多くのアルバム、シングルがありディスクごとに世界観が違ったり、作品ごとにイメージに合わせるため歌い手を変えたり、一般的なアーティストではあまり見ない手法を使っているSound Horizon。聞いてみたいと思っていても、どこから聞けばいいのかわからない人のために、サンホラファンがオススメできる9曲を紹介します!
記事の目次
Sound Horizonとは?
Sound Horizonは、唯一Revoのみがメンバーの音楽ユニットで、毎曲のイメージごとにボーカル、奏者、声優などが入れ替わり参加しています。自主制作を重ね、2005年にメジャーデビュー。現在ではコラボ専門のプロジェクト、Linked Horizonでも活動をしています。
1.『Ark』
『Ark』は2005年に発売されたアルバム『Elysion ~楽園幻想物語組曲~』に収録されている曲で、2004年に発売されたメジャーデビューアルバム『Elysion -楽園への前奏曲-』にも収録されています。ボーカル、台詞を担当しているAramaryは、自主制作時代からSound Horizonに参加しています。
ボーカルや台詞、語りをすべてひとりで演じ分けられる技術が素晴らしく、特に少女から女性に成長していく世代の表現がとてもリアルで、『Ark』の閉塞的な世界観に彼女の狂気的な歌声、それが疾走感のあるサウンドに合わさると一気にサンホラの世界に引き込まれてしまいます。
2.『StarDust』
『StarDust』は2005年に発売されたアルバム『Elysion ~楽園幻想物語組曲~』に収録されている曲で、ボーカル、台詞はAramaryが担当。一途に彼を思う女の曲で、アップテンポな曲調にAramary儚く切ない歌声と、現実的な語りパートで構成されています。
歌詞の中に「赤」を思い浮かべるさまざまなものが出てきますが、その赤色が『StarDust』の中でどう表現されていくのか、歌詞からイマジネーションを掻き立てられると思います。
3.『朝と夜の物語』
『朝と夜の物語』は、2006年に発売されたSound Horizon3枚目のメジャーアルバム『Roman』の1曲目に収録されています。ボーカルはRevo(名義はHiver Laurant)、KAORI、YUUKIが担当しています。台詞部分には、緑川光、能登麻美子、田村かおり、大塚明夫が参加しており、ボーカルと台詞は完全に分担しています。
Revoがボーカルを担当するのはこの曲が初めてで、ファンの間ではかなりの衝撃がありました。この曲なしでは今のサンホラ、リンホラがないと言える一曲です。
4.『11文字の伝言』
5th story CD「Roman」(出典:Amazon)
『11文字の伝言』は、『朝と夜の物語』と同じアルバム『Roman』の最後のトラックに入っています。ボーカルはRIKKI、台詞部分には深見梨加が参加しています。母から子へ送る気持ちを歌った曲で、優しが芯のあるボーカルにゆったりとしたメロディライン、深みのある語りが、誰にでも存在する母親を思い出させ心に響いてきます。
「伝言」部分は「メッサージュ」と読み、歌詞カードにある「0102」は「い」と読みます。この暗号文のような歌詞、前2桁は50音順の子音、後ろ2桁は母音を指しているので、歌詞にも注目してみると曲では聞こえない部分がわかります。
5.『石畳の紅き悪魔』
『石畳の紅き悪魔』は2007年に発売されたSound Horizon2枚目のメジャーシングル『聖戦のイベリア』の収録曲で、ボーカルにはRevo(名義はShaytan)、YUUKI、RIKKI、REMI、KAORIが参加しています。
4人以上のボーカルが同時にひとつの曲に参加するのは『石畳の紅き悪魔』が初めてで、女性コーラスがとても美しく、かつ男性ボーカルの力強さを際立たせています。『聖戦のイベリア』は3曲構成で、全体的にアップテンポのノリがいい曲が続くので、一気に耳から入ってくるシングルとしてオススメです。
6.『死せる英雄達の戦い-Ηρωμαχια-』
6th Story CD「Moira」(通常盤)(出典:Amazon)
『死せる英雄達の戦い-Ηρωμαχια-』は2008年に発売された4作目のアルバム『Moira』の収録曲で、ボーカルにはRevo(名義はΕλευσευς)、宇都宮隆、KAORI、YUUKI、REMI、内藤彩加、MIKI、霜月はるかが参加しています。
『Moira』はギリシャが舞台のアルバムで、運命に抗うもの受け入れるもの、色々な生き様を描いていて『死せる英雄達の戦い』は立場がまったく違うふたりを対極に聞かせる、クライマックスで一番盛り上がる曲です。ちなみにこの曲のタイトルは「イロマキア」と読みます。
7.『光と闇の童話』
『光と闇の童話』は2010年に発売された3作目のシングル『イドへ至る森へ至るイド』の収録曲で、アルバム『Marchen』のプロローグにあたります。ボーカルはRevo(名義はMarchen von Friedhof)、初音ミクが担当。ギターにマーティ・フリードマン、ドラムにSIAM SHADEの淳士が参加しており、サンホラの曲の中で一番メタル感が強い曲だといえます。
エリーゼという人形が歌うボーカルに初音ミクを使用し、台詞を初音ミクの声優・藤田咲が演じ、作り物のキャラクターをうまく表現しています。
8.『硝子の棺で眠る姫君』
『硝子の棺で眠る姫君』は2010年に発売された5作目のアルバム『Marchen』に収録されています。ボーカルは黒沢ともよ、Jimangが担当。『Marchen』は童話をモチーフに作られているアルバムで、『硝子の棺で眠る姫君』は白雪姫がモチーフになっています。
声優として活躍している黒沢ともよが、本格的に声優として活動しはじめた時期とほぼ同時期に収録されているので、彼女の初々しい歌声を聞くことができます。サンホラではあまり聞かないポップで可愛い曲調に、こんな曲もあるんだ!と感心する一曲です。
9.『磔刑の聖女』
『磔刑の聖女』は『硝子の棺で眠る姫君』と同じアルバム『Marchen』に収録されています。ボーカルはJoelle、Revoが担当。ジャジーな曲調からはじまり、落ちていくマイナーから明るくなり、最後に激しいメタルに変わっていくという、一曲の中で次々と心情が変わっていくさまを曲調で表現しています。
一曲の中で曲調が変わっていく手法は、サンホラの曲にはいろいろありますがその中でも『磔刑の聖女』は、ひとつの決断をさまざまな視点から注目した曲なので、最後になるほどと納得できる展開を聞かせてくれます。