズーイ (@omelette_rice0) November 13, 2015
いや、土橋さんはもしかしたら宗谷さんの耳のこと、もう薄々勘づいてるのかもしれない。島田さんもそうなのかなあ
— ベニ (@benihamo) September 28, 2013
三月のライオン8巻が待ち遠しい。7巻まで読み返して妻と意見交換。宗谷名人の設定について。耳が不自由なのか、高機能自閉症などの発達障害なのか。連載を読んでいる人には既に判明しているのだろうが。
— ブディマン・きゅうべえ・グルン (@buddhiman_q) December 9, 2012
零との対戦後、大雨で新幹線とまるトラブル発生!
零との記念対局のとき、ちょうど台風が接近していて、帰りの新幹線が止まってしまうというトラブルに見舞われます。車内アナウンスを聞いて、慌てて下車しようとする零ですが、そのときふと新幹線に乗ったままの宗谷に気づきます。
宗谷はその喧噪の中、平然と新幹線の座席に座り続けていたのです。そのとき、零は宗谷の耳が聞こえていないことに気づきます。
ストレス!? 突発性難聴
宗谷の耳は10年前から聴こえたり聴こえなかったりをいったりきたりしています。医者にも行ったそうですが、原因はストレスか…といったところで解明には至らず、そのうち本人も面倒くさくなって医者にもいかなくなったのだそう。
本人としては、「静かでいい」と言い、棋士仲間にも隠すつもりはないようです。が、やはり不利になる部分もあるだろうと「黙っておけ」と忠告しても「秒読み前に終わらせればいいんでしょ?特に問題は無いのでは?」としれっと言い放つところも天才棋士・宗谷ならでは!
元来の天然ぶりで耳の不自由さも何のその!
宗谷はもともと将棋以外はかなりの天然ぶりだったようで、耳が聞こえないからと記者会見などでとんちんかんな受け答えをしても逆にそれが「さすが天才」と株を上げることに。
実際、零との記念対局時もかなりおかしな受け答えをしていましたが、周囲は「天才の成せる業か」と勝手に解釈し、誰も宗谷の耳が聞こえていないのではと疑う者はいませんでした。
『3月のライオン』宗谷冬司!アニメ版声優&実写版俳優は?
『3月のライオン』は2016年10月からNHK総合にてアニメ放映され、2017年3月18日と4月22日に前編・後編と実写映画版が公開されます。宗谷冬司を演じるのは、一体誰なのか触れておきます。
アニメ版声優=石田彰
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アニメ版で宗谷冬司の声をあてているのは、石田彰です。石田ボイスを活かし、セリフが超絶少ない宗谷ですが見事に存在感を発揮しています。中には原作の宗谷のセリフを石田の声で妄想している方も!ほんと、しびれます!代表作は『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲル役など多数。
宗谷さんの声優やっぱり石田彰なのね…………さすが………
— みかみ (@3_k_a_3) March 28, 2017
「美しかったのに・・・(息多め)」宗谷名人の声が石田彰さんなの、ホントにもう!笑、もうもう!笑笑
— 岡田 (@skyred20) March 20, 2017
3月のライオンが秋から2期があるのは、本当に楽しみだが、まず宗谷役の石田さんにワンクールで二言三言ではなく、もっと台詞あればいいのにと思ってしまうw
— bluemint (@bluemint216) March 19, 2017
実写版俳優=加瀬亮
実写版で宗谷冬司を演じるのは加瀬亮です。ハッキリ言って、宗谷を演じられる俳優なんてこの世に存在しないと思っていました。だって、神(もしくは悪魔)なんですから。冬の雪がしんしんと降るような静けさをそこに居ながらにして体現できる人間がこの世に存在するとは!!
前評判がイマイチだっただけに、劇場での衝撃は凄まじいようです!
対局のシーンの加瀬亮の宗谷冬司の再現度高すぎて「ワ゛ーーーーーーッッ!!??」ってずっと心の中で叫んでた 加瀬亮が「ほら!君たちの大好きな宗谷冬司だ!嬉しいだろ!!」って3月のライオン原作ファンのマウントとって将棋盤で頭ガンガン殴ってくる感じ
— あかり (@sugar_Akari) March 30, 2017
2本目終了ー♪
宗谷名人の加瀬くんは、ため息ものだった(*´∇`*)
漫画原作の実写化ってキャスティングがハマるとホントにイイ!
紙の上の登場人物が、実際動いてセリフ言うとか、夢のようだわね— 朔 (@grey_saku) March 20, 2017
3月のライオンキャスティング素晴らしかったー
実写でも大納得だよ。
やっぱ、島田八段かっこいいよなぁ
後藤さんもかっこいいし皆かっこいい
宗谷さんどーなってるのか気になってたけど、加瀬さんほんと。まじ最高でした。(語彙力皆無かよ— しゃん!@通常運転 (@junkieyou) March 20, 2017
佐々木蔵之介と伊藤英明が対局していると里見先生と財前先生の医局要員だったのにねーと思ってしまうが、とにかくここがクライマックス的にお見事で。あて書きなんだろう島田さんはともかくとして、加瀬亮の宗谷名人ぶりがすごくて魂抜かれた。#3月のライオン
— YamaguchiM (@yamaguchiM) March 20, 2017
もっともっと宗谷冬司を知りたい!
宗谷冬司…難聴のまま、なんだか神か悪魔か分からないまま…というのはツマラナイと思います。魅力的なキャラだけに、人間らしいところも見たいな…なんて。今後、零が目指す宗谷という棋士をもっともっと原作で掘り下げてほしいと思うのです!
そして、おそらく2017年中には発売されるかもしれない原作の13巻の中には、宗谷のエピソードも含まれる予定です。とうとう今度は二海堂が宗谷と対戦するかも!?しれません。13巻の発売を楽しみに待ちましょう!